大型連休というまとまった時間は、家計の無駄な支出をじっくりと見直す絶好の機会です。家計の見直しと聞くと、食費の節約など細かな努力を想像しがちですが、最も効果が高いのは「固定費」の削減です。
一度の手続きで効果が持続し、さらに削減できたお金をただ貯めるだけでなく「増える場所(投資)」へ移動させることで、数年後の資産額に劇的な差が生まれます。
そんな固定費の見直しを手軽にできるものから順に解説します。
サブスクの見直しは「水漏れ」を防ぐリスト化で対策
近年、無駄な支出になりがちなのがサブスクだと思います。一つのサブスクだけだと1ヶ月あたりの負担が数千円程度と小さいため、あまり気にならないかもしれませんが、積もり積もって大きな支出になっている可能性があります。
そのため、ご自身が加入されているものを常にしっかりとリスト化しておくことをお勧めします。特にクレジットカードで決済していると、まるで水漏れのように毎月お金が出ていくだけになってしまいます。
基本的に、家計の見直しで「上手に支出を抑えるコツ」は、自分が価値を感じていないことにお金を使わないことです。
例えば私の場合、欠かさず課金しているサブスクは音楽配信サービスのみです。ほぼ毎日音楽を聴いており、自分にとって欠かせないものだと思っているからです。
一方で、映像配信サービスについては契約と解約を繰り返しています。見たいシリーズを見終わったら、新しいコンテンツが追加されるまでしばらく時間がかかります。その期間は契約し続けておく理由がありません。
そのため、こうしたサービスにおいては「前もって解約手続きをしておく」のも一つの手段です。
一般的な映像系のサブスクは解約手続きをしても、その瞬間に見られなくなるわけではありません。次回の更新を停止する手続きのため、「見ていないのにお金だけ引き落としされる」という事態は防げます。
また見たくなった時に再契約すれば良いですし、映像配信系のサブスクは、手軽に再契約できるようになっていることが多く、手続きの煩雑さもありません。
とりあえず入っていたようなサブスクは、このような形でカードの自動更新を停止しておくだけでも、無駄遣いを防ぐことができます。
通信費は1500円以下に抑えることも可能
二つ目の固定費の見直しは、通信費です。
格安SIMの登場以来、通信費は大幅に削減できるものとなりました。上手に活用すれば、1ヶ月1,500円程度の通信費に抑えることも十分に可能です。
例えば通信費の見直しで多いケースが、それほどスマホで動画などを視聴しないのにかかわらず、大容量プランを選択しているケースです。
それを防ぐため、まずは自分がどれくらいの通信量を利用しているかを確認してください。その上で、それに見合ったプランを選択することで、通信費を上手に抑えることができます。
近年では、格安SIMでありながら店舗手続きができる会社もあるため、ネットの手続きが苦手な方でも乗り換えのハードルは低いです。
ネットで手続きができる方は、e-SIMなどであれば、アプリで手続きをすれば、その日中に切り替えることも可能です。
機種を変えたりする必要もなく、移行手続きは本当に簡単で、最も簡単に家計の見直しができる方法です。通信費を負担に感じている人は、ぜひやってみてください。
保険の必要性の「判断基準」を持つことが大切
最後の見直しは保険の見直しですね。保険の見直しは上の2つに比べると少し自分で判断するのが難しいため、ハードルは上がります。
ですので、今回は保険の「必要不必要の判断基準の原則」をお伝えします。
保険をシンプルに考えるなら、お金が必要になった時にどこから準備するか? だけの話です。現金で払えるなら保険はいらないですし、現金で払えないなら保険が必要になります。
つまり万が一の際、数千万円単位で支出が発生するような場合は、保険の必要性が高いということになります。例えば、火事や自動車事故、自転車事故などです。これは確率が低くても起きた時の経済的な問題に備えて保険に入っておく必要があります。
ここから考えれば、子供の将来の教育費を現時点で全額用意できている人以外は、死亡保険が必要になると考えられます。
働けないリスクも同じように考えられます。当然、日本では遺族年金制度や傷病手当金、高額療養費制度などの公的なサポートもあるため、これらで賄いきれない部分で考える必要があります。そのため、自分で判断することは通信費などに比べると難しいですが、一つの目安として知っておくと良いでしょう。
特に近年、FP仲間と話題に上がるのは、最近の若い人はインターネット上の「保険不要論」を鵜呑みにしすぎているということです。
子どもがいるのにもかかわらず死亡保険に入っていないなど、必要な保障が不足している人が増えているので、必要な保険は支出が増えても加入するようにしておくことをお勧めします。
見直しで削減できたお金を「増える場所」に移そう
固定費の見直しをすることによって、月1万円の削減ができれば、年間で12万円の無駄な支出を減らすことができます。その12万円を預金しているだけではほとんど増えませんが、仮に5%で運用することができた場合、30年間で運用残高は約832万円になります。
投資にはリスクがあるため、誰でも簡単に5%で増やせるわけではありませんが、無駄な支出を減らす行動をし、それを投資するだけで老後の資金準備に大きな助けとなる可能性があると思えば、家計の見直しをしようというモチベーションになるのではないでしょうか。
※本記事は投資に関わる基礎知識を解説することを目的としており、投資を推奨するものではありません。
※本稿は著者の見解に基づくものであり、Wealth Roadの運営会社の見解を示すものではありません。

著者:井上ヨウスケ
役者から転身した異色のファイナンシャルプランナー。演劇で培った「伝える力」を活かし、「誰よりもわかりやすく」をモットーにお金の知識を発信。27歳でFP資格を取得し、独立系FPとして講演や相談業務を展開。動画講座やYouTubeでも活動し、「どこでも働ける」を実現。投資や保険の知識に加え、価値観を軸にした柔軟なお金の使い方も提案する。現在は高知県在住。