『ていねい図解! 初心者のための投資信託教本』より一部抜粋
(本記事は、福田 由美氏の著書『ていねい図解! 初心者のための投資信託教本』=日本橋出版、2021年11月22日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)
ここでいうリスクヘッジは、将来予測できない危険性に対しての損失を防ぐ防衛策ということ。
新語時事用語辞典によれば、「『リスクヘッジ』は英語 risk hedge に由来する語である。risk は危険性、hedge は生け垣、転じて防衛策を意味し、risk hedge は危険性に備えてとる策を意味するが、英語ではもっぱら金融の専門語として用いられる。」と記されています。日本でも、金融の世界で良く用いられていて、最近では投資信託などでも良く聞くようになりました。
前提として資産運用初心者の方向けに書いていて、現預金や保険商品以外の商品をあまりお持ちでない方についてお話します。結論から申し上げますと、一部商品を除きほとんどの商品は、2 本以上持たないと、リスク分散になりません。それが、何本なのかというのは、その場合によって異なりますが、本書籍では5本くらいのパターンまでご紹介します。1 本だけ持っているのは手落ちの場合があります。投資信託でも複数本持った方がいいというのは私がおすすめしていることですが、意外と1 本しか持ったことがない。1 本を売って、次の1 本を買うという人が多いと感じています。
投資信託は、様々な商品に分散して運用する商品ではありますが、どの投資信託でも、リスク分散がそれだけで全体的にできているということとは、少し違います。投資信託商品が作られるときには、商品企画をしてそのルールに則って商品が作られるため、投資信託ごとに、「債券を投資対象にする、株式を投資対象とする、両方混ぜる、国内を対象とする、海外を対象とする」など、それぞれ違った性質を持った商品になっています。
上記で挙げた「一部商品を除き」の「一部」というのは、いくつかの資産クラスが混じったバランス型ファンドのことなのですが、投資信託の多くはバランス型ファンドではありません。1 本だけを保有するのではなく、その商品の性質を把握して複数本の商品を組み合わせて持つことによって、リスク分散を図ることができます。
金融商品を組み合わせる際には、相関関係を考えます。株式と債券債権は、負の相関関係(逆相関関係)があり、国内株式と海外株式は、正の相関関係があると言われています。分散投資の効果を最大限に発揮したければ、できるだけ負の相関関係が高い商品を組み合わせることが大切です。
※上記は、本書からの抜粋であり、著者が作成したもので、今後の投資成果を保証するものではなく例示を目的としたものになります。また、個別株式の売買や投資を推奨するものではありません。
<著者プロフィール>
福田 由美
都市銀行退職後、渡米し、University of Tenneessee at Martin 経営学部修士修了(MBA)。
財務・会計コンサル会社勤務。一般社団法人ウーマンライフパートナー理事。
資産運用の大切さ・投資信託の魅力などのセミナー講師・執筆も行う。
『ていねい図解! 初心者のための投資信託教本』