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資産5億円・10億円で何年暮らせる?シミュレーション結果を紹介
(画像=sinthi/stock.adobe.com)

資産5億円・10億円で何年暮らせる?生活水準別シミュレーション

資産が5億円または10億円あれば、運用益を活用することで資産寿命を延ばし、数十年から100年以上の生活維持が可能です。本記事では、単身世帯と2人以上世帯、それぞれの生活水準(平均・余裕・裕福)に合わせて、資産が尽きるまでの年数を具体的にシミュレーションしました。早期退職(FIRE)や相続を検討する際の指標としてお役立てください。

資産5億円では約52年、10億円では約104年の裕福な暮らしが可能

裕福な生活水準の2人以上世帯を想定すると、資産5億円では約52年、資産10億円では約104年ほど暮らせます。

資産の取り崩しのみで生活する場合、各資産額と生活水準ごとの維持可能年数は以下の通りです。

<資産枯渇までの年数シミュレーション結果>

平均的な水準の生活 余裕のある生活 裕福な生活
単身世帯
(資産5億円)
245年 154.3年 77.1年
2人以上世帯
(資産5億円)
138.8年 104.1年 52年
単身世帯
(資産10億円)
490.1年 308.6年 154.3年
2人以上世帯
(資産10億円)
277.7年 208.3年 104.1年

月額生活費を100万円と仮定した場合でも、資産5億円なら約41年、10億円なら約83年生活できます。極端な浪費を避け、計画的な支出管理を行えば、生涯にわたり安定した経済基盤を維持可能です。

なお、実際の資産寿命は居住地域やインフレ率、運用利回りによって変動するため、個別の条件に合わせた試算が重要です。

日本における資産5億円以上の「超富裕層」の割合は約0.217%

野村総合研究所の資料によると、2023年時点で5億円以上の純金融資産がある日本国内の超富裕層は約11.8万世帯です。

時期 超富裕層の世帯数 超富裕層の世帯割合
2005年 5.2万世帯 約0.106%
2011年 5.0万世帯 約0.099%
2015年 7.3万世帯 約0.137%
2021年 9.0万世帯 約0.166%
2023年 11.8万世帯 約0.217%

(参考:野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は165万世帯、その純金融資産総額は469兆円と推計 」

超富裕層の世帯数は2005年と比較して増加傾向にありますが、依然として希少な存在です。日本の全世帯の7割以上は、純金融資産3,000万円未満の「マス層」に分類されます。

資産5億円で何年暮らせるのかをシミュレーション

資産5億円を一切運用せずに取り崩した場合、最も支出の多い「裕福な生活」でも50年以上の維持が可能です。シミュレーションの前提となる生活費は、総務省統計局「家計調査(2024年年)」のデータを基準に設定しました。

<単身世帯の生活費>

消費支出の内訳 1ヵ月あたりの支出額
食料 4万3,941円
住居 2万3,372円
光熱・水道 1万2,816円
家具・家事用品 5,822円
被服及び履物 4,881円
保健医療 8,394円
交通・通信 2万418円
教育 9円
教養娯楽 1万9,519円
その他の消費支出 3万375円
合計金額 16万9,547円

(参考:e-Stat「家計調査 家計収支編 単身世帯」)

<2人以上世帯の生活費>

消費支出の内訳 1ヵ月あたりの支出額
食料 8万5,040円
住居 1万8,074円
光熱・水道 2万3,110円
家具・家事用品 1万2,615円
被服及び履物 9,609円
保健医療 1万5,276円
交通・通信 4万1,588円
教育 1万1,703円
教養娯楽 2万9,098円
その他の消費支出 5万4,130円
合計金額 30万243円

(参考:e-Stat「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯」

本記事では以下のパターンに分けてシミュレーションを行います。

<生活費の基準データ(月額)>
・単身世帯の平均支出: 16万9,547円(住居費・教養娯楽費等含む)
・2人以上世帯の平均支出: 30万243円(教育費・交通通信費等含む)

<本記事における生活水準の定義>
・平均的な水準の生活: 家計調査の平均支出と同額
・余裕のある生活: 平均支出 + 月10万円
・裕福な生活: 余裕のある生活 × 2倍

単身世帯の場合:裕福な生活でも約77年維持可能

単身世帯における資産寿命の試算結果は以下の通りです。

計算式:5億円 ÷(月額生活費 × 12ヵ月)

・平均的な水準の生活(月約17万円): 245年
・余裕のある生活(月約27万円): 154.3年
・裕福な生活(月約54万円): 77.1年

月50万円以上の裕福な生活を続けても80年近く資金が続くため、生涯にわたり資金枯渇の懸念はほぼありません。

2人以上世帯の場合:裕福な生活で約52年維持可能

2人以上世帯における資産寿命の試算結果は以下の通りです。

計算式:5億円 ÷(月額生活費 × 12ヵ月)

・平均的な水準の生活(月約30万円): 138.8年
・余裕のある生活(月約40万円): 104.1年
・裕福な生活(月約80万円): 52年

月約80万円の裕福な生活水準であっても52年維持できます。30〜40代で資産5億円を築くことができれば、その後の人生を労働収入なしで全うすることも計算上可能です。

資産10億円で何年暮らせるのかをシミュレーション

10億円の資産で裕福な生活を送る場合、単身世帯では約154年、2人以上世帯では約104年暮らせます。インフレ等の外部要因を除けば、世代を超えて資産を継承できる水準となります。以下に詳細な年数を算出します。

単身世帯の場合:裕福な生活でも約154年維持可能

単身世帯における資産寿命の試算結果は以下の通りです。

計算式:10億円 ÷(月額生活費 × 12ヵ月)

・平均的な水準の生活(月約17万円): 490.1年
・余裕のある生活(月約27万円): 308.6年
・裕福な生活(月約54万円): 154.3年

単身世帯については、裕福な生活でも150年以上暮らせる結果になりました。仮に毎月の生活費を100万円としても、約80年は安定した生活を送れます。

2人以上世帯の場合:裕福な生活でも約104年維持可能

2人以上世帯における資産寿命の試算結果は以下の通りです。

計算式:10億円 ÷(月額生活費 × 12ヵ月)

・平均的な水準の生活(月約30万円): 277.7年
・余裕のある生活(月約40万円): 208.3年
・裕福な生活(月約80万円): 104.1年

資産10億円があれば、2人以上の世帯で最高水準の生活を送っても100年以上資金が続きます。平均的な生活水準であれば、孫やひ孫の代まで資産を残すことも現実的な選択肢となります。

資産5億円~10億円での配当金生活・利息生活の可能性

元本を取り崩さず、運用益(インカムゲイン)のみで生活する「完全なFIRE」が可能かどうかを検証します。

配当金生活(株式投資)のシミュレーション

東証プライム市場の平均的な配当利回りを年2.25%(※2025年11月時点実績)と仮定し、年間リターンと生活費の収支を計算します。

<年間期待リターン(税引前)>
・資産5億円 × 2.25%: 1,125万円
・資産10億円 × 2.25%: 2,250万円

<生活費を差し引いた年間収支(裕福な生活の場合)>
・単身世帯(生活費 年約648万円)
資産5億円運用時:プラス約477万円
資産10億円運用時:プラス約1,602万円

・2人以上世帯(生活費 年約960万円):
資産5億円運用時:プラス約165万円
資産10億円運用時:プラス約1,290万円

資産5億円を年利2.25%で運用できれば、2人以上世帯で裕福な生活(月約80万円支出)を送っても、年間160万円以上の余剰資金が生まれます。

ただし、株式投資には価格変動リスクや減配リスクがあるため、分散投資によるリスク管理が不可欠です。

利息生活(預金)のシミュレーション

2024年の金利ある世界への転換以降、大手銀行の普通預金金利は年0.2%前後(※2024年〜2025年時点の目安)まで上昇傾向にあります。この金利水準で資産を預けた場合のリターンを試算します。

<期待リターンの計算式> 預入金額 × 金利(年0.20%)= 1年間で期待できるリターン

<期待リターンの計算>
資産5億円の場合:5億円 × 0.20% = 100万円(ひと月あたり約8.3万円)
資産10億円の場合:10億円 × 0.20% = 200万円(ひと月あたり約16.6万円)

資産10億円を金利0.2%で運用すると、年間200万円(月額約16.6万円)の利息がつきます。これは「単身世帯の平均的な生活費(約16.2万円)」とほぼ同額です。ただし、利息には約20%の税金がかかるため、実際の手取り額は月13万円程度となります。

金利上昇により預金だけで生活できる可能性は高まりましたが、依然として余裕のある生活や2人以上世帯での生活を賄うには不十分と言えるでしょう。

最低限の生活に必要な資産額の算出

資産5億円・10億円は「超富裕層」の領域ですが、一般的な「最低限の生活」を維持するために必要な資産額はどの程度なのでしょうか。30歳から平均寿命まで、労働収入なしで生活する場合の不足額を算出します。

<シミュレーション条件>
生活費:平均支出額 - 月3万円(節約生活を想定)
年金受給:65歳から平均額を受給 ※厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」における、老齢厚生年金(基礎年金含む)の全体平均月額 14万6,429円を使用。
計算式:(平均寿命までの生活費総額)-(受給年金総額)= 必要な資産額

単身世帯の必要資産額

【男性の場合:30歳~81歳】
・将来の支出総額:約8,063万円
・受給年金総額:約2,811万円 (受給期間16年:65歳~81歳)
・必要な資産額:約5,252万円

【女性の場合:30歳~87歳】
・将来の支出総額:約9,011万円
・受給年金総額:約3,866万円 (受給期間22年:65歳~87歳)
・必要な資産額:約5,145万円

2人以上世帯(夫婦)の必要資産額

【夫婦2人:30歳~84歳】
・将来の支出総額:約1億6,904万円
・受給年金総額:約6,677万円 (受給期間19年:夫婦2人分)
・必要な資産額:約1億227万円

この試算から、完全リタイアには単身で約5,200万円、夫婦で約1億円の資産形成が必要であることが分かります。年金受給額の増加により必要資産額はわずかに減少しましたが、依然として億単位に近い資金が必要です。

5億円~10億円の資産を有効活用する5つの運用方法

超富裕層に適した代表的な5つの資産運用手法について、その特徴とメリットを解説します。

【1】株式投資

企業が発行する株式を購入し、値上がり益(キャピタルゲイン)や配当金(インカムゲイン)を得る方法です。

・配当金:企業の利益の一部が還元される仕組み。高配当株への投資で定期収入を確保できます。
・株主優待:自社製品やサービス券などが還元される制度。生活費の節約にも繋がります。
・注意点:株価変動リスクがあるため、銘柄分散が必須です。

【2】債券投資

国や企業にお金を貸し出し、利子を受け取る方法です。

・特徴:満期まで保有すれば原則として元本が戻り、定期的に利子が支払われます。
・メリット:株式と比較して値動きが小さく、安全性が高い運用が可能です。個人向け国債などは最低金利保証もあります。
・注意点:発行体の破綻(デフォルト)リスクや、途中解約時の元本割れリスクを確認する必要があります。

【3】インデックスファンド

日経平均株価やS&P500などの市場指数に連動する成果を目指す投資信託です。

・特徴:1つの商品で市場全体に分散投資ができ、運用コスト(信託報酬)が低い傾向にあります。
・メリット:長期保有による複利効果が期待でき、資産形成の王道とされています。
・注意点:市場全体が下落する局面では資産が減少します。

【4】ヘッジファンド

富裕層や機関投資家から資金を集め、絶対収益(相場環境に関わらず利益を出すこと)を追求するファンドです。

・特徴:一般に公募されず、私募形式で募集されます。最低投資額が高額(数千万円~)なケースが一般的です。
・メリット:下落相場でも利益を狙える手法を用いるため、資産保全の役割を果たします。
・注意点:手数料が高額な場合や、情報の透明性が低い場合があります。

【5】REIT(リート)

投資家から集めた資金で不動産(オフィス、住宅、商業施設等)を運用し、賃料収入などを分配する方法です。

・特徴:実物不動産を持つよりも少額から投資でき、管理の手間が不要です。
・メリット: インフレに強く、比較的高い分配金利回りが期待できます。
・注意点:金利上昇や不動産市況の悪化が価格下落要因となります。

まとめ:資産5億円あれば運用なしでも50年以上の裕福な生活が可能

本記事では、資産5億円・10億円で何年暮らせるかをシミュレーションしました。

・資産5億円:2人以上世帯で裕福な生活をしても約52年維持可能。
・資産10億円:同条件で約104年維持可能。
・配当金生活:年利2.25%で運用できれば、資産を減らさずに生活費を賄える。
・最低必要資産:平均的なリタイア生活には5,000万円~1億円が必要。

資産5億円以上があれば、取り崩しのみでも一生涯の生活不安はほぼ解消されます。しかし、インフレリスクや将来の不測の事態に備えるには、資産を守りながら増やす「守りの運用」も検討すべきです。まずはご自身の理想とするライフプランを明確にし、専門家への相談も含めた資産管理計画を立ててみてはいかがでしょうか。

※本記事は資産運用に関わる基礎知識を解説することを目的としており、資産運用を推奨するものではありません。また、過去の実績は将来の運用成果等を保証するものではありません。

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