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新NISAで200万円の一括投資は有利?積立投資との違いと注意点を解説
(画像=wladimir1804/stock.adobe.com)

新NISAで200万円の一括投資は有利?積立投資との違いと注意点を解説

新NISAで手持ちの余剰資金200万円を投資信託で運用する場合、一括投資と積立投資はどちらが有利になるのでしょうか。本記事ではそれぞれのメリット・デメリットを比較しながら、一括投資が有利になる局面をまとめました。

新NISAで200万円の一括投資が有利になる局面・積立投資が有利になる局面

国内のシンクタンク「ニッセイ基礎研究所」は、2000年から2023年11月までのデータをもとに、毎年1月に一括投資を行うのと、毎月の積立投資のどちらが有利だったのかを調査しています。本レポート(※)では、「TOPIX」「S&P500」「MSCI-ACWI」の配当込み指数を投資対象とした場合に、毎月1月の一括投資のほうが有利だったという結果が示されました。

(※)参考:ニッセイ基礎研究所「新NISA、「毎月投資」か「1月一括投資」か 基礎研REPORT(冊子版)2月号[vol.323]

ただし、1年単位では積立投資が有利な時期もあるので、必ずしも一括投資が優れているわけではありません。ここからは、一括投資が有利になると考えられる局面を解説します。

株式市場が上昇基調にある場合

株式市場が上昇基調にある局面では、個別株式に一括投資をすると有利になる可能性があります。資産構成の大部分が株式である投資信託も、ポートフォリオに組み込まれている銘柄の株価に大きな影響を受けて基準価額が上昇する可能性があります。

ただし、株式市場全体が上昇基調でも、購入したファンドが値上がりするとは限りません。個別株式や投資信託の価格は、金利や為替の動向、企業の業績によっても変わるため、購入前には様々な情報を分析することが重要です。

次に、一括投資よりも積立投資のほうが有利になると考えられる局面を解説します。

株式市場が下落基調にある場合

「ニッセイ基礎研究所」の同レポートを確認すると、2002年と2008年の2回(年)だけが毎月の積立投資が毎年1月の一括購入よりもよい結果を出しています。これはこのふたつの年がITバブルの崩壊やリーマンショックなどの下落相場に見舞われたため、年初よりも株価が下がったことが原因です。

このような株価に悪影響を与える出来事があったとしても、必ず年初の一括購入が不利になる訳ではありません。2020年前半で起きたコロナショックでは大幅な下落が発生してからすぐに回復し始め、2020年後半は上昇基調が続きました。

株価を下落させそうな悪材料が出たとしても反射的に取引を行わず、現状の経済や相場の分析を行なってから取引の判断を下すことが重要です。

新NISAの一括投資と積立投資はどちらがよいのか

一括投資と積立投資は、いずれかが優れているわけではありません。相場状況によって向いている手法は変わるため、それぞれのメリット・デメリットを理解し、相場に合わせた運用を検討することが大切です。

<一括投資のメリット>
・積立投資と比べて短期間で大きなリターンになる可能性がある
・上昇局面にあるときは積立投資よりも有利
・目標となる基準価額がわかりやすい

<一括投資のデメリット>
・積立投資と比べて短期間で大きな損失を抱えるリスクがある
・すぐに手もとに残る投資資金(現金)が減る

<積立投資のメリット>
・損失のリスクを分散できる
・手もとに投資資金(現金)を残せる
・相場状況を見ながら柔軟に計画を調整できる

<積立投資のデメリット>
・上昇局面では一括投資と比べて不利になる
・資金管理や目標設定が複雑になりやすい

上記のメリット・デメリットを見比べて、ご自身や相場状況に合った手法を選びましょう。

新NISAで200万円を一括投資するときの注意点

ここからは、新NISAで200万円を一括投資するときの注意点をご紹介します。

6年間で成長投資枠の総枠に達する

成長投資枠には、1,200万円の総枠(非課税保有限度額)があります。仮に毎年200万円分のファンドで一括投資を行うと、6年目には総枠が埋まるため、売却するまでは新たな金融商品を購入できません。投資機会はいつ訪れるのかわからないので、総枠が埋まりそうになったら手放すファンドの目星をつけておきましょう。

下落したときの損失が積立投資と比べて大きくなる

200万円を一括投資すると、積立投資と比べて基準価額が下落したときの損失が大きくなる可能性があります。

たとえば、購入したファンドの基準価額が1ヵ月で10%下落したとしましょう。200万円を一括投資した場合は、この時点で20万円の損失(200万円×10%)を抱えることになります。一方で、毎月16万円ずつを投資する場合では、損失額を1.6万円(16万円×10%)に抑えられます。

売り時を逃すと含み益が損失に変わることもある

株式相場の上昇局面がいつ下落局面に変わるのかは、誰にもわかりません。

堅実なリターンを期待する場合は、あらかじめ現実的な目標を立てておき、適切な売り時を設定することが重要です。相場によっては長期保有が適切とは限らないので、相場状況に合わせて利益確定と損切りを行う基準価額を設定しておきましょう。

一括投資を行う前に相場状況やファンドを分析しよう

新NISAで投資できるファンドの中には、相場状況によっては200万円の一括投資が有利になるものもあります。将来の値動きは誰にもわからないため、今後は積立投資のほうが有利な運用方法になる可能性があります。近年の相場状況やファンドを分析した上で、慎重に運用計画を立てましょう。

※過去の実績は将来の運用成果等を保証するものではありません。
※本記事は、2024年5月28日現在のものです。今後制度が変更になる場合もあります。

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