2019年10月1日、消費税が8%から10%になりました。この増税に伴う消費の下振れが懸念される中、政府はその対策として「キャッシュレス決済に対するポイント還元制度」を実施。消費増税による景気の落ち込みを防ぎつつ、キャッシュレス決済の普及・促進を目指しています。
キャッシュレス決済が普及することで、私たちの暮らしはどのように変わるのでしょうか。考えられるのは、金融とITを融合した「FinTech」が私たちの暮らしに大きな影響を与えるようになることです。では、実際にどのような影響があるのでしょうか。
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キャッシュレス決済が普及すると、私たちの日常の“お金の使い方”が変わってきます。コンビニやスーパーでは、クレジット決済やSuicaなどの電子決済、スマートフォンの決済アプリに対応する店舗が増えています。「キャッシュレス決済に対するポイント還元制度」の影響が大きいと思われますが、社会全体が現金決済からの脱却による効率化を受け入れているようにも見えます。
現金が使われなくなるということは、お金の動きの大半がITによって管理されることを意味します。その結果現金を見る機会が減り、お金は数字の羅列という抽象的な概念へと変わっていくかもしれません。それはお金がIT化することを意味し、お金とITの親和性が高まっていくことになります。この流れは、今後さらに加速していくでしょう。
金融とITを融合させた「FinTech」という概念が、私たちの生活に与える影響を考えてみましょう。インターネットが普及することで、私たちの暮らしは大きく変わりました。それと同じように、金融とITが融合することで、お金のあり方も変化していくでしょう。その際、FinTechについての理解が適切な対応を促してくれるはずです。
FinTechは、「金融(Finance)」と「テクノロジー(Technology)」を組み合わせた造語です。既存の金融サービスと新しいテクノロジーを組み合わせることで、金融とそれを取り巻く環境の効率化を目指すものです。FinTechはスマートフォンなどのデバイスに加え、AIやビッグデータ、ブロックチェーンなどの最新技術にも関係しています。
では、FinTechによって私たちの暮らしはどのように変わるのでしょうか。最もイメージしやすいのが、スマートフォンを利用した決済や送金、資産管理、融資などでしょう。スマートフォンを活用することで、これらの金融サービスにかかる時間が大幅に削減され、場所の制約もなくなりました。今後は国境を越えた決済や送金についても、時間的・金銭的コストが下がっていくでしょう。
金融サービスや資産管理に着目すると、事業者としては「決済機能の拡充」「与信方法の効率化」「オープンイノベーションによる新しいサービスの提供」など、利用者としては「家計管理の自動化・効率化」「決済や送金のコスト削減」「AIやIoTを活用した新サービスの利用」などのメリットがあります。FinTechが、金融や資産管理をより便利なものにしているのです。
テクノロジーの進化とともに、私たちの生活も日々変化しています。今後FinTech分野のさらなる発展によって、お金のあり方も変わっていくことでしょう。その時のために、未来の技術に乗り遅れないよう準備しておく必要があります。まずはFinTechに対する理解を深めつつ、日常でキャッシュレス決済を利用してみてはいかがでしょうか。体験することが、何よりの近道です。