ETFと投資信託はよく似ているので、どちらに投資すべきか悩む方も多いでしょう。今回は、ETFと投資信託の違いを解説し、5つの比較ポイントを紹介します。ETFと投資信託の違いを知り、どちらが自分に向いているのか判断したい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
ETFと投資信託の大きな違いは、「上場しているか、上場していないか」です。商品の仕組み自体は、実はとてもよく似ています。
投資信託は、投資家から集めた資金を運用の専門家が運用し、運用益を投資家に分配する投資商品です。投資先は国内外の株式や債券など、多岐にわたります。投資信託を購入するだけで、自動的に分散投資ができるのがメリットです。
ETF(Exchange Traded Funds)は、日本語では「上場投資信託」といいます。ETFも投資信託と同様に、投資家から集めた資金を専門家が運用し、運用益を投資家に分配します。ETFは上場しているため、株式と同様に証券取引所を通じてリアルタイムで売買できます。
ETFと投資信託は運用益を出す仕組みは同じですが、上場しているかどうかが異なります。その他にも細かい違いがあるため、違いを知った上で自分に合うほうを選びましょう。
ここまで、ETFと投資信託の違いを解説しました。ここからは、ETFと投資信託を比較する際の5つのポイントを紹介します。
売買しやすいのはETFが優っています。ETFは上場しているため、リアルタイムの値動きを見ながら購入・売却の注文を出せます。証券取引所の取引時間中であれば多くの場合、注文を出すとすぐ売買が成立します。分配される運用益だけでなく、売却益(購入時と売却時の価格差)も狙いやすくなります。
一方で投資信託は、申し込んでもすぐに購入できるわけではありません。約定(注文の成立)から受け渡しまで、数日かかることもあります。基準価額が更新されるのは1日1回なので、申し込んだ時点では、取引価格を知ることもできません。
種類が豊富なのは、投資信託です。2021年12月末の投資信託の商品数は5,923本で、ETFは212本です。
さまざまな運用スタイルがあるのも、投資信託の特徴です。大きく分けて、日経平均株価やTOPIXなどの指数と連動した運用成果を目指す「インデックス型」と、指数を上回る運用成果を目指す「アクティブ型」があります。
ETFの運用スタイルは、基本的に指数との連動を目指す「インデックス型」です。一方、投資信託には「アクティブ型」の商品もたくさんあります。運用成果が市場平均を上回ることを目指す「攻めの運用スタイル」に興味があるなら、投資信託を選ぶとよいでしょう。
出典:一般社団法人投資信託協会「数字で見る投資信託」
信託報酬は投資信託の運用・管理にかかるコストで、ETFや投資信託を保有している間に発生します。信託報酬は商品によって異なりますが、一般的にETFのほうが低めです。長期投資で運用コストを少しでも抑えたい場合は、ETFを選ぶとよいでしょう。
一般的にETFや投資信託を購入する際は、信託報酬の他に販売手数料がかかります。
投資信託は商品ごとに販売手数料が設定されていますが、最近は販売手数料が無料の「ノーロード」と呼ばれる商品も増えています。
一方でETFは、株式と同様に証券会社の手数料体系に応じた売買手数料がかかります。商品ごとに手数料が決められているわけではありません。
ETFを取り扱っているのは、証券会社のみです。一方で投資信託は、証券会社の他に銀行や郵便局などでも取り扱っています。
ETFは証券会社を通して証券取引所で売買するため、証券会社によって購入できるETFが変わることはありません。一方で投資信託は、金融機関によって取り扱っている商品の種類が異なります。口座を開設する前に、購入したい投資信託を取り扱っているかどうかを確認しておきましょう。
ここまで、ETFと投資信託を比較する際のポイントを解説しました。最後にETFが向いている人、投資信託が向いている人の特徴を紹介します。
ETFが向いているのは、以下のような人です。
・信託報酬(運用管理コスト)を抑えて長期投資をしたい人
・市況の変化を踏まえてリアルタイムで売買したい人
・すでに証券口座を開設している人、開設したいと考えている人
・一般NISAを利用したい人
投資信託が向いているのは、以下のような人です。
・豊富な選択肢の中から自分に合った商品を選びたい人
・市場平均を上回る運用成果を目指す「アクティブ型」に興味がある人
・証券口座を開設せず、銀行や郵便局で投資を始めたい人
・つみたてNISAやiDeCoを利用したい人
ETFと投資信託には、それぞれ特徴があります。それらを踏まえて、自分に合うほうを選びましょう。どちらも少額から投資できるので、まずは好きな投資商品に少額を投資してみて、運用しながら自分に合う投資方法を見極めるのもよいでしょう。
※上記は参考情報であり、ETFや投資信託などへの投資や売買あるいは、特定企業の株式の売買及び投資を推奨するものではありません。