定年退職でも失業保険を受給できるのか、そもそも自分自身にとっていつ退職するのが適切なのかについても解説している記事4本をピックアップしました。退職時期によって失業保険の受給額がどう変わるのかや、退職金の相場、計算方法についてもご紹介。本記事では、退職後の生活設計に役立つ情報をまとめました。
目次
2022年6月8日 お金の使い方
定年退職を迎える頃になると、多くの方は若い時と同じように「失業保険(※)はもらえるの?」と疑問に感じるのではないでしょうか。結論から言えば失業保険は支給されますが、実際に受け取るには条件を満たす必要があります。
そこで本記事では、定年退職時に失業保険を受け取るための条件や金額、活用したい制度などをまとめました。老後資金の備えにもつながるので、ぜひ最後までチェックしてください。
(※)正式名称は「雇用保険」と言う。
定年退職時に失業保険を受け取るための条件は、以下のように設定されています。
加入期間に関する条件 | 失業に関する条件 |
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・離職日以前の2年間に、通算の被保険者期間が12ヵ月以上であること | ・積極的な就職の意思があること ・就職できる能力があること ・ハローワークで求職活動をしていること ・現在職に就いていないこと |
上記の条件をすべて満たしており、かつ65歳未満で定年退職をした方は、年齢や被保険者期間に応じた失業保険を受け取れます。一方で、就職に影響する健康面の問題を抱えている方や、すでに再雇用の予定がある方などは、失業保険の支給対象には含まれません。
2024年3月31日 資産管理
失業保険は2017年に改正されてから、65歳以上の高年齢被保険者も支給対象になりました。一般の被保険者とは仕組みが異なり、64歳で受けとるか65歳で受けとるかによって失業保険の支給額は変わります。
本記事では失業保険の仕組みに加えて、64歳と65歳の受給額の違いやシミュレーション結果をまとめました。退職時期を悩んでいる人に向けて、失業保険を長く受けとる方法について解説します。
64歳11ヵ月で退職をすると、失業保険の基本手当と老齢年金を同時に受けとれます。64歳0ヵ月では基本手当のみになり、65歳以上になると基本手当が高年齢求職者給付金に代わるため、退職時期によっては損をするかもしれません。
本記事では3つのパターンに分けて、退職から半年間受けとれる金額を比較しました。
64歳0ヵ月で退職:101万2,500円
64歳11ヵ月で退職:188万2,500円
65歳0ヵ月で退職:120万7,500円
(※退職前の賃金や加入期間などの条件については、後述を参照。)
なお、実際にはボーナスの時期や退職金なども関わってくるため、必ずしも64歳11ヵ月での退職がお得になるとは限りません。損をしたくない場合は、失業保険や厚生年金の仕組みを理解した上で、細かくシミュレーションをすることが必要です。
2022年12月1日 お金の使い方
退職時に受け取れる退職金は、会社の規模や業種、勤続年数などによって相場が異なります。老後資金や転職資金になる大切なお金なので、多くの人は「結局いくら受け取れるの?」と疑問に感じるでしょう。
本記事では、厚生労働省が公表しているデータをもとに、退職金の平均額・相場をまとめました。勤続年数別・学歴別・退職理由別の相場をチェックし、ライフプランの設計に役立てていきましょう。
従来の年功序列型の企業では、「基本給連動型(※勤続年数に比例)」によって退職金を計算する方法が主流でした。しかし、基本給連動型は支給する企業の負担が増えるため、最近では以下の方法で退職金を計算するケースが増えています。
退職金の主な計算方法 | 概要 |
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定額方式 | あらかじめ、勤続年数に応じた支給額を決めておく方法。 |
別テーブル方式 | 給与などの賃金とは切り離す形で、勤続年数に応じた退職金を決定する方法。 |
ポイント制方式 | 昇進や年齢、資格などの加算ポイントを設定し、累積のポイントをもとに退職金支給額を計算する方法。 |
上記の方法で調整できない分については、「特別加算額(特別減算額)」として別途計算されることもあります。実際の方法は企業によって異なるため、退職前には就業規則等をチェックし、自身のケースに当てはめて退職金を計算しておきましょう。
2022年11月2日 資産管理
退職して間もない人や退職を検討している人にとって、退職金を受け取る時期は気になる問題だといえます。退職金を投資資金に充てたいと考えている場合も、金額と併せて大事な問題です。支払い時期の確認方法や振り込みが遅すぎる場合の対処法などについて、理解を深めておきましょう。
退職金制度は主に4つのタイプに分かれます。
退職時に一括で受け取るタイプが「退職一時金制度」です。一般的にイメージされている退職金制度といえるでしょう。多くの企業がこの制度を導入しています。一括で支払われる退職金には、「退職所得控除」が適用されるため、次項で解説する退職年金制度に比べ、課税額を抑えられる可能性が高いことがメリットです。
退職後に分割で受け取るタイプが「退職年金制度」です。支払われる期間は企業により異なり、一時金制度と併用している企業もあります。退職後の年間収入が増えるため、所得税や社会保険料が高くなるケースもあるでしょう。
なお、企業によっては、社外で運用できる「確定拠出年金制度」を導入している場合もあります。確定拠出年金は、転職先に資産を移せることや、倒産による退職金カットのリスクを回避できることがメリットです。
会社を退職した後の生活設計には、失業保険や退職金の理解が欠かせません。失業保険の受給条件や適切な退職時期、退職金の相場と計算方法を把握して、老後の資金計画を立てましょう。
※本記事は、2024年6月26日現在のものです。今後制度が変更になる場合もあります。