「ビジネス・プロセス・オートメーション(BPA)」はどこまで進化するのか?

ビジネス・プロセス・マネージメント(BPM)の進化版といえるビジネス・プロセス・オートメーション(Business Process Automation)を導入する企業が欧米を中心に急増しています。BPAがもたらすメリット、デメリットとともに、自動化の将来を予測してみましょう。

BPAとは?

日常的なビジネスタスクを自動化するソフトウェア・アプリケーションを活用し、主要業務の効率化や最適化、管理コストの削減を図ることにより総体的なパフォーマンスの向上を目的とする管理システムとして、ビジネス・プロセス・オートメーション(BPA)が注目されています。BPAの定義はさまざまですが「これまで人間が担当していた業務をコンピューターに任せ、総体的なパフォーマンスの向上を図るアプローチ」は、すべてBPAといえるでしょう。

ITアプリケーションを活用して自動化するという意味では、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やAI(人工知能)なども同じカテゴリーに属します。

BPAのメリット、デメリット

BPAはすでに以下のようなさまざまな領域で導入されています。
・ファイルの転送
・Eメールの対応
・データ入力
・スプレッドシートの更新
・請求書や報告書の作成・配布
・書類選考
・チャットボットを含む顧客対応

まだ導入をしていない場合、あらゆる領域で利用されているBPAにメリットとデメリットがあることを理解しておくことが重要です。

BPAのメリット:プロセスの効率化、生産性の向上

マニュアル作業を自動化する最大のメリットは、プロセスの効率化です。従業員は定常作業に費やしていた時間を、より一層重要なタスクに使うことができます。そのほかワークフローを自動化するツールを利用し、時間と労力の最大化を図ることも可能です。プロセスの効率が上がると業務の品質や生産性の向上、そして従業員の仕事に対する満足度向上にもつながります。

また無駄な時間と労力を減らし生産性を上げることは、総体的なコスト削減にもつながるでしょう。

BPAのデメリット:セキュリティ、導入・維持コスト

BPAの導入にあたり財務情報や個人情報、製品開発情報など機密情報が外部に漏えいするリスクについて理解し、適切なセキュリティ対策を講じる必要があります。またBPAを利用する全従業員が必要な知識を得るためのトレーニング・プログラムを実施し、BPAをモニタリングするシステムの構築・維持など、一定の「投資」が必要となる点についても十分なプラニングが必須です。

欧米で人気のBPAツール

実際に「どのようなBPAツールが活用されているのか」について最新の例をいくつか見てみましょう。例えば欧米で人気のツールとしてワークフロー管理ツールを提供する「Process Street」、ハイブリッドクラウド環境でBPAアプリが開発できる「Red Hat」などです。

Process Street

Process Streetは、既存のワークフローをデジタル・チェックリストで文書化することにより、リアルタイムでモニタリングできるワークフローを作成可能です。チームメンバーにタスクを割り当て、それぞれが自分のタスクを実行できるようワークフローを自動化します。
コンテンツのプロモーション・チェックリストから従業員のオンボーディング・チェックリスト、オフィスの掃除当番管理まで、既存のテンプレートを利用してさまざまなワークフローを簡単に自動化できる点も作業の効率化になるでしょう。

Red Hat

Red Hatの「Process Automation Manager」というツールを利用することで、ビジネスの意思決定とプロセスを自動化するためのサービスやアプリケーションを自社で開発することもできます。

ビジネス・オートメーションの未来

多くのビジネスが生産性の向上やコスト削減の手段を模索するなか、「産業や事業規模に限らず、自動化の恩恵を受けられる」という点でBPAの需要は急拡大を続けると予想されます。また関連するテクノロジーの進化やワークスタイルの変化とともにBPAもさらに進化する可能性があります。たとえば人間によるモニタリング不要な「AI BPA」が開発されたりIoT(モノのインターネット接続化)や5Gネットワークと接続したりすることにより、自動化の可能性が無限に広がっていくのではないでしょうか。

BPAに関連するテクノロジーや開発にかかわる企業、またBPAを積極的に導入する企業群については、投資対象としてもおもしろい存在となりそうです。注目していきましょう。

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