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長期投資で時間を味方につける──たぱぞう流5つの心構え

長期投資で時間を味方につける──たぱぞう流5つの心構え

資産運用は長期的に取り組むのが鉄則ですね。しかしながら、長期的な運用をするつもりで始めても、ついつい自分の軸がぶれてしまうことが少なくありません。

そこで今回は、長期投資の心構えについて、たぱぞう流のポイントを整理します。

私が長期投資で心掛けている5つのポイントをまとめました。
ひとつずつ解説していきます。

① ルールの先決め

相場が好調な時には、リターンが大きい投資対象に目移りしてしまいがちです。逆に、相場が不安定な時は、リスク資産を持ち続けることに強いストレスを感じてしまいがちです。

そのような場面で不用意な売買をしないためのルール作りをおすすめしています。投資対象・積立額・リバランス基準などを事前に決めておくというやりかたです。

毎月定額をコツコツと積み立て続ける、リバランスの基準は株式相場が20%下落したときとする、米国株の長期的な成長を見込んで米国株への投資を続ける、などですね。

このようなルールがあるだけで、相場が不安定な時でも、感情で不要な売買をしないようにブレーキの役目を果たしてくれますね。

② 時間を味方につける意識

長期積立は時間をかけて資産を増やすということになります。長期的に運用をすることで、複利的に資産を増やすことができますね。

長期投資の肝は、企業が生み出す利益成長を長く受け取り続けることにあります。短期的な投機的な資産の変動ではなく、長期的な利益増加を見通すということですね。

短期的な値動きはなかなか読めません。一方、長期的な成長は、マクロ経済の視点で見れば、そうやすやすとブレないことがわかります。

その一例は、ジェレミーシーゲルの著書「株式投資の未来」において、長期投資のリスクリターンが示されています。米国株を15年以上保有したした場合、プラスサムになっていました。

長期的な運用で大きなリターンを得るには、長期的な利益成長が期待できる企業、国、アセットを選ぶことが肝要です。その答えのひとつが米国株式というわけですね。

また、積立投資の場合は時間の分散、いわゆるドルコスト平均法によって、平均取得単価が安定しやすくなります。いずれにせよ、時間を有効に活用するのが長期投資の鍵といえるでしょう。

③ 納得できる資産配分

資産運用はある程度分散させることが大事です。一方、まとまりのないポートフォリオになると管理が大変ですね。自分が納得できる資産配分で運用していくことが長期投資の秘訣といえます。

投資初期のころは、どれだけ多く増やせるかという点に気持ちが行きがちです。しかし、暴落時にも安心して運用を続けられるかどうかが長期投資の肝となります。そのため、暴落時を想定した資産配分を意識することをおすすめしています。

インデックス中心+有望個別株でバランスをとるなど、分散しつつも自分なりの配分を決めていくとよいでしょう。

④ 税制優遇の活用

昨今は投資環境の成熟ぶりがめざましいですね。国の制度として、NISAなどの投資を後押しする政策が進んでいます。これらの制度は長期投資と相性が良いものが多く、活用しない手はないでしょう。

NISAは、非課税投資枠を使い切るのに最短でも5年かかる設計です。長期的な運用で資産を伸ばしていくことが半ば強制されている制度ですね。投資初心者の方でも始めやすく、長く続けるための仕組み作りがなされています。

まずは税制優遇の高いところからリスク資産をおいていくというのが王道ですね。

⑤ 生活防衛資金の確保

投資をする上では、市場の調整や暴落は避けて通れない課題です。そのような時のために、生活防衛資金を確保するのは必須といえるでしょう。金額はびしっとは言いにくいですが、最低でも生活費の数か月分、個人事業主の方なら操業資金も含め2年間の生活費を目安とすることが多いですね。

私自身は若い頃はリスクを選好していました。流動性資金を200万ほど確保して、残りはすべて投資に回していましたね。若い頃は総額がそこまで大きくないというのもあります。元手を失っても、働いて取り返すことが容易だったからですね。

別の視点でいえば、ある程度無リスク資産にバッファがあるほうが暴落時に追加投資しやすいというのもありますね。どの程度暴落したらどのぐらいの資金をリスク資産に追加投資するというルールがあることで、暴落時に売却してしまうという選択をしにくくする心理的効果も得られます。

いずれにせよ、自分の生活に合わせた生活防衛資金の確保が長期投資に不可欠な要素といえますね。

まとめ

たぱぞう流の長期投資では、いかに長期的に増やすか? ではなく、いかに長期的な運用中に生じる暴落や調整に立ち向かうか? という目線が心構えの肝といえます。ご紹介したポイントは、いずれも暴落時に直面した時にも投資を続けられる秘訣につながるものばかりですね。

今回は、時間をかけて利益を上げ続ける経済の仕組みを個人のポートフォリオに取り入れ、じっくりと資産を育てていくコツをご紹介しました。是非皆さんの資産運用に役立ててくださいね。

※本記事は投資に関わる基礎知識を解説することを目的としており、投資を推奨するものではありません。
※本稿は著者の見解に基づくものであり、Wealth Roadの運営会社の見解を示すものではありません。


著者:たぱぞう(資産管理会社経営/投資顧問会社アドバイザー)
2000年より投資を始める。2010年以降、米国株投資を中心に行う。2016年自らの投資観をブログにて書き始める。投資に特化したブログとしては出色のPVを誇る。2017年から2025年春まで、某投資顧問業にてアドバイザーを務める。この間、日経マネー、日経ヴェリタス、ダイヤモンドZAI、ITmediaなどのメディアに複数回取り上げられる。「誰でもできる投資術」「誰でもわかる海外投資」をモットーに執筆中。「米国株を語る会」を開き、投資について語り合う場づくりをしている。

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