一般に投資は「安い時に買って、高い時に売る」ことで利益が得られます。それは投資信託でも同じです。その中でもアクティブ・ファンドの買い時を考える際は、どのような点を確認してタイミングを見計ったらよいのでしょうか。
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アクティブ・ファンドの買い時を考える場合、以下のような投資信託の特徴を理解しておくことが大切です。
投資信託は、注文を出してから取引が完了するまでに数日かかります。
まず平日15時までに注文を出していれば当日が申込日になりますが、15時を過ぎてからの注文は翌日が申込日となります。次に投資信託の取引が成立する約定日はファンドによって異なり、数日かかるものもあります。最後に、売買代金を精算する受渡日は、約定日から2~5営業日かかります。このように注文から取引完了までに、4~7営業日かかると想定した上で取引を行いましょう。
一般に投資信託は、リスクを分散して長期的に資産を運用する仕組みの金融商品です。
株式などの金融商品と比べると、リスクが抑えられているので、値動きが比較的小さくなり、短期的に大きな利益を得づらいといえます。逆に、短期間で損失が大きくなりにくいというメリットがあります。ただし、リスクが非常に高い代わりに期待できるリターンも同じように高いファンドもあるので、実際に購入するファンドのリスクを確認することが大切です。
ファンドの過去の価格水準に照ら合わせしたり、ほかのファンドの価格水準と比較したりして、割安だと考えられる場合や、相場全体の状況が今後のファンドの運用に追い風となりそうな場合は、ファンドの買い場を迎えていると判断できることがあります。
以下では、ファンドを購入するヒントとなる4つの買い時を解説します。
同じテーマの銘柄でポートフォリオが組まれているほかのファンドと比較してパフォーマンスが好調であれば、運用力が高いファンドである可能性があります。実際は一時的にパフォーマンスが比較的高かったことも考えられるので、「なぜ運用力が高いのか」を調査することが大切です。
調査した結果を踏まえ、継続的に高いパフォーマンスが期待できるファンドであれば、購入や買増しを検討してみるのもよいかもしれません。
想定よりもパフォーマンスが悪くなっているファンドを保有している場合は、売却を検討する必要があります。低調なパフォーマンスの原因が主に相場の影響であれば、相場の回復とともにファンドのパフォーマンスも改善していく可能性があります。
主に株式がポートフォリオに組み込まれているファンドの場合は、企業業績が今後も堅調であると予測されているにも関わらず、株式相場の下落に影響されて同じように下落しているのであれば、いずれ価格が上昇していくと可能性があります。このような状況にあるファンドであれば、パフォーマンスが低調であっても買い時のひとつとして検討してみましょう。
相場が下落基調の時に、パフォーマンス低下を抑える売買を機動的に行うファンドもあるため、相場からの影響を小さくできる可能性があります。運用能力や投資先のテーマによっては、相場よりも早く回復するファンドもあります。
ポートフォリオ全体が相場の状況だけに左右されないようにするために、ファンドを購入することもひとつの選択肢となります。
株式相場では、時々株価が大きく上昇したり下落したりします。大幅な株価の下落があっても、時間が経つと元の水準に回復する可能性があります。このように株価の回復が期待できる株式が組み込まれているファンドであれば、株価の回復を期待して長期投資としての購入を検討してみましょう。
特に有事(戦争・大災害など)で相場に変調を来した場合は、その影響が短期的なものになり、比較的早期に相場が回復することがあります。もちろんその有事が企業業績に与える影響がほぼない状況に限ります。
投資家であれば少しでも割安かつ将来的に上昇が見込めるファンドを購入したいとはいえ、実際に割安なのかどうかは時間が経ってからでなければ誰にも分かりません。相場の状況に応じて適切なタイミングでファンドを購入してパフォーマンスを引き上げたいのであれば、今回の記事でご紹介した5つの買い時のヒントを参考にしてみましょう。
※本記事は投資信託に関わる基礎知識を解説することを目的としており、特定ファンドの売買や投資を推奨するものではありません。