つみたてNISAで買える投資信託は? 初心者におすすめの理由3つ

『マンガでわかるNISA&iDeCo入門』より一部抜粋

(本記事は、鈴木 一之氏の著書『マンガでわかるNISA&iDeCo入門』=新星出版社、2021年12月1日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

つみたてNISAで買えるのは一定条件を満たす投資信託など

金融庁の厳しい基準がある

前項で、つみたてNISA(ニーサ)で買えるのは限られた投資信託(とうししんたく)(他にETF) だけ、といいました。投資信託は国内外に大変多くの商品がありますが、その中でもつみたてNISAの投資対象となるものは、金融庁が求める一定の要件をクリアしたものだけなのです。

その要件とは、まず金融庁に届出(とどけで)がされた商品であること。そして政令(せいれい)で定める要件として①投資信託の信託期間が無期限または20年以上で、②分配金(ぶんぱいきん)が毎月など頻繁(ひんぱん)に支払われないこと。さらに販売手数料がゼロ円(ノーロード)であることや、信託報酬(しんたくほうしゅう)が低めに設定されていることなどです。

ただし元本保証はないので注意

こうした要件をクリアした投資信託やETFは約200本あります(2021年10月現在)。しかし、これらがすべての金融機関で取り扱われているわけではありません。取り扱う商品は金融機関ごとに異なります。そのため、自分が買いたい投資信託があるならば、それを扱っている金融機関でNISAロ座を開く必要があります。

つみたてNISAで買える投資信託やETFは、比較的堅実に資産を増やす可能性の高い商品といえますが、元本(がんぽん)が保証されているわけではなく、また必ず利益が上がるわけでもない点に注意しましよう。

なぜ、つみたてNISAは運用の初心者におすすめか?

iDeCoにはないメリットがある

投資の経験がない人や、経験の浅い人にとって、つみたてNISAを利用したお金の運用がおすすめである理由は、次のようなメリットがあるからです。

①少額・長期の運用に適した非課税制度

非課税となる投資額は年間40万円までと、一般NISAと比べて少なめですが、非課税で投資できる期間は20年と長く、累積(るいせき)の非課税投資枠は最大800万円にもなります。

②投資の手間がなくラクに続けられる

積立投資は、株と違い、投資信託の毎日の相場(そうば)をチェックして売買のタイミングをはかる必要もなく、投資に関わる面倒な手間がかかりません。はじめに投資をする日と金額、投資対象の商品さえ決めてしまえば、あとは自動的に長期の資産運用がラクに続けられます。

③投資の成果はいつでも現金化できる

長く投資をしている間には、急にまとまったお金が必要になることがあります。また投資信託の基準価額(きじゅんかかく)が急に上がったり下がったりして、いったんお金に換(か)えたくなるケースも出てきます。そんなときに、つみたてNISAならいつでも投資信託を売却して現金化することができます。

長期の運用に適した節税・非課税制度にはiDeco(イデコ)もありますが、こちらは途中で解約(かいやく)(売却)(ばいきゃく)することはできず、原則60歳までは投資の成果を専用口座から引き出せません。

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<著者プロフィール>

鈴木 一之
株式アナリスト。日本証券アナリスト協会検定会員。
千葉大学卒業後、大和證券に入社。株式トレーディング室に配属され、株式トレードの職務に従事。2000年に独立後、独立系株式アナリストとして、相場を景気循環論でとらえる「シクリカル銘柄投資法」を展開。景気、経済、株式、投資信託の動向などのわかりやすい解説に定評がある。「マーケットアナライズプラス」(BS12トゥエルビ)、「東京マーケットワイド」(東京MXテレビ)などのテレビ、ラジオで市況解説を担当するほか、各種メディアや講演会でも活躍中。『賢者に学ぶ 有望株の選び方』(日本経済新聞出版社)、『景気サイクル投資法』(パンローリング)などの著書のほか、『マンガでわかる 投資信託入門』『経済用語イラスト図鑑』(いずれも新星出版社)を監修。

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