コロナで疲れた心を癒すスマートな旅の極意

日本国内でも新型コロナウイルスが猛威を振るい始めてから半年以上が過ぎ、さまざまな活動の自粛や“巣ごもり”に辟易している人が少なくないことでしょう。政府が打ち出した旅行業の支援策「Go Toトラベル」に心を強く惹かれたものの、旅行先での感染拡大の懸念やお盆で帰省した人たちへの批判が出るなど、なかなか気軽には出かけにくい雰囲気です。

そこで、批判されにくく、混雑も避けて旅先での感染リスクを抑えられる「ウィズコロナ時代の旅」について考えてみましょう。

「Go Toトラベル」の利用で1人1泊あたり上限2万円支援

「自粛疲れだからこそ、旅行でストレスを発散したい。だけど、世間体を気にしてなかなか実行できない……」という心のモヤモヤを、多くの人たちが抱え込んでいるのではないでしょうか?そのような状況下で2020年7月にスタートしたのが政府の「Go Toトラベル」事業でした。

これは、国内旅行に出かける人を対象に宿泊・日帰り旅行代金の2分の1相当額を支援するというものです。給付額の7割は旅行代金の割引に充てられ、残り3割は旅行先で使える地域共通クーポンとして付与されます。

1人1泊当たり2万円が給付上限で、日帰り旅行の場合は1万円が上限。連泊や利用回数の制限はないため、例えば5泊なら10万円が上限となります。

第一弾の「旅行代金割引のみ」の支援策は2020年7月22日〜の出発、第二弾の「旅行代金割引+地域共通クーポン付与」は2020年9月以降の出発に適用されます。第一弾は、感染拡大が再び深刻化したことから、東京都民の旅行や東京を目的地とする旅行は対象外となってしまいました。

旅行の本格解禁はシルバーウィーク!?みんなのこの先の計画は?

果たして、世間の多くの人たちは旅行についてどのような思いを抱いているのでしょうか?JTBとJTB総合研究所による「新型コロナウイルス感染拡大による、暮らしや心の変化および旅行再開に向けての意識調査(2020)」に注目してみましょう。

これは、両社が実施した2つの調査に基づき、2月の感染拡大から緊急事態宣言の発令、解除の見通しが立つまでの間の人々の意識や行動の変化、今後の旅行回復の動き、未来の旅行・観光のあり方への影響についてまとめたものです。まず、旅行を再開するきっかけについては、「治療薬やワクチンが完成し効果が立証したら(45.6%)」「全国の緊急事態宣言が解除になったら(43.8%)」「WHOが全世界の新型コロナの終息宣言をしたら(33.9%)」が上位を占めていました。

「周囲からとがめられなくなったら(26.8%)」と答えた人の中では、特に女性の割合が高かったことも特徴的です。「復興割など旅行に行くための支援が始まったら(12.9%)」との回答が他と比べて少なかったことも、これまでの自然災害などと比べて異なる傾向であることが調査結果からわかりました。

「2020年中の旅行を予定・検討している」の合計は2月調査において48.1%でしたが、5月調査では32.2%にとどまりました。年内の旅行を予定・検討していると答えた人たちに具体的な内容などについて聞いたところ、5月の調査では「9~10月(シルバーウィークなど)」が34.4%で最も高くなりました。

米国ではグランピングがウィズコロナ時代の潮流。狙い目の旅行先は?

欧米では、人が密集しやすい観光地などを避ける意味合いもあって、グランピングを楽しむ人が増えているそうです。

グランピングとは、グラマラス(glamorous)とキャンピング(camping)をかけ合わせた造語で、優雅に自然を満喫できるゴージャスな内容のキャンプを意味します。日本でも2015年に星野リゾートが日本初のグランピングリゾート「星のや富士」(山梨県)をいち早くオープンさせました。以降、日本全国に多くのグランピング施設が生まれました。

グランピングに限らず、ウィズコロナ時代においては人口密度の低い大自然に囲まれた地域が旅先に選ばれやすいと言えるかもしれません。ただ、前述した「Go Toトラベル」の対象となるのは旅館業法の許可を受けた施設のみです。グランピング施設の中でも、星のやなどは対象施設である一方、旅行業法許可が必要とされないキャンプ場のフリーサイトやオートサイト区画などは対象外なので、事前にきちんと確認しておいたほうがいいでしょう。

休む時期、訪れる場所を世間の主流からずらすのも一考

ここまでの話をまとめると、シルバーウィークに国内旅行を楽しみたいと考えている人が少なからず存在し、旅先を選ぶ際には「大自然」がキーワードとなる可能性があるという話になってきそうです。もっとも、コロナの感染予防という観点に立てば、大多数とは異なる行動を取るのが無難かもしれません。

あえてシルバーウィークの時期を外し、メディアなどで取り上げられた話題のスポットは選択しないというのも一考でしょう。今までと違って何かと制約のある旅行にはなりそうですが、それでも計画を立てているだけでワクワクするものです。

コロナ時代の新しい旅行形態やお客のニーズに対応できる企業は、今後の成長が期待でき、投資先としても良いかもしれません。このような視線で、旅行計画を立てるのはいかがでしょう。いろいろと思いを巡らしているうちに、コロナで疲れた心も少しはリフレッシュしそうです。

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