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毎月の税金が安くなる、月5000円から始められる iDeCoとは?
(画像=umaruchan4678/stock.adobe.com)

毎月の税金が安くなる、月5000円から始められる iDeCoとは?

『元国税局芸人が教える わかる、得する!超やさしい税金の教科書』より一部抜粋

(本記事は、さんきゅう倉田氏の著書『元国税局芸人が教える わかる、得する!超やさしい税金の教科書』=Gakken、2023年6月29日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

「節税」につながるお得な制度 iDeCo(イデコ)

◆対象者が広がり便利になった

iDeCo(イデコ)は「個人型確定拠出年金」の愛称で、私的年金制度の一つです。

公的年金とは異なり、加入は任意で、加入の申込み、掛金の拠出、掛金の運用はご自身で行い、掛金とその運用益との合計額をもとに給付を受け取ることができます。かつては自営業者、個人事業主及び一部の会社員しか加入できませんでしたが、現在はすべての会社員が加入できるようになっています。

◆iDeCoは毎月5000円から始められる

自分で掛金を出し、運用方法を決め、その成果を受け取るiDeCoですが、行うのは運用そのものではなく、あくまで「運用方法を選ぶこと」です。投資信託に近いしくみですね。

掛金は毎月5000円からと低額で、1000円きざみで金額を設定できるのが特長です。掛金は、職業によって上限額が定められています。

掛金を元手に運用した後、60歳以降に運用して得た利益分を含む金額(資産)を、年金または一時金として受け取ることができます。満期までに最低10年の拠出が必要になりますので、たとえば55歳からiDeCoを始めた場合、年金の受け取りは65歳以降となりますのでご注意ください。

運用方法は「投資信託」と「元本確保型商品(定期預金・保険)」に分けられ、運用する商品を選ぶことができます。

『元国税局芸人が教える わかる、得する!超やさしい税金の教科書』より

◆iDeCoの節税効果は主に3つ

「節税効果が高い」ということで、会社員をはじめ多くの方から注目を集めているiDeCoですが、イメージが先行して、具体的な内容までご存知の方は多くないようです。

iDeCoには、「掛金を積み立てたとき」「積み立てたお金が増えたとき」「60歳以降にお金を受け取るとき」の3つのタイミングで節税メリットがあります。

掛金を積み立てたときのメリット

掛金を全額、所得控除できることです。収入から掛金を控除するとその分だけ課税対象となる所得額が少なくなるため、支払う所得税と住民税も軽減されます。所得控除が利用できる金融制度には生命保険料控除がありますが、控除額の上限が決まっていて、iDeCoのように掛金全額を控除することはできません。早く始めるほど、掛金全額所得控除によるメリットは大きくなります。

積み立てたお金が増えたときのメリット

積立金が増えれば得をするのは当然ですが、iDeCoの場合は少し違います。

iDeCoはご自身でどの商品に積立をするか選択することになりますが、その商品は預金と投資信託に分かれます。預金では利息が、投資信託では運用益が期待できます。

利息にしても運用益にしても、増えたお金に対しては、換金した時点で約20%の税金がかかります。ところが、iDeCoではその課税がなく、普通に運用した場合に比べて、手元に残るお金が大きく増えます。

たとえば、運用益が100万円の場合、本来なら約20万円の税金がかかり手元に残るのは80万円程度ですが、iDeCoの場合は、運用益に課税されることなく100万円全額を受け取ることができます。

お金を受け取るときのメリット

所得税控除を利用できることです。一時金で受け取る場合は「退職所得控除」、年金で受け取る場合は「公的年金控除」、一時金と年金を組み合わせて受け取るときは「退職所得控除」と「公的年金控除」を利用して所得控除を受けることができます。

iDeCoは、支払った全額が所得控除の対象になり、運用益も非課税、さらにお金を受け取るときにも所得控除の対象になるわけです。

原則として、60歳まで積み立てたお金を引き出すことができず、途中解約もできないことをデメリットとして指摘する声もありますが、そもそも年金は老後に使うためのお金ですので、本来は60歳まで引き出せなくても困らないはずです。メリットのほうがはるかに大きいので、できるだけ早く活用することをおすすめします。

『元国税局芸人が教える わかる、得する!超やさしい税金の教科書』より

なお、2024年12月にはiDeCo制度の改正が予定されています。詳細は、厚生労働省のホームページ等でご確認ください。

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<著者プロフィール>

さんきゅう倉田

芸人。ファイナンシャルプランナー。1985 年神奈川県生まれ。
大学卒業後、国税専門官採用試験を受けて東京国税局に入局。同局退職後、吉本興業の養成
所 NSC に入学し、芸人となる。X(旧 Twitter)などで発信した税やお金の情報が話題とな
り、執筆や講演等の仕事を増やす。以来、芸人として活動しながら、現在は税理士会、法人
会などでの講演に加え、『週刊東洋経済』『東洋経済オンライン』『ダイヤモンド・オンライ
ン』『プレジデント・オンライン』『マイナビニュース』『税と経営』などでも税や経済につ
いての記事を執筆、好評を得ている。
2023 年東京大学文科二類に合格し、東京大学に在学中。
著書に『元国税局芸人が教える わかる、得する!超やさしい税金の教科書』(Gakken)の
ほか、『元国税職員のお笑い芸人がこっそり教える 世界一やさしいお金の貯め方増やし方
たった 22 の黄金ルール』(東洋経済新報社)、『元国税芸人が教える! フリーランスで生き
ていくために絶対知っておきたいお金と税金の話』(あさ出版)、『お金リテラシー超入門だ
まされて大損しないために! 15 歳から知っておきたい』(主婦と生活社)などがある。

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