「スーパーアスリートが所有する約42億円のプライベートジェット」「2億円のド派手バースデーパーティーでNYっ子のひんしゅくを買うプライベートファンドオーナー」など、メディアからはスーパーリッチのぜいたくな暮らしぶりが伝わってきます。しかし実際には、多くのお金持ちが質素な生活を送っているそうです。真の富裕層は「いかに貯めるか」よりも「いかに使うか」に頭を悩ませます。そこで今回は「富裕層脳」の作り方について確認していきましょう。
「いかに使うか」において大切なのは、その支出が合理的かつ納得感が得られるかということです。日本でも驚くほど質素な暮らしぶりの富裕層は少なくありません。ただし彼らは決してケチというわけではなく納得できるものにはしっかりとお金を使っています。この納得できる使い方とは具体的に何を指すのでしょうか。ここでは「資産運用」「教育」「寄付」という3つの視点から解説します。
資産運用を行う際はIFAやFPなど第三者にすべてを任せきりにせず、セカンド、サードオピニオンを実行します。また自分できっちりと投資先を調べて納得のうえ投資しています。
小学校のお受験・習い事から丸抱えの海外留学まで、子どもの「成長と未来に役立つ」と自ら認めた投資には掛け値なしです。
日本ではまだまだ寄付している富裕層は少ないかもしれません。しかしアメリカでは投資家で有名なウォーレンバフェット(質素な家に暮らす全米有数の富豪)が、「資産の半分を寄付する」というギビングプレッジ(寄付誓約宣言)を展開しています。キリスト教文化圏のおける寄付は、人生の「利他的精神」に基づく合理的な行動であり、節税につながるという経済的合理性もあります。
合理的かつ納得感を得らえることが、支出にかかわる富裕層脳を作るためのキーワードとなりそうです。合理性は知識によって得らえますが、納得感はそれぞれのライフスタイルや価値観が大きく影響します。いかに生きるかを自らに問うことが求められると言えそうです。
知識によって得られる合理性ですが、実際に「合理的な判断に基づきお金を使う」ということは意外と難しい側面を持っています。人間には先入観や固定観念、自らの願望や経験則といった「認知バイアス」が働きやすく、これは富裕層も例外ではありません。例えば「高級外車が欲しくてたまらない」と思うと、都合の良い情報(ステータスが上がるなど)ばかり集めてしまい、悪い情報(他人のやっかみなど)は頭に入らなくなりがちです。これは認知バイアスの一種「確証バイアス」が働いており、客観的な合理性を阻む要因となっています。
お金を上手に使える富裕層は、自分の認知バイアスを認識しており、上手にコントロールすることができます。自分の願望などから発生する認知バイアスについても1つの情報として解し、検討できるのです。ここにも自らの生き方や思考の傾向を理解することが求められています。
富裕層脳を作るには、支出に対する合理性を裏付ける知識はもちろんのこと、自分自身の生き方、価値観、思考傾向をよく知ることがポイントになると言えそうです。