定年退職を待たずして仕事を辞める早期リタイアは、何歳から始めることができるのでしょうか。基本的には、まだ年金がもらえない年齢なので、一定の期間は貯蓄だけで暮らす必要があります。どのくらいの金額が必要になるのかを計算する際には、退職金や失業保険を含めることが大切です。これらの早期リタイアにまつわる基礎知識を学べる記事をピックアップしました。
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早期リタイアに憧れる方は少なくありません。「自分は何歳まで働けば良いのか」「退職金をもらって若くして悠々自適に暮らすことはできないものか」と考えたことがある方も多いのではないでしょうか。
早期リタイアをすると働かない期間が長くなります。退職金の取り崩しだけで生活を維持するのは難しいと言えます。まずは、退職金の目安を確認しながら、足りない分のお金をどのように備えれば良いのかを解説していきます。
自分が将来受け取る退職金の額が全く見当もつかない、という会社員の方は少なくありません。実際に辞めていく上司や先輩から退職金の額を聞ける機会は少ないでしょう。まずは、統計的な数字で退職金の金額を確認します。
中央労働委員会の賃金事情等総合調査によると、令和元年の大学卒、事務・技術労働者、総合職相当の方の自己都合退職の場合の退職金は、下記の通りになっています。退職金は勤続年数が短い方でも受け取れる傾向があります。
定年を待たずして会社を辞めた場合、退職金や失業保険はどうなるのかをご存知でしょうか。
転職先が決まっており、十分な貯蓄があるのなら問題ないかもしれませんが、無職の期間がある方にとっては死活問題と言えるでしょう。今から早期退職を検討している人のために、メリットやデメリット、注意点をまとめました。
早期退職制度は、会社が従業員に向けて退職を促すものです。一般的には、「早期優遇退職制度」と「希望退職制度」の2種類があります。それぞれの特徴は、以下で解説しています。
早期退職優遇制度は、従業員の自主的な退職をサポートする制度です。「選択定年制」とも呼ばれ、恒常的に運用されていることから、従業員自身が希望すれば自由なタイミングで退職できます。
退職金の割増や再就職支援などの優遇措置が用意されている点も、早期退職優遇制度の特徴です。多くの企業では福利厚生として運用されており、利用した従業員は「自己都合退職」となります。
会社員にとっては魅力的な制度ですが、失業保険の受給が遅れます。手続きから約2ヵ月間は失業保険を受給できないため、当面の生活費は確保しておく必要があります。
最近、「FIRE」という言葉をよく見るようになりました。「何となく意味は知っているが、詳しくは知らない」という人や、「FIREするための具体的なステップを知りたい」という人もいるのではないでしょうか。
今回はそのような人に向けて、FIREとは何か、FIREを実現するためのステップ、FIREを実現するための具体的な運用方法について解説します。
FIREとは、「Financial Independence Retire Early」の頭文字を取った言葉です。日本語に翻訳すると、「経済的に自立して、早期リタイア(早期退職)する」という意味です。米国の女性作家ヴィッキー・ロビン氏が書いた『お金か人生か』という本が、FIREブームの火付け役になったといわれています。
「早期リタイア」と聞くと、大金を稼いだ成功者が送る悠々自適な生活を想像するかもしれません。しかし、FIREの前提は「普通の人が、身の丈に合った自分らしいリタイア生活を送ること」であり、決して一部の成功者だけのものではありません。
準富裕層は、仕事を辞めて生活できるだけの資産を持っている人たちなのでしょうか。実際に準富裕層が早期リタイアできるのか、シミュレーションを行っていました。
野村総合研究所の定義によると、準富裕層とは純金融資産の保有額が5,000万円以上~1億円未満の世帯を指します。純金融資産には預貯金や株式などの金融資産の合計額から負債(住宅ローンなど)を差し引いて計算します。
次に、日本には準富裕層がどれくらいいるのか、野村総合研究所が推計したデータを見てみましょう。
時期 | 純金融資産 | 世帯数 |
---|---|---|
2005年 | 182兆円 | 280.4万 |
2007年 | 195兆円 | 271.1万 |
2009年 | 181兆円 | 269.8万 |
2011年 | 196兆円 | 268.7万 |
2013年 | 242兆円 | 315.2万 |
2015年 | 245兆円 | 314.9万 |
2017年 | 247兆円 | 322.2万 |
2019年 | 255兆円 | 341.8万 |
2021年 | 258兆円 | 325.4万 |
同レポートによると、準富裕層は2011年頃から増えており、2021年の時点では325.4万世帯まで増えています。準富裕層の世帯数を全世帯数(5,413.4万世帯)で割ると、約6%の世帯が準富裕層にあたります。
早期リタイアに必要な貯蓄について、イメージができたでしょうか。退職後は貯蓄だけで生活する時期があるため、想定外の出費にも対応できるような貯蓄がないと、いざという時に再び働く必要があるかもしれません。早期リタイアのリスクなども踏まえた上で、退職を検討してみましょう。
※本記事は早期リタイアに関わる基礎知識を解説することを目的としており、早期リタイアを推奨するものではありません。