春らしい陽気となってきましたね。公共交通機関にも、4月から新社会人という雰囲気の方が見受けられるのではないでしょうか。今回は、新社会人1年目の資産形成の考え方についてまとめます。
目次
過去の振り返り
私が投資を始めたのは、新卒の時からでした。当時からすれば、比較的早い段階で資産形成に踏み出しました。しかし、当時はデイトレードやFXなどのうねり取りが脚光を浴びており、投資といえばうねり取りだと思っていました。
2000年代当時は相場も良くなく、なかなか資産形成が進みませんでした。
今は、当時とは多くの面で異なります。
外的要因としては、投資環境の劇的な改善が挙げられます。恒久NISA制度、投資信託やETFの充実、信託報酬手数料や取引手数料などの各種投資コストの低減、米国株投資の特定口座化や外国税額控除の自動調整といった手続きの簡便化などです。
多くの面で、私が投資を始めた頃とは隔世の感がありますね。非常に投資が始めやすい環境が整っています。
また、インフレが常態化していますから、投資をしないと逆に資産が減るという状況になっています。これも大きな変化です。
内的要因としては、株式投資への理解、銘柄分析のポイント、自己の投資スタイルの確立など、投資に対する理解度とリスク許容度が醸成されてきました。
もし私が今の知識を持って新社会人になったら
私は2000年から投資を始め、2010年頃から米国株投資へと軸足を移しました。20数年かけて総資産は10億円を超えています。現在は、多数の投資関連書籍を出版したり、メディアを通じて情報発信を行ったりしています。
多くの失敗と成功を繰り返し、ようやく手に入れたのが今の知識です。
さて、内外の要因を踏まえつつ、もし私が新社会人として投資をするならば、どうするか。
今の知識で、かつ、今の時代であれば、米国株インデックスを軸にしつつ、「時間」という最大のリスク許容度を活かすために、限定的ながらレバレッジも使うと思います。同時に、かつてそうだったように個別銘柄も検討します。ただし、昨今はセクターの勝ち負けがはっきりしているので、セクターも踏まえつつの判断となります。
私が紆余曲折を経てようやく辿り着いた米国株投資に、新社会人から取り組めるのは大きなアドバンテージがありますね。たらればの世界ですが、私も最初から米国株を含む海外投資を始めていれば、今とはまた違った景色が広がっていたことでしょう。
また、レバレッジ運用も選択肢として検討します。投資は率と額の世界です。リターン率はどうしても限られます。そのため、いかに投資資金を多くするかが最大のカギとなります。新社会人はどうしても初期投資費用が限られます。
ただし、これはあくまで「今の私が、過去の失敗と成功の経験値をすべて持っているなら」という前提です。レバレッジ運用は非常にリスクが高く、仕組みを熟知した中上級者向けの手法です。投資経験の少ない新社会人の皆さんがまず検討すべきは、通常の投資であることを添えておきます。
少し話が逸れますが、実は世界三大投資家の一人ウォーレン・バフェット氏も自社の保険会社からの借り入れで資産を大きくした背景があります。保険料として徴収した資金は、実際の支払いがくるまで手元に保有できます。その資金を運用することで、利益を増やしていったのですね。それだけ、元手となる資金の確保は重要ということです。
なお、新社会人となると、あまり大きなお金はもっておらず、投資に回せる余裕資金が限られるということは、逆に言うと、仕事を頑張ることですぐに取り返せる程度の額になるということでもあります。損をすることを前提に投資するわけではないですが、若いからできる積極的な運用もあるかもしれません。重要なのはあくまでも余裕資金で運用することです。
実際、私は最初のうち、集中投資スタイルをとっていました。そのとき得た利益は、利益率でいえば人生最大のリターン率となっています。
もう一つの視点は、セクター投資です。昨今、セクターは勝ち負けがはっきりしています。米国でいえば、ハイテクとヘルスケアですかね。ただし、ヘルスケアは政策リスクもあり、手が出しにくいです。そのため、将来性があるハイテクに主軸を置いて、個別やセクターへの投資を視野に入れるでしょうね。
ただし、ハイテクもドットコムバブルのように大きく下がることもあるので、常に情報収集しながら分析していく必要があります。
このように、もしも私が今の知識を持って新社会人になったらどう投資を始めるかをまとめました。
かなり積極的にリスクをとる手法で、万人におすすめできるわけではありませんね。ただし、新社会人から余裕資金で投資を始めるという点においては、是非とも検討してほしいと思います。
新社会人1年目から始める資産形成の考え方
1.自助的資産形成が必須といえる時代
かつては、新卒で入った会社に定年まで勤めあげて、そこからは年金と貯蓄で生活するというのが王道とされていました。現在は複数の点において、そのストーリーが崩れています。
今は転職が当たり前の時代となってきました。自身の能力を最大限発揮できる場所で、収入を増やすための挑戦がしやすくなりましたね。そのような時には、やはり資産があると挑戦に踏み切りやすいでしょう。
年金については、年々厳しくなってきています。そもそも、年金だけで老後を過ごせるというものではありません。ご自身でしっかりと資産形成していき、安定した老後に向けて準備をすすめたいですね。
また、FIRE(早期リタイア)というライフスタイルも広まりました。私自身もFIREしていますし、手本となる先駆者が増えてきましたね。その多くの方は、投資を活用した資産形成を実践しています。
RE:早期退職とまではいかなくても、
FI:経済的自立をひとつの目安に投資を始めるのも良いでしょうね。
2.若さというアドバンテージがある
20年以上の投資期間があるならば、株式はかなりの確率でプラスリターンを得られます。長期的な投資を始めるならば、早ければ早いほど良いですね。複利効果をより多く得られるのも長期投資の利点です。
また、若いうちはやり直しがききやすいです。失敗しても額が限られ、十分な投資期間があるので取り返しが利きますね。これもまた若さならではのアドバンテージといえるでしょう。
3.投資環境が整っている
先ほど外的要因の中で触れた通り、現在は投資環境が大変恵まれています。NISAやiDeCoを軸に、少額からでも投資を始めやすい環境が整っていますね。投資が身近になったことで、始めやすいというのは大きな利点ですね。
まとめ
いつの時代においても、新社会人となって自分でお金を稼げるようになったらすぐに資産形成を始める、というのは理にかなっています。早い人は大学生や、場合によっては高校生から投資を始める人もいますね。
私が新卒の時の投資環境を鑑みると、今の新社会人の方は投資を始めやすい環境にあると同時に、自助的な資産形成を求められているとも言えますね。いずれにせよ、若ければ若いほど、早ければ早いほど、投資を始めるのに最適なタイミングといえるでしょう。
新社会人となって、これまでとは生活のリズムや人との付き合い方、収支の金額もガラッと変わることが少なくありません。変化はストレスでもありますが、より良い生活リズムを最初から習慣づける良いタイミングでもあります。
新社会人という新たな生活リズムのスタート時は、投資という資産形成の習慣を自然に取り入れやすいタイミングですね。お金の過度な使い方を抑制しつつ、上手なお金との付き合い方を学べる良いチャンスといえるでしょう。
とはいえ、若いうちは適度に使うことも重要です。消費と投資、ご自身にとってバランスよく付き合えるよう、新たな生活に取り入れながら調整していくのが良さそうですね。
※本記事は投資に関わる基礎知識を解説することを目的としており、投資を推奨するものではありません。
※本稿は著者の見解に基づくものであり、Wealth Roadの運営会社の見解を示すものではありません。

著者:たぱぞう(資産管理会社経営/投資顧問会社アドバイザー)
2000年より投資を始める。2010年以降、米国株投資を中心に行う。2016年自らの投資観をブログにて書き始める。投資に特化したブログとしては出色のPVを誇る。2017年から2025年春まで、某投資顧問業にてアドバイザーを務める。この間、日経マネー、日経ヴェリタス、ダイヤモンドZAI、ITmediaなどのメディアに複数回取り上げられる。「誰でもできる投資術」「誰でもわかる海外投資」をモットーに執筆中。「米国株を語る会」を開き、投資について語り合う場づくりをしている。