「高級車を愛用し、大きな家に住んでいる」「好きなだけお金を使える」といった富裕層のイメージを持つ人もいるでしょう。実は彼らの多くはお金を浪費せずに増やすことを考え、必要以上の贅沢をしない生活を送っています。ここでは資産を形成する上で役に立つ富裕層のお金の使い方を紹介していきましょう。
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富裕層のお金の使い方を知る前に、お金はなぜ貯まりにくいのかを見ていきましょう。
ライフステージの変化などその原因は様々ですが「浪費」は、一つの大きな原因として挙げられそうです。それではそもそもなぜ人は浪費をするのでしょうか。金額や頻度、浪費の対象などは人によって違いますが、最大の原因はストレスであることが複数の報告で明らかになっています。
浪費癖のある人は、私生活や仕事、人間関係、あるいは経済的な不安やプレッシャーが精神的な負担となり、ストレスの発散手段として浪費を繰り返すようですつまりストレスが少なければ、浪費は減らせることになります。
富裕層には経済的不安が少なく、自分の生活やビジネスに満足している人が多いです。そのため、浪費や衝動買いでストレスを発散したり、自分と他人を比較したりする必要がないため、散財しなくても済むのでしょう。
もちろん富裕層もお金を使います。むしろ「浪費」ではなく「投資」においては、平均よりも多くのお金を使っています。富裕層のお金の使い方を「投資」と考えて見ていきましょう。
ネットワーキング(人脈作り)のための交際費は、富裕層にとって重要な投資の一つです。広いネットワークは、ビジネスや投資、プライベートなど様々な場面で直接的・間接的な利益をもたらすことを知っているからです。
ただし誰とでも付き合い、交際範囲を広げればいいわけではありません。自分を高めてくれる人を見つけて、有益な交際関係を築くことが重要です。
富裕層は心身の健康に留意しており、できるかぎり長く働き続けるために、ヘルスケアへの投資を惜しみません。
「所得の差が平均寿命や余命に影響する」という米国医師会(AMA)の調査結果では、1999~2014年のデータに基づいて最も裕福な1%の層と最も貧しい1%の層の寿命を比較すると、男性で14.6歳、女性で10.1歳の差が見られました。
現代は健康がお金で買える時代であり、日本の富裕層の間でも高級人間ドックなどが人気です。
子どもや孫は、自分が苦労して築き上げた資産を受け継ぐ大切な後継者です。富裕層は、「幼少期から一流の教育を施すことで、将来の得られるリターンが大きくなる」と考えています。
実際、ミシガン大学が27年かけて行った研究から、子ども時代に受けた教育が学習成果やキャリアに影響を及ぼすことが明らかになっています。
また、子どもに財産を残さないことを公言している世界の大富豪ビル・ゲイツ氏は、「子どもへの最高の遺産は、最高の教育を受ける機会を与えたこと」と述べています。
ワークライフバランスを重視する富裕層は、仕事をする時は100%仕事に専念し、休む時はしっかりと休むことを心掛けています。
仕事のことを頭から追い出し十分な休息をとる上で、休暇は非常に重要です。気候の穏やかな土地で心と体を休めたり、リゾート地で趣味を満喫したり、家族や友人と充実した時間を過ごしたりと、心身ともにリフレッシュすることが休暇の目的です。
「自分の富を、世界の人々を幸せにするために分かち合う」というフィランソロピー(慈善活動)という思想が富裕層の間で広まっています。フィランソロピーは寄付金や社会的投資を通し、社会が直面している問題を根本的に解決することが目的です。
「増やしたお金をいかに有意義に使うか」と考えたとき、自分や家族だけではなく、より多くの人に長期的に恩恵をもたらす目的で使うことほど、有意義な使い道はないでしょう。
富裕層のように「浪費」ではなく「投資」の観点でお金の使い方を捉えた時、お金の使い方も変わってくるはずです。
例えば「仕事帰りについついコンビニでスナックをたくさん買ってしまう」などは、お金の面でも健康の面でも、決して投資とは言えません。
一時的な浪費でストレスを発散したり欲を満たしたりするのではなく、心身のリフレッシュや人間関係を築くための計画的なお金の使い方を意識することが大切です。
ここに挙げた富裕層のお金の使い方がすべての人に当てはまるというわけではありません。しかし自分自身を資産だと考え、その資産価値を上げていくためにはどうしたらいいか、という観点でお金の使い方を洗い出してみてはいかがでしょうか。