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ゼロからわかる投資の勉強法|初心者がまずやるべきことと注意点

ゼロからわかる投資の勉強法|初心者がまずやるべきことと注意点

投資の勉強を始める

何事においても、予備知識なしでいきなり始めるのはハードルが高いですね。すぐにつまずいて立ち行かなくなることがほとんどでしょう。投資においても同様です。特に、お金の増減が直接絡むことから、できるだけ失敗したくないと感じる方が多いですね。

とはいうものの、投資を始めるうえでどのように勉強をしていったらよいのかは初心者が悩みやすいポイントの一つですね。今回は、初心者が投資を始めるときの勉強の仕方についてお伝えします。

まずは知識を身につける

やみくもに投資商品に手を出すのはおすすめできません。まずは適切な最低限の知識を身につけることが大事です。

今は色々な媒体で投資を学ぶことができます。大事なのは、質の高い投資書籍から学ぶことです。私のおすすめは、よく読まれている訳書を読むことですね。海外で出版され、高い評価を受けた書籍だからこそ、日本語訳が出版されているわけです。

SNSは虚実織り交ざっています。最低限の知識がない状態で触れると、情報の質の良し悪しが判断できないことがあります。情報の背景や根拠を自分で調べる力が必要なツールですね。手っ取り早いのはSNSですが、練られている書籍から入るほうが近道です。急がば回れということです。

減価する法定通貨を他のアセットへ分散させる

なぜ投資をしたほうが良いのでしょうか。その最低限の基礎を抑えておきましょう。

日本に住む私たちは、最近まで世界でも稀なデフレ(モノの価値が下がり、お金の価値が上がること)を長く経験してきました。そのため、「現金が一番安全」という感覚が根強いかもしれませんね。

しかし、世の中の仕組みとして、大恐慌のような極端な不況時を除いて、経済は緩やかなインフレ(モノの価値が上がり、お金の価値が下がること)を基調として成長するのが基本です。日本や米国などでは、経済を安定的に運営するために「年2%」のマイルドなインフレ目標を掲げています。想定通りであれば、毎年2%ずつ物価が上がっていくことになりますね。

物価が上がるということは、換言すれば、通貨は減価するということです。通貨を通貨のままで保有していれば、金額そのものは変わりません。しかし、時が経てば経つほど、相対的に価値が目減りする可能性があるという認識が必要ですね。

特に円は他の通貨と比較して価値が減衰しやすい環境にあります。昨今の円安は、それを実感させます。たとえば、シンガポールでは生ビールが1500円するといった具合ですね。

対ドルでは、実はいつの間にか日本人の資産は減っているという状況も起きてきたわけです。

世界のインフレに負けないためには、海外に投資をしていくことはとても重要です。他の通貨を保有したほうが、総合的な資産の目減りを防ぐことができます。

具体的には、株式をはじめ、債券や不動産、金、暗号資産(BTCなど)といった選択肢があります。長期的に実績があり、多くの人が始めやすいのは株式です。なかでも、米国株は鉄板の投資対象といえるでしょう。

自分の投資哲学を定める

株式については、私はもっぱら米国株に投資しています。米国はGDPが伸びており、人口も増加傾向で、投資家に不利にならない法整備もしっかり整っています。イノベーションを起こすような基盤もできていますね。米国は投資環境が世界でもトップクラスに整っている国の一つです。

ただし、これは私自身が描くストーリーです。長期的に資産形成を成功させるには、自分なりのストーリーを描くことが大事です。ストーリーが固まる前に投資を始めてしまうと、情報に踊らされてあれこれと手を出してしまいがちです。また、相場が急変したときに、保有し続ける根拠が乏しいため、こらえきれずに手放してしまうこともありえます。

全世界の成長にかけるなら国際分散投資、米国の経済性にかけるなら米国株投資というように、自分自身の投資哲学を明確にすることが大事ですね。

学びながら投資する

車の免許を取りたくて本を読み漁るのは、試験に合格するには有効かもしれません。しかし、いくら頭で理解したつもりでも、実際に車を運転すること以上に車の運転を理解することはなかなかできないでしょう。

投資に関する最低限の基礎や自分なりのストーリーがなんとなくでも固まったら、まずは少額からでも始めてみるのが良いですね。資産が容易に上下変動するというのは、慣れていない人にとっては想像以上にびっくりすることでしょう。

始めてみてから、思い描いていたストーリーと実際の投資にずれを感じたら、軌道修正していけばよいのです。もっとリスクをとっても良さそうとか、違うアセットも取り入れていこう、といった具合ですね。

まさに、習うより慣れろの精神です。投資期間が長くなれば長くなるほど、リスク許容度も増し、少しずつ投資が日常に組み込まれていくという話も良く耳にします。

一方、相場の変動に感情が適応するのに苦戦する方も少なくないですね。投資の勉強をする上では、そこをどうやって自分なりに腹落ちさせて長期的にできるかを事前に学ぶのが重要です。

長期・分散・積立の重要性

投資で資産形成を成功させるキーワードは、長期・分散・積立です。

長期投資で時間を味方につける

長期投資は、資産形成を成功させる大事なカギです。保有期間が長くなるほど投資のリターンは安定する傾向があります。特に15年間以上保有していた場合、どのタイミングで投資を始めてもマイナスとなることはなかったということはよく言われます。

「どのタイミングで投資を始めるべきか」というよりも、「なるべく早く投資を開始して時間を味方につける」というのが大事ですね。

分散投資で全体の資産を守る

タマゴは一つのカゴに盛るなという投資格言があります。投資対象を分散させることで、1つの投資先が急落しても、損失は運用資産全体の一部にとどまるメリットがありますね。株式や債券、REITやBTCのように、アセットを分散させるのも一案でしょう。

株式だけでも、国を分散させたり、投資対象を分散させるなど、色々な分散の仕方がありますね。

積立投資でコツコツと継続することを習慣化

相場歴が長く相場観がある人なら一括投資も良いです。しかし、多くの初心者は資産の大きさに応じて下落時に動揺しやすいですね。そのため、分散の一つとして、投資するタイミングを分散させる方法があります。

わかりやすいのは、毎月定額で積み立てる方法ですね。毎月の収支把握と合わせて行うことで、自然と投資を継続していく習慣を身につけることができます。投資を習慣化することで、日々の値動きを気にしなくなり、年単位での長期運用がしやすくなりますね。

実は、長期・積立・分散投資にぴったりの制度が身近に存在します。それがNISA制度です。つみたて投資枠で毎月時間分散をしながら積み立てることができます。非課税枠(総枠は1,800万円。 年間投資枠はつみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円の合わせて360万円)を使い切るには最短でも5年必要です。NISAを活用するというのは、投資を始める第一選択肢といっても過言ではないでしょう。

まとめ

投資の勉強を始めるなら、まずは良質な書籍を読み、基本的な知識を身につけましょう。そして自分の投資ストーリーを練り、長期・分散・積立の原則を意識しながら、まずは少額から始めてみるのがよいですね。

投資はお金を増やすことができるという魅力的な効果がある半面、短期的にはお金が減ってしまう可能性もあります。しかし、長期・分散・積立を実践することで、そのリスクを抑えることができますね。

今ある収入は、今の生活と将来の生活の原資です。全てを使い切るのではなく、将来のための運用に回すことを心がけてほしいです。通貨は減価するものという原則を踏まえて、投資を通じた資産形成が重要な選択肢となることをおさえておきたいですね。

※本記事は投資に関わる基礎知識を解説することを目的としており、投資を推奨するものではありません。

※本稿は著者の見解に基づくものであり、Wealth Roadの運営会社の見解を示すものではありません。


著者:たぱぞう(資産管理会社経営/投資顧問会社アドバイザー)
2000年より投資を始める。2010年以降、米国株投資を中心に行う。2016年自らの投資観をブログにて書き始める。投資に特化したブログとしては出色のPVを誇る。2017年から2025年春まで、某投資顧問業にてアドバイザーを務める。この間、日経マネー、日経ヴェリタス、ダイヤモンドZAI、ITmediaなどのメディアに複数回取り上げられる。「誰でもできる投資術」「誰でもわかる海外投資」をモットーに執筆中。「米国株を語る会」を開き、投資について語り合う場づくりをしている。

参考文献
日本インフレ目標
世界インフレ目標について
米国GDP
米国人口動態

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