S&P500と連動するファンドに100万円を投資すると、10~30年後の資産額はどれくらいになるでしょうか。過去10年間の年平均成長率を想定して、実際の資産額をシミュレーションしました。資産効率を高めたい人に向けて、S&P500への投資効果を上げる方法についてもご紹介します。
目次
米国の調査会社であるMacrotrends LLCによると、過去10年間におけるS&P500の年平均成長率は16.44%です(2024年9月11日時点)。非常に高いパフォーマンスを過去10年間では出しています。過去このようにずっと良いパフォーマンスをだしていたわけではないので、逆に損をしてしまうことも十分あり得ますが、この成長率が変わらないケースを想定すると、100万円を投資して10年間保有した場合の資産額は533万4,874円になります。
参考:Macrotrends「S&P 500 Historical Annual Returns」
参考として、以下では保有期間を延ばした場合の資産額をまとめました。
※手数料や税金などのコストは含めない金額で、小数点以下は切り捨て。以下同様。
保有期間 | 資産額 |
---|---|
10年 | 533万4,874円 |
15年 | 1,141万9,186円 |
20年 | 2,444万2,528円 |
25年 | 5,231万8,720円 |
30年 | 1億1,198万7,126円 |
運用益にもリターンがつく複利運用の効果によって、保有期間を延ばすほど資産額の増え幅は大きくなっていきます。
S&P500は常に変動するため、実際は16.44%の成長率で運用できるとは限りません。ここからは成長率を複数のパターンに分けて、100万円を10~30年運用した場合の資産額をシミュレーションします。
年平均成長率3%で運用した場合の資産額は、以下の通りです。
保有期間 | 資産額 |
---|---|
10年 | 138万4,233円 |
15年 | 160万4,706円 |
20年 | 186万294円 |
25年 | 215万6,591円 |
30年 | 250万80円 |
次に、年平均成長率5%で運用した場合のシミュレーション結果をご紹介します。
保有期間 | 資産額 |
---|---|
10年 | 171万339円 |
15年 | 218万2,874円 |
20年 | 278万5,962円 |
25年 | 355万5,672円 |
30年 | 453万8,039円 |
年平均成長率7%で運用すると、資産額は以下のように変動します。
保有期間 | 資産額 |
---|---|
10年 | 210万4,851円 |
15年 | 295万2,163円 |
20年 | 414万562円 |
25年 | 580万7,352円 |
30年 | 814万5,112円 |
最後に、年平均成長率10%で運用した場合の結果をご紹介します。
保有期間 | 資産額 |
---|---|
10年 | 285万3,116円 |
15年 | 459万4,972円 |
20年 | 740万249円 |
25年 | 1,191万8,176円 |
30年 | 1,919万4,342円 |
S&P500に投資した場合の資産額は、実際の投資手法によって変わってきます。ここからは、投資効果を上げる2つの方法についてご紹介します。
なお、投資金額を増やすと期待リターンだけではなく、相場が下落したときの損失幅も拡大します。リターンを求めるほどリスクも上がるため、実際の投資判断は慎重に行ってください。
期待できるリターンは投資金額に比例するため、当初の100万円に加えて積立投資を続けると、S&P500への投資効果を上げられます。仮に年平均成長率が下がっても、プラスで推移しているうちは大きなリターンを期待できるかもしれません。
また、長期の積立投資で購入金額と購入頻度を一定に保つと、金融商品の平均購入単価を平準化させる効果もあります。相場状況によっては損失幅を抑えられるため、資金に余裕がある人は毎月の積立投資を検討してみましょう。
決算時に普通分配金が支払われる場合は、そのまま受けとるよりも再投資に回したほうが資産効率は上がる可能性があります。得られたリターンを再投資に回すと、利益が利益を生む「複利運用」の状態をつくれるためです。
S&P500の構成銘柄に投資をするファンドのなかにも、再投資型のファンドはいくつか見られます。投資効果を高めたい人は、分配金の仕組みまで確認しておきましょう。
2024年9月11日時点の年平均成長率を想定すると、S&P500に100万円を投資した場合の10年後の資産は533万4,874円になります。ただし、冒頭にも述べたように、常にプラスの運用成果を出しているわけではなく、S&P500は常に変動しているため、シミュレーションの通りに資産が増えるとは限りません。
かえって資産を減らしてしまう可能性もあるので、投資を検討している場合は、投資する際の相場状況をこまめに確認したうえで運用計画を考えましょう。
※本記事は投資信託に関わる基礎知識を解説することを目的としており、特定ファンドの売買や投資を推奨するものではありません。
※過去の実績は将来の運用成果等を保証するものではありません。