投資には興味はあるけれども、「投資は危ない」「投資は怖い」と思っている人も少なくないと思います。
しかし、「投資=怖い」というのは思い込みです。
たとえば、「辛い食べ物は食べられない」と思いこんでいる人がいるとしたら? ひと口に「辛い食べ物」といえど、たくさんの種類があり、味付けや辛さレベルもそれぞれですよね。激辛料理は無理だけど、実はピリ辛程度なら美味しく食べられるかもしれません。
味付けや辛さが多様であるように、投資にもさまざまな種類があり、そのリスク度合いも異なります。
この記事では、投資の種類やリスクについて解説していきます。
「【最初の一歩】資産運用を始める前に知っておきたい貯蓄と投資の基本」にて、貯蓄とは銀行にお金を貸す行為だということと、銀行以外にも国にお金を貸す行為として国債に投資することができるということを紹介しました。
銀行にお金を貸したり、国にお金を貸したりする場合、株式投資などと比較してリスクが低い一方でリターンも低くなります。これはなぜでしょうか?
その理由の一つが、投資対象の信用力です。身近な例で考えてみましょう。
たとえば、あなたが知人二人からお金を貸して欲しいと言われたとします。一人は、大手企業に勤める会社員の知人です。彼は非常に信用でき、貸したお金も計画的に返してくれる見込みがあります。
もう一人は、フリーターの知人です。借りたお金は起業に使うらしく、ビジネスが成功したらお金をしっかりと返すと言っています。
この二人にお金を貸す際に金利を設けるとしたら、あなたならどちらの金利を高く設定するでしょうか? おそらく、返済が不安なフリーターの知人ではないかと思います。
この考え方が投資にも当てはまります。例えば、国債のカテゴリーでも、アメリカの国債とアルゼンチンの国債では投資のリスクもリターンも異なります。
アルゼンチンは何度もデフォルト(財政破綻)しており、信用力が低いため、アメリカ国債と比較すると高いリスクリターンとなっています。つまり、貸し手としてはリスクが高いのだから、高いリターンがないと投資の魅力がないというわけです。
ちなみに国債の信用度は格付け会社と呼ばれるムーディーズなどがスコアをつけて公表しています。
続いて株式について考えてみましょう。
会社は株式とは別に債券を発行する場合があり、これを社債と言います。もし、会社が倒産する場合、株式を保有している人は価値がほぼゼロになりますが、社債を持っている人は優先的に弁済されるため、資金を回収できる確率は株式より高くなります。
少し難しいかもしれませんが、株主とは位置づけとしてオーナー(会社の保有者)の一部であり、債券投資者はお金を貸している人なので、優先順位が違うと考えるとシンプルです。
このような違いを踏まえたときに、債券のリターンと株式のリターンが同じであれば、あなたならどちらに投資しますか? リスクが同じであれば、債券を選びたくなると思います。
現実、株式は債券よりリスクを取っているので、リスクプレミアムというリスクに合わせた上乗せのリターンが発生します。
つまり、リスクとリターンは比例関係にあるということです。リスクが低いならリターンも低い、リスクが高いならリターンも高いというわけですね。
ここまでの話をまとめると、ざっくりの理解として、
株式:ハイリスクハイリターン
債券:ローリスクローリターン
となります。では自分が投資するときはどう考えるといいでしょうか?
ここで大切なことは、1つしか選べない訳ではないということです。
激辛料理が好きな人は辛さを楽しむのかもしれませんが、多くの人は辛さを控えめにしたり、他の料理と組み合わせたりして、自分にとって美味しい辛さに調整しますよね。投資も同じように、リスクの高い株式とリスクの低い債券に分散投資することで、自分にとって心地よいリスクの度合い(例えばミドルリスク・ミドルリターン)に調整することが可能となります。
たとえば手元に100万円があるとしたら、50万円を株式に投資して、50万円を債券に投資することもできます。これがさまざまな資産に分散投資をするということです。
もちろん自分で組み合わせた分散投資でも大丈夫ですが、バランスファンドが便利です。バランスファンドとは、株式や債券などに分散投資をした状態で販売されている投資信託のことです。
バランスファンドにも多くの種類があり、債券を多めにしてリスクを抑えたものもあれば、リスクを抑えつつ株式多めのものなど、好みに合わせて選ぶことができます。
自分の許容度に合わせたリスクを取り、それに見合ったリターンを得ることができることを理解することで「投資は危ない」「投資は怖い」という思い込みから脱出することができるでしょう!
※本記事は投資に関わる基礎知識を解説することを目的としており、投資を推奨するものではありません。