「40代、世帯年収900万円の共働き夫婦」 まずはここから始めたい家計管理の3箇条

世帯年収900万円には満足しているけれど、家計管理に自信がない……。そんな人向けに、家計簿のモデルケースを紹介し、家計管理で押さえておきたいポイントを解説します。自分たちの家計を振り返る機会にしてみてください。

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世帯年収900万円でも家計状況は家庭によりけり

一般的に、世帯年収が900万円以上あれば、ある程度余裕のある生活を送れるといわれます。とはいえ、家族構成や親との同居有無などによって、家計状況は大きく変わります。「いまのところお金には困っていない」というケースもあれば、「毎月、家計が火の車で老後資金が心配」など、家庭によって違いがあるでしょう。

以下、家計について考えるためにモデルケースを挙げてみます。これをもとに、現状の家計の支出について考えてみるといいかもしれません。今回紹介するのはあくまでモデルケースですので、自分たちの家計を見直す機会として利用してみてください。

家計費の目安は?投資等に回る金額も計算

世帯年収900万円のケースについて、夫が年収600万円、妻が年収300万円と仮定して、家計費の目安を試算します。

夫の賞与が150万円とすると、夫の毎月の手取り額は約31万円です。妻の賞与が90万円ならば、妻の毎月の手取り額は約14万円です。合計すると、毎月の世帯手取り額は約45万円です。

ザイ・オンラインの「家計再生コンサルティング」では、夫婦と中・高生の子どもがいる場合の、「収入に対する家計費の理想的な割合」が紹介されています。

それをもとに、世帯手取り額45万円のケースについて、理想的な家計費を計算してみました。結果は以下の通りです。

・食費:15%=6万7,500円
・住居費:25%=11万2,500円
・光熱費:6%=2万7,000円
・通信費:6%=2万7,000円
・お小遣い:10%=4万5,000円
・教育費:12%=5万4,000円
・保険料:6%=2万7,000円
・その他:12%=5万4,000円
・貯蓄:8%=3万6,000円

貯蓄を除いた家計費の毎月の合計額は41万4,000円で、年間496万8,000円もの支出が発生することがわかります。貯蓄や投資に回せる金額は年間43万2,000円です。これとは別に夫婦それぞれの賞与の手取り額がある、と考えていきます。

もちろん、住んでいる場所や外食の頻度、通勤距離などによって、家計費は変動します。理想的な割合を参考にしつつも、夫婦で最適な金額を算出してみてください。

まずはここから始めたい、家計管理の3箇条

月での手取り世帯額と賞与の手取り額を把握し、毎月の家計費の最適な金額を算出したら、続いて行いたい家計管理のためにすべき3つのポイントを解説します。夫婦で時間をとり、話し合ってみましょう。

(1)年単位でお金の流れを把握

世帯年収900万円の共働き夫婦では、忙しくて毎日家計簿をつける余裕がない場合も多いでしょう。そんな時は、通帳残高をベースに、年間の収入と支出を大まかに把握してみてください。消費として消えている金額と、投資として将来に備えている金額は、分けて把握することもポイントです。

(2)夫婦2人で、現状への共通認識を持つ

年単位でお金の流れを整理したら、夫婦2人でその結果を共有しましょう。何にお金が消え、どれだけお金が残り、どのぐらい将来に備えているか。そのぐらいのイメージでかまいません。

(3)「お金の会議」で今後のプランを決める

夫婦2人で年に1回「お金の会議」を行いましょう。そこで、見直したいポイントがあれば話し合います。投資における資産バランスなどもチェックすると、より家計の安全度がアップします。

家族のライフスタイルに合ったやり方で、無理のない家計管理を

こうして手取りと毎月の支出、そして将来への備えを考えてみると、世帯年収900万円でいまは困っていなくても、決して余裕があるわけではないと考える人もいるかもしれません。理想の家計費の割合を参考にしつつ、自分たち夫婦や家族に合ったやり方で家計管理を始めていきましょう。

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