月1万円の投資に意味はある? 社会人1年目が知るべき“本当の価値”

社会人1年目!月1万円だけでも投資をするべき?

新生活の中で初めての職場や「社会人」という立場を経験している方も多いでしょう。初任給が振り込まれ、これから始まる長い人生における資産形成の第一歩を踏み出そうとしている時期かもしれません。最近ではNISAなどの制度も拡充され、投資初心者にとっても一歩を踏み出しやすい環境が整っています。

しかし一方で、現状、大卒の初任給は248,300円(厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」)となっており、手取りベースでは20万円前後という方が大半です。

ここから家賃や食費、交際費などを差し引いていくと、投資に回せる余剰金は月1万円前後という少額になってしまうケースも珍しくありません。「月1万円程度の少額を投資に回して、果たして意味があるのだろうか」と考えてしまうのも無理のないことです。

シミュレーションで見る「月1万円投資」の現実

少額投資では大きく増やすことは難しい

実際にシミュレーションをしてみると、月1万円を利回り5%で積み立てた場合、10年後の元本は120万円、利益を含めて155万円にしかなりません。「老後資金2,000万円問題」などが叫ばれる世の中では、この程度の金額を増やしたところで焼け石に水だと感じ、投資を諦めてしまう方も多いでしょう。

少額投資の本当の価値は「経験」にある

ただし、資産形成の初期における少額投資の真の意義は、実はお金を増やすことそのものではありません。それ以上に重要なのは「投資経験を積む」という点にあります。

実際に自分の資金を市場に投じることで、上昇相場の高揚感や下落相場の恐怖を肌で感じ、投資感覚が養われます。投資をきっかけに日頃の経済情勢に興味を持つようになれば、マネーリテラシーの向上に直結します。

さらに、複利の効果を実体験として学習することで「今の浪費を抑えて投資に回そう」という家計改善の意識が自然と芽生えることも大きなメリットです。

月1万円からスタートした人でも、投資の楽しさや重要性に気づけば、自ずと月2万円、3万円と投資額を増やしていくものです。特に日本の多くの企業では年功序列型の賃金体系が残っており、昇給とともに投資に回せる金額も増えていきます。社会人1年目で初任給が低かったとしても、無理のない範囲である5,000円や10,000円から投資を始めてみることこそが、資産額以外にも意識・経験面で将来の大きな差を生むのです。

見落としガチ! 投資をしなかった場合の資産減退

先ほど、少額投資であっても資産はわずかながら増えること、そして何より投資経験が重要であるとお話ししました。しかし、今の日本において「投資をしない」という選択をした場合のリスクについても、私たちは冷静に把握しておく必要があります。

インフレ時代、貯金だけでは資産は守れない

日常生活の中で、スーパーに並ぶ商品の値段が上がったと感じる場面が増えていないでしょうか。

現在、日本は2〜3%程度のインフレ率を記録しています。もしインフレが続く社会において、元本が減らない貯金だけで資産を持っていたとしても、貯金の価値はインフレに負けて実質的に目減りしてしまいます。もしインフレが毎年2%で進行すれば、今年100万円で買えた車が、来年には102万円を出さなければ買えません。

つまり、貯金という形でお金を持っているだけでは、買えるものが年数とともに少なくなっていく、すなわち「資産が減退している」のと同じ状態なのです。

「貯金=安全」という思い込みを見直す

かつて「失われた30年」と呼ばれた1990年~2020年頃までは、インフレよりもデフレ傾向が強く、貯金も1つの有力な資産形成の選択肢でした。しかし、2020年代後半からの私たちは「インフレ時代」に生きているという認識を強く持つ必要があります。インフレ時代においては、株式投資のように「インフレに強い資産」をポートフォリオに組み入れることが不可欠です。

多くの方は「貯金をしている人=真面目で堅実な人」というイメージを持っているかもしれません。しかし、インフレによってお金の価値が下がることが分かっていながら、対策を打たずに貯金のみに固執し続けるのは、厳しい言い方をすれば「資産形成における勉強をおろそかにしている」とも捉えられます。

貯金も一つの「インフレに弱い資産への投資」であると捉え直し、時代に合わせた資産の守り方・増やし方を学んでいく姿勢が、これからの社会人には求められています。

※本記事は投資に関わる基礎知識を解説することを目的としており、投資を推奨するものではありません。
※本稿は著者の見解に基づくものであり、Wealth Roadの運営会社の見解を示すものではありません。


ぽんちよ【投資&お金の勉強YouTuber】
20代の投資家。経済的自由とセミリタイアを目標に、日本株や米国株、つみたてNISA、iDeCoなど、幅広い金融商品へ投資を行っている。特に「高配当株を権利確定前に売却する」という独自の手法を実践。投資の源泉は、家計簿を駆使した徹底的な節約と、YouTube、ブログ、せどりといった副業への挑戦。現在は地方でのびのびと働きながら、自身の経験を元に投資初心者向けの解説や、お金、副業に関する情報を発信している。

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