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今後に起こることへの前兆

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米国企業、FRB、バイデン政権、投資家の見方から予想される今後の見通しについて

〔要旨〕

先行きに自信を強める米国企業:景気回復が続く中、米国企業の景況感は改善が続く見込み

増税議論の開始:ただし、年内の法案成立は困難と予想

米連邦準備理事会(FRB)は金融緩和姿勢を維持:FRBは金融緩和政策を維持し、経済成長の加速を容認

米国企業、FRB、バイデン政権、投資家の見方から予想される今後を考察
①企業の楽観的な景況感の見通しの継続、②FRBの金融緩和姿勢の維持—などのポジティブな要因がある一方で、③投資家のインフレ懸念の強まり、④米長期金利の上昇による株式市場の下落—などの懸念も存在

結論
金融緩和、財政刺激策、力強い世界景気の回復などを背景に、リスク資産の見通しは非常に明るいと考える

米国企業の楽観的な見通しの高まり

企業の楽観的な景況感の見通しは年を通して拡大が続くと見込む

米国企業は、米国の景気回復に強い自信を持っているようです。例えば、フィラデルフィア連邦準備銀行発表の3月の製造業景況指数は51.8と急速に上昇し、市場予想の23.3を大幅に上回りました 1 。おおむね7割の企業が先6カ月の景況感の改善を予想しており、これは前月の55%から大きく高まっています。景況感の悪化を予想する企業も8%存在していますが、前月の15%よりも低下しています 1 。経済情勢の改善が続く中、企業の楽観的な景況感の見通しは年を通して拡大が続くと考えます。

FRBは金融緩和姿勢を維持

FRBは予防的な金融引き締めを実施しないと予想される

前週、米連邦準備理事会(FRB)は、米国経済の見通しを上方修正し、失業予想を下方修正した一方で、将来的な政策金利水準の予想を示す「ドット・プロット」では大きな変化がなく、金融緩和姿勢が維持されることが明らかになりました。実際、FRBは「インフレ率は期間平均で2%を目指す」方針としていることから、予防的な金融引き締めは実施されないと予想されます。パウエルFRB議長は「われわれの政策枠組みの変更により、ほとんどの場合、予想に基づいて予防的に行動することはなく、実際のデータは静観される。」と述べました 2

投資家はインフレを懸念

人口動態とイノベーションを主要因に、長期的な物価上昇は抑制されるだろう

FRBが金融緩和姿勢の維持を明らかにしたことで、投資家はインフレへの懸念を再び強めました。米国の力強い景気回復とFRBの金融緩和の維持を考えると、投資家のインフレへの懸念は、年を通じて、時折、高まるものと考えます。ただし、経済活動の再開による支出の急増を背景に、一時的にインフレ率が上昇したとしても、主に人口動態とイノベーションという要因により、長期的な物価上昇は抑制されるでしょう。

米10年国債利回りの上昇がもたらす株式への逆風

金利の上昇による株価の下落は一時的なものと見込む

前週、インフレ懸念の高まりにより、米国債市場は売りが先行しました。利回りの上昇に加えて、前週金曜日、FRBは補完的レバレッジ比率(SLR)の適用除外措置を終了すると発表しました。これにより、米国の銀行がレバレッジ比率を計算する際、米国債と準備預金を除外できないことになり、銀行による国債の売却が予想されます。また、米10年国債利回りの上昇により、米国だけでなく欧州やアジアの株式市場も下落する場面が確認されました。このような状況は、年を通じて見られると考えますが、これは、株式市場が金利の上昇を消化するためのもので、金利の上昇による株価の下落は一時的なものと引き続き考えます。

増税議論の開始

前週、米国では増税の見通しが市場の注目を集めました。法人税の引き上げについては、引き続き議論がされています。また、バイデン政権は、年間所得が40万米ドルを上回る世帯への増税を検討していることを明らかにしましたが、これは、選挙戦におけるバイデン氏の「年間所得が40万米ドル未満の個人への増税を行わない」との提案と矛盾しているように思われます。そして、民主党のウォーレン議員は、超富裕層への増税を提案しました。2020年のパンデミックと深刻な景気後退により生じた問題を考えると、米国やさまざまな国においては増税を検討する必要性が高いと思います。ただし、バイデン政権が年内に増税法案を成立させることは難しいと私は考えています。

ボラティリティが高まるものの、その水準は2020年来の最高値よりも低い見込み

前週のVIX指数は、19日の朝には22を超える水準になるなど、上昇しました。ただし、2021年初(1月29日に33を超える)や2020年3月下旬(65をわずかに上回る)に確認された水準にはほど遠い状況です 3 。2021年もボラティリティの高まりが予想されますが、それは市場がイールドカーブのロングエンド(長期側)の利回り上昇を消化するための変動であり、変動の水準は上記に見られた昨年来の最高値を大きく下回ると予想しています。

私が「起こらない」と考えていること…

金融緩和、財政刺激策、そして力強い世界景気の回復への期待より、リスク資産の見通しは非常に明るい見込み

2021年に起こらないと考えていることの1つに、世界の株式、つまりMSCI世界株価指数の、前週見られたような下落基調の継続があります。2年目に入った株式市場の回復局面は、1年目の2020年よりも険しい道のりが予想され、価格の変動が大きくなる可能性があります。ただし、私は世界の株式は前年末を上回って年末を迎えると考えます。ワクチンが広範に行き渡れば、金融緩和、財政刺激策、そして力強い世界景気の回復への期待より、リスク資産の見通しは非常に明るいと考えられます。

最後に、先週、アトランタで、アジア系米国人をはじめとする女性8人が殺害されました。犠牲者のご冥福をお祈りいたします。

 

1.出所:フィラデルフィア連邦準備銀行、2021年3月18日。
2.出所:Bankrate.com、“Fed keeps rates near zero with bounce back from pandemic in sight”、2021年3月17日。
3.出所:ブルームバーグL.P.。

 

クリスティーナ フーパー
チーフ・グローバル・マーケット・ストラテジスト

 

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