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新NISAの売買の繰り返しに意味はある?2つの効果と注意点を解説
(画像=AkioMic/stock.adobe.com)

新NISAの売買の繰り返しに意味はある?2つの効果と注意点を解説

新NISAで金融商品の売買を繰り返すと、どのような効果を期待できるのでしょうか。長期保有とは違って大きな値上がり益は期待しづらいですが、目的や資産状況によってはこまめな売買が向いている可能性もあります。本記事では、新NISAで売買を繰り返す効果や注意点について解説します。

新NISAで売買を繰り返す2つの効果

金融商品の長期保有をする場合と比べて、こまめな売買にはどのような効果があるのでしょうか。以下では、新NISAで売買を繰り返す2つの効果を解説します。

【効果1】非課税保有限度額(総枠)を再利用できる

新NISAの保有銘柄を売却すると、売却した分だけ非課税保有限度額を再利用できます。

非課税保有限度額とは、金融商品を非課税で保有できる総枠(上限額)です。新NISAの総枠は1,800万円(※成長投資枠のみでは1,200万円)であり、この金額を超える金融商品は保有できません。

例えば、成長投資枠で1,200万円分の金融商品を保有している場合、つみたて投資枠で購入できる金融商品は600万円分になります。ただし、新NISAの総枠は再利用ができるため、仮に成長投資枠で300万円分(購入時の取得価額分)を売却すると、つみたて投資枠を含め900万円分の金融商品を新たに購入できます。

【効果2】小さなリターンの積み重ねを期待できる

利益があるうちに金融商品をこまめに売却すると、小さなリターンを積み重ねられる可能性があります。取引1回あたりの利益が少なくても、長期的にリターンを積み重ねれば、最終的には大きな利益になるかもしれません。

一方で、大きなリターンを期待する長期投資では、途中で相場状況が変わることもあります。一時的に利益がある状態でも、金融商品の価格が大きく下落すると、利益が損失に変わってしまう可能性もあります。

なお、短期的な価格変動を予測することは難しいため、投資手法として優れているわけではありません。投資の目的や資産状況によっては、長期投資の方が向いている場合もあります。

新NISAで売買を繰り返すときの注意点

新NISAの総枠は再利用できますが、金融商品を自由に売買できるわけではありません。新NISAで売買を繰り返す場合は、以下の注意点も踏まえて計画を立てましょう。

【1】年間の非課税投資枠は再利用できない

新NISAには総枠に加えて、1年間の非課税投資枠が設定されています。非課税投資枠は年内の再利用ができないため、こまめな売買を繰り返していると、年の途中で金融商品を購入できなくなる可能性があります。

非課税投資枠の金額については、成長投資枠は年間240万円、つみたて投資枠は年間120万円に設定されています。2つの投資枠を合わせても、1年間に投資できる金額は360万円なので、1,800万円の総枠をすぐに使い切ることはできません。

成長投資枠のみ:5年間(1,200万円÷240万円)
つみたて投資枠のみ:15年間(1,800万円÷120万円)
2つの投資枠を併用:5年間(1,800万円÷360万円)

非課税投資枠と総枠の違いを理解した上で、ご自身の目的に合った投資計画を立てるようにしましょう。

【2】再利用できる非課税枠は元本分のみ

金融商品の売却によって再利用できる新NISAの総枠は、元本分(購入時の取得価額分)のみです。例えば、100万円で購入した金融商品を、500万円になってから売却するとします。この場合、保有している金融商品は500万円分減りますが、再利用できる総枠は100万円分です。

総枠を再利用するために金融商品を売却する場合は、購入時の取得価額を確認した上で計画を立てましょう。

【3】短期間で売買を繰り返せない金融商品もある

新NISAの対象商品には、短期間で売買を繰り返せないものもあります。

例えば、投資信託の基準価額が決まるのは1日1回であるため、購入・売却を申し込む時間帯によっては翌営業日以降が約定日になります。株式についても取引時間が決められているため、好きなタイミングで売買できるわけではありません。

中でも投資信託は、短期間での売買を繰り返したい人は、あらかじめ各銘柄の取引時間を確認しておくことが大切です。

新NISAは非課税投資枠を意識して計画的に運用しよう

新NISAで売買を繰り返すと、非課税保有限度額(総枠)を再利用しながら、小さなリターンの積み重ねを期待できます。ただし、1年間の非課税投資枠には上限があるため、少額の売買を繰り返す場合であっても、計画的な運用を心がけることが大切です。制度や金融商品の仕組みを理解した上で、ご自身の目的に合った運用方法を考えてみてください。

※本記事は新NISAに関わる基礎知識を解説することを目的としており、新NISAの利用を推奨するものではありません。

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