新型コロナウイルスの影響は、私たちの生活を大きく変えてしまいました。では実際にどのような変化が起こったのでしょうか? 影響の範囲があまりに大きく、残念ですが全てを紹介することはできません。そこで、この記事では、仕事やお金、価値観にスポットを当てて、記事をピックアップしました。
目次
■1. 「ハイブリッドワーク」コロナ時代の主流に? 在宅×出社、働き方に変化
■2. コロナ禍で注目される「富裕税」とは? 所得格差緩和にも貢献?
■3. コロナ禍で注目される「ベーシックインカム」 海外の事例が示す課題とは?
■4. コロナ禍で加速する世界的インフレ懸念 投資市場への影響は?
■5. コロナ時代はMBAよりスキル?価値観と雇用に大きな変化
目次
コロナ禍2年目の現在、人々の働き方は大きく変化しています。ワークライフバランスの重要性がますます高まる中、「with/afterコロナ時代の新しい働き方」として注目されているのが、リモートワークとオフィスワークを組み合わせた「ハイブリッドワーク(Hybrid Work)」です。
4大会計事務所から大手テクノロジー企業まで、すでにハイブリッドワークを採用している企業はたくさんあります。
経済活動の再開に伴い、リモートワークからオフィスワークに回帰する企業が増える一方で、リモートワークを継続する企業も多数存在します。
リモートワークに特化した求人サイトWe Work Remotely(WWR)が2020年の求人広告を分析したところ、リモートワーク先進国の米国では1.5万件の求人広告の7割に、リモートワーク可能とする内容が掲載されていました。日本生産性本部が2021年10月に実施した調査では、日本企業のリモートワークの定着率は2割ほどであることが明らかになりました。
リモートワークがさまざまな産業で普及している今、メリットとデメリットの両方が指摘されています。「時間が節約できてライフワークバランスが取りやすい」といったポジティブな声がある反面、「オンとオフの切り替えが難しい」「(社員同士の)コラボレーションやコミュニケーションが減った」「孤独感がある」との声も少なくありません。
また、Microsoftの従業員約6万人を対象にした調査では、リモートワークへの移行で社内のコミュニケーションに悪影響が起きたという結果が出ました。
コロナ禍によって拡大する所得・経済格差を是正する手段として、またコロナショックの経済復興策の一つとして、「富裕税」を巡る議論が再燃しています。
富裕税は、納税者の資産の正味公正市場価値に課される税金です。
課税対象となるのは、個人が所有している資産(現金や銀行預金、不動産、信託、株式など)から負債を差し引いた純資産です。「純資産税」や「資本税」などと呼ばれることもあります。
キングスカレッジロンドン政治経済学部のジュリアン・リンバーグ氏の研究によると、富裕税の歴史は古く1892年に世界で初めてオランダで恒久的に導入されました。以降140年間で多くの国が富裕税を導入しましたが、その多くは短期間で廃止されました。
1965年には8ヵ国、1990年には12ヵ国のOECD加盟国が富裕税を課していましたが、2020年時点で継続していたのは、わずか5ヵ国のみでした。
現在はノルウェーやフランス、スペイン、スイス、コロンビアなどにおいて、富裕税が課されています。
新型コロナウィルスの感染拡大を機に、「ベーシックインカム(最低限所得保障制度)」が注目を浴びています。多くの国が実験・導入を進める中で、そのメリットとデメリットが見えてきました。
ベーシックインカムは「一定の金額を政府がすべての国民に支給する」という社会保障制度です。
基盤となったのはルネサンス時代 (14~16世紀)の貧困救済策で、世界各国で有効性や導入方法が長年にわたって議論されてきました。ベーシックインカムは、すべての人が経済的自由を手に入れることで生活の質や心身の健康が向上し、それによって社会全体が豊かになるという概念に基づくものです。
近年のワークライフバランスへの関心の高まりや高齢少子化対策、AI(人工知能)による業務自動化の加速などを受け、コロナ禍の以前から議論が活発化していました。現在は新型コロナウィルスが人々の生活や経済に深刻な影響を与え、世界の貧富格差が拡大したこともあり、さらに注目を浴びています。
世界的なインフレ懸念の影響は、投資市場にも広がっています。一部の専門家は米国株や米景気の過熱に対し、「市場の楽観は短期的なもの」と警鐘を鳴らしています。コロナ禍のインフレ局面で、投資家はどのような点に注意すべきなのでしょうか。
なぜ今、インフレが懸念されているのでしょうか。その理由のひとつは、原油や資材の高騰です。
2021年の年初、1バレル50ドル(約5,694円)台だった原油価格は、10月には7年ぶりに84ドル(約9,567円)を記録しました。金属や天然ガスなども需要に供給が追い付かず、軒並み値上がりしています。その結果、企業が増加したコストを商品価格に上乗せすることで物価が押し上げられる、「コストプッシュ型」と呼ばれるインフレ局面に差しかかっているのです。これは「悪いインフレ」の典型例であり、「良いインフレ」では景気の拡大とともに物価が上昇します。
コロナ禍で人々のライフスタイルや価値観が変化した今、その影響がキャリアや雇用にも表れています。興味深いことに、「ビジネスエリートへのパスポート」といわれるMBA(経営学修士・経営管理修士)の人気が再燃する一方で、「スキルベースの雇用法(Skills-Based Hiring)」が注目を浴びるといった二極化が進んでいます。今回はコロナ時代の雇用動向について見ていきましょう。
MBA (Master of Business Administration)は、ビジネススクール(経営学の大学院)の修了者に与えられる学位で、プログラムを通してビジネスの知識やスキルを高めることで、経営のプロフェッショナルを目指すものです。
MBAの発祥地である米国では2012年以降、上位130のビジネススクールの全日制MBAプログラムの出願数が減少していましたが、現在はコロナ不況によって世界中のビジネススクールで出願数が大幅に伸びています。特にコロンビア・ビジネススクールやペンシルベニア大学ウォートンスクールなどのトップ校の2020年の出願数は、過去最高を記録しました。
人気が再燃した背景には、世界経済の不安定性があります。景気が低迷期に突入するとMBAの出願率が上昇するのは、「MBA取得者という肩書が就職やキャリアアップに有利に働く」という「MBA神話」が定着しているためです。
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いかがだったでしょうか。ウィズコロナからアフターコロナへ時代が移行したとしても、世界で起こった大きな変化が以前の形に戻るかは不透明です。変化の波に乗り遅れないよう、柔軟に対応してくためにも情報収集は大切です。ぜひ、Wealth Roadを活用して知識を深めていってください。
※上記は参考情報であり、特定企業の株式の売買及び投資を推奨するものではありません。