日本的経営の代名詞でもあった「終身雇用」は、いよいよ終えんを迎えつつあります。人生100年時代と言われる昨今、キャリアにおいて転職や副業はもはや常識と言えるでしょう。そして、急速にテクノロジーの進化が進む第4次産業革命下では、常にスキルのアップデートも求められます。そんな大転職時代に求められる「社会人の基礎力」について、考えてみます。
例えば営業・マーケティング職ならどういったスキルが求められるでしょうか。ブランド戦略や流行しているWebマーケティングを思い浮かべがちですが、こうした専門知識は常に陳腐化します。むしろ変化の速いこの時代に大切なのは「社会人としての基礎力」ではないでしょうか?。
2018年2月に経済産業省が公表した「人生100年時代の社会人基礎力について」では、以下の3つを定義しています。
・前に踏み出すアクションが取れる力(やりきる力、働きかける力、主体的に動く力など)
・考え抜く力(創造力、計画力、課題発見力)
・チームで働く力(柔軟性、発信力、傾聴力など)
常に、そして急速に変化が進む第4次産業革命下の社会において、ビジネスの最前線に立ち続けたいのであれば、自らのスキルが陳腐化しないように、常に「学び続ける」ことが必要だと言えるでしょう。経済産業省が公表した「前に踏み出す」「考え抜く」力、そして「チームで働く」柔軟性や発信力、傾聴力は、まさに時代に求められる「学び続ける」ために必要なスキルの代表例といえるでしょう。
ただし、やみくもに学べばよいというものでもありません。限られた時間の中ですから、何を学ぶのか(WHAT)を絞らなければならないのです。加えて効率的に時間を使うには、どのように学ぶのか(HOW)を考えることも大切です。そもそも何のために学ぶのか(WHY)を考えないと、WHATも見えてこない……。これらは誰かが教えてくれるわけではありません。やはりこの点でも、自らが常に考え続ける、すなわち「学ぶことを学び続ける」不断の努力が欠かせないのです。
この学び続ける姿勢は、成功する投資家のスタンスと似ています。日々刻々と変化する投資の世界では、市場の動向をいつもウォッチし、関わる情報に目を配り、新しい技術やトレンドを学び続ける事が求められます。変化の激しい現代のビジネス環境においても、自らを資本と捉え、学び続け、投資し続けることで、リスクをヘッジし、期待するリターンを達成していく。常に学び続けるスタンスにより、変化に左右されず、社会人として成功し続ける力を得ることができるでしょう。
転職が当たり前の社会が到来している中で、時代の変化をチャンスと捉えて、日々「学び続ける」姿勢をもちながら、大転職時代に必要な社会人の基礎力(前に踏み出す力、考えぬく力、チームで働く力)を身につけていきましょう。