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iDeCoを始めるときにかかるコストはどれぐらい? 運用中のコストも紹介

『マンガでわかるNISA&iDeCo入門』より一部抜粋

(本記事は、鈴木 一之氏の著書『マンガでわかるNISA&iDeCo入門』=新星出版社、2021年12月1日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

iDeCoはどんなコストがかかる?

加入時にかかるコスト

iDeco(イデコ)での運用には、積み立てる掛金(かけきん)のほかに、いろいろな手数料がかかります。

まず、加入するときに初期コストがかかります。これはiDecoの運営主体となっている国民年金基金連合会(こくみんねんきんききんれんごうかい)が徴収(ちょうしゅう)する分(税込2829円)と、それとは別に運営管理機関である金融機関が徴収する加入手数料がありますが、金融機関の加入手数料は実際には無料のところが多くなっています。

運用中、給付時にかかるコスト

また、掛金を積み立てている間、つまり運用中にかかるコストが「口座管理手数料(こうざかんりてすうりょう)」という、iDeco制度の維持や資産管理などにかかる費用です。国民年金基金連合会と、資産を管理する信託銀行(しんたくぎんこう)、金融機関の3者に支払われますが、金融機関によっては自社分をゼ口円にしてトータルの手数料を安くしているところもあります。口座管理手数料は毎月の掛金の中から、毎月発生するコストなので、最低でもこの年間手数料額以上の利益を出さないと赤字になります。なるべく安い金融機関を選んだほうがトクでしよう。

さらに、iDecoでつくった資産(給付金)(きゅうふきん)を受け取るときにも、信託銀行に支払う「給付事務手数料(きゅうふじむてすうりょう)」がかかります。この手数料は1回の給付のたびに、給付金の中から支払われます。

マンガでわかるNISA・iDeCo入門

掛金の所得控除を受けるには年末調整か、確定申告が必要

掛金を給与天引きの場合は

iDeCo(イデコ)の税制優遇(ぜいせいゆうぐう)のうち、積み立てた掛金(かけきん)の所得控除(しょとくこうじょ)を受けるには、会社勤めの人や公務員は職場の年末調整(ねんまつちょうせい)で、個人事業主などは確定申告(かくていしんこく)で、それぞれ申請(しんせい)する必要があります。

会社勤めの人や公務員で、掛金を毎月の給与から天引(てんび)きしている場合は、職場側で年末調整により所得控除してくれるので、本人がしなければならない手続きはありません。

個人口座からの引き落としの場合は

ただ、会社勤めの人や公務員でも、掛金を銀行の個人口座から引き落としで払っている場合は、職場に書類の提出が必要です。毎年10月に国民年金基金連合会(こくみんねんきんききんれんごうかい)から「小規模企業共済等掛金払込証明書(しょうきぼきぎょうきょうさいとうかけきんはらいこみしょうめいしょ)」が郵送されてくるので、ここに書かれている1年間の掛金拠出額(かけきんきょしゅつがく)を、職場から年末調整前に渡される「給与所得者(きゅうよしょとくしゃ)の保険料控除申告書(ほけんりょうこうじょしんこくしょ)」の用紙に記入し、払込証明書とともに提出します。

年末調整すると、12月の給与で所得税の除分が還付され、また翌年の住民税が安くなります。

また、個人事業主など国民年金の第1号被保険者が所得控除を受けるには、翌年3月の確定申告で確定申告書に掛金拠出額を記入し、払込証明書を添付して、税務署に提出します。

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<著者プロフィール>

鈴木 一之
株式アナリスト。日本証券アナリスト協会検定会員。
千葉大学卒業後、大和證券に入社。株式トレーディング室に配属され、株式トレードの職務に従事。2000年に独立後、独立系株式アナリストとして、相場を景気循環論でとらえる「シクリカル銘柄投資法」を展開。景気、経済、株式、投資信託の動向などのわかりやすい解説に定評がある。「マーケットアナライズプラス」(BS12トゥエルビ)、「東京マーケットワイド」(東京MXテレビ)などのテレビ、ラジオで市況解説を担当するほか、各種メディアや講演会でも活躍中。『賢者に学ぶ 有望株の選び方』(日本経済新聞出版社)、『景気サイクル投資法』(パンローリング)などの著書のほか、『マンガでわかる 投資信託入門』『経済用語イラスト図鑑』(いずれも新星出版社)を監修。

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