ウォーレン・バフェットは、一代で10兆円以上の資産を築いた投資家です。彼の投資を真似することは難しいですが、投資の考え方から学べるところがたくさんあります。この記事では今後の資産形成について、ウォーレン・バフェットから役立つ投資の考え方について学べる記事をピックアップしました。
目次
■1.どれだけ裕福になってもバフェットが続ける節約法
■2.バフェットの過ちから学ぶ、投資の心得
■3.バフェットがITバブル期にIT企業を買わなかったワケ
■4.バフェットはなぜ日本の5大商社に投資したのか?
以下は、『ウォーレン・バフェットの「仕事と人生を豊かにする8つの哲学」』より一部抜粋
(本記事は、桑原 晃弥氏の著書『ウォーレン・バフェットの「仕事と人生を豊かにする8つの哲学」』=KADOKAWA、2021年12月2日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)
目次
1.どれだけ裕福になってもバフェットが続ける節約法
どれだけ裕福になっても、倹約と貯蓄を基本とする
バフェットによると、収入の多寡にかかわらずお金持ちになりたい人すべてが心がけるべきことがあります。それが「使うお金は入るお金より少なく」を守り抜くことです。「莫大な遺産を遺したバフェット家の人間はひとりもいないかもしれないが、なにも遺さなかったものもいなかった。稼ぎを使い果たすことはなく、つねに一部を貯めておいた。それでずっとうまくいっているのだ」(『スノーボール(上)』)と話しています。
日本の「公園の父」と呼ばれる本多静六は、投資家として巨万の富を築いたものの、東京大学を退官するにあたり、そのほとんどを教育機関などに寄付したことで知られています。苦学しながら東京農林学校(現在の東京大学農学部)に学び、教授となっていますが、一方で本多は収入の4分の1を必ず天引き貯蓄する「勤倹貯蓄」を行い、その資金を元手に株式投資を行うことで巨万の富を築いた人物です。
まさにバフェットのいう「使うお金は入るお金より少なく」の実践者といえますが、バフェットはさらに「複利式の考え方」をすることで幼い頃から倹約と貯蓄に努めています。
2.バフェットの過ちから学ぶ、投資の心得
「あの人がそうしたから」は、自分の行動の理由になり得ない
投資には確固たる理由、それも自分の頭で考えた理由が必要だとバフェットはいいます。しかし、現実には多くの人が「値上がりしているから」「専門家が推奨しているから」といったとても単純な理由で買い、また逆の理由で売ったりしています。
バフェットが自分で考えることの大切さを思い知らされたのは1950年、コロンビア大学大学院に在籍していた頃のことです。入学する少し前、バフェットは父ハワードと一緒にミネソタ州ダルースにある金物卸売業者マーシャル・ウェルズ株を25株購入しました。ある日、大学の授業を欠席して同社の株主総会に出席しますが、そこで経営陣に手厳しい質問をする証券会社ストライカー&ブラウンのルイス・グリーンと出会います。
グリーンもグレアムの盟友の1人であり、株が割安で儲けが確実な会社を探しては、取締役を送り込めるだけの株数を買って、経営に影響力を及ぼそうとしていました。バフェットはそんなグリーンに感銘を受け、好印象を与えようと熱心に話しかけました。
3.バフェットがITバブル期にIT企業を買わなかったワケ
10年後に生き残る可能性が高いのは、アプリよりアイスクリーム
株式投資を行う時、たいていの人は株価の動きを見ながら「今は買い時か」「今は売るべき時なのか」を判断しようとしますが、バフェットはそれよりももっと見るべき点があると指摘しています。「大事なのは商品そのものが長期間持ちこたえられるかどうかを考えることです。その銘柄を買うべきか売るべきかを延々と考えるよりも、そちらのほうがはるかに実りが大きいとは思いませんか」(『バフェットの投資原則』ジャネット・ロウ著、平野誠一訳、ダイヤモンド社)
たとえば、バフェットが好んでやまないコカ・コーラにはたくさんの「物語」があります。
コカ・コーラを今日のような世界的な飲み物、アメリカの国民的な飲み物に育て上げたのはロバート・ウッドラフです。ウッドラフの父親が1919年にエイサ・キャンドラー一族からコカ・コーラ社を買収、ホワイト・モーター副社長だったロバートを社長に任命しています。当時のコカ・コーラは借金だらけの厳しい経営を強いられていましたが、ウッドラフはモータリゼーションの波に乗るべく幹線道路沿いの屋外広告の看板を買いまくり、コカ・コーラの商標をあしらったカレンダーや紙ナプキンを全米中にばらまきました。すべてはコカ・コーラを国民的な飲み物にするためでした。
4.バフェットはなぜ日本の5大商社に投資したのか?
東日本大震災の年、バフェットはなぜ日本を訪問し、今なぜ日本の五大商社に投資したのか?
バフェットは日本食が大の苦手で、ソニー創業者の盛田昭夫さんとの食事では出された日本食にまったく手をつけることができなかったほどです。もっとも、当時からソニーには興味があったようで、2000年に行われた『日経ビジネス』のインタビューでは「ソニー株に興味はあるが、割高」と購入を見送る姿勢を示しています。
日本株よりも韓国株や中国株への関心が高かったというのも事実ですが、そんなバフェットが福島県いわき市の工具メーカーの新工場完成式典に出席するために初来日したのは2011年11月だったというのは驚きです。
同年3月、日本では東日本大震災が起きており、原発事故の影響もあって、多くの外国人が日本を離れたり、来日をためらったりするなか、バフェットはあえて日本に来ています。その少し前にはテスラモーターズとスペースXを率いるイーロン・マスクも来日、福島を訪れて太陽光発電の設備を寄贈していますが、こうした勇気ある行動は日本人を励ますものとなりました。
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いかがだったでしょうか。ウォーレン・バフェットは、10兆円以上の資産を持っていても、倹約と貯蓄を基本にしています。「使うお金は入るお金より少なく」を続けることは、資産形成を進める上で大切なことなので、常に忘れないように心がける必要があるかもしれません。
※上記は参考情報であり、特定企業の株式の売買及び投資を推奨するものではありません。