2025年は資産を大きく増やした方も多いのではないでしょうか。今一度、概論的に相場がどのようなものだったか振り返ってみたいと思います。
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連邦準備制度(FRB)の利下げサイクルが2025年経済の注目の的
コロナ禍で上げ続けた利上げがいつまで続くのかというのは、ここ数年の関心事でした。2024年から利下げに転じ、その後も下げる下げると言われながらも、なかなか下げませんでしたね。2025年9月になって、ようやく利下げが再開されました。3%台を示す消費者物価指数(CPI)やPCEデフレータが引っかかるところですが、経済指標、特に雇用の鈍化が利下げを後押ししました。
非農業部門の雇用者数の低迷が目立ちます。6月の雇用者数に修正が入り、2020年12月以来の減少に転じたことが話題となりました。なお、失業率は4%台前半で推移しています。
貿易政策・関税と地政学リスクの実経済・物価への波及
トランプ政権の関税政策や米中交渉の動向がたびたび相場に影響を与えました。
TACOという言葉も生まれました。トランプ氏による強気の関税政策が発表されたのち、政策が延期や軟化することをさす言葉ですね。
実際のところ、関税政策はサプライチェーン・物価・企業利益見通しに直接作用しますね。関税の話題が出るたびに、投資家心理の振れ幅を増やしました。政治由来のマーケットの動揺は読みにくいですが、4月は思い切ってリスクを取りに行った投資家が吉と出ました。2025年は4月の下落を取りいけたかどうかで成績が大きく変わりましたね。
AIブームと大型テックの業績が市場を牽引
2025年のマーケットは、振り返れば高値更新を連発する相場でした。その相場のけん引役となったのはなんといってもAIブームでしょう。
AI関連は、「インフラ(チップ/製造装置/メモリ)」「クラウド/サービス」「アプリケーション/プラットフォーム」といった3つの層で資金が流れたイメージです。
インフラ系はNVDA、TSMC、ASML、クラウド系はMSFT、GOOG、AMZN、応用系はMETA、SNOWなどの企業が目立ちました。
特に目を引くのはNVIDIAです。史上初の時価総額5兆ドル突破が話題となりました。AI向けGPUの事実上の標準・データセンター需要の急拡大で時価総額上昇を牽引しましたね。
決算も好調でした。S&P500のおよそ80%程度が予想EPSを上回る決算でしたね。実体を伴う上昇相場ということが確認できました。NASDAQやNYダウ平均も好調でした。
この15年ほど大型テックと半導体が牽引する相場です。この流れは調整を挟みながら続くことでしょう。とはいえ、半導体は需給の波がとりわけ大きいですから、それを見込んで投資したいところです。
日本国内の動き
日本国内では、金利の正常化(=利上げ)、新政権誕生、日経平均50000円突破といった動きがありました。特に、金利の正常化は為替に大きく影響しましたね。
ドル円は、年初は157円台で始まりました。日銀の態度転換や春先のリスク要因が重なり、円が強くなりましたね。一時は139円台まで円高が進みました。その後は利回り差や積極財政への期待で再び円安に振れました。与党リーダー選などが要因となり、年後半にかけて150円を超える展開となりましたね。
米国株投資家にとっては、為替は資産の大きな変動要因となるでしょう。ただ、コツコツと投資を続ける場合にはさほど気にする必要はないというのが持論です。このぐらいの値動きがあるものだと受け止めておくぐらいで良いでしょう。
金は記録的な高騰
2025年は金の年でもあったと言っても過言ではないでしょう。1オンスおよそ2600ドルで始まったドルは、一時は4000ドルを超える上昇を見せました。
要因としては、利下げ期待、ドル安、地政学リスク、インフレヘッジ、中央銀行の買いやETFへの資金流入などがあります。
ドル円は円安ドル高傾向でしたが、世界的にはドルインデックスはドル安傾向の年でしたね。複数の要因が重なって、歴史的な金の上昇相場を形成しました。
実需に追いつかないことから、1340など現物を裏付けとするタイプのETFは買付が追い付かず、指数との乖離が開くといった課題も浮き彫りになりましたね。
暗号資産は株価と連動して上昇
BTCやETHなどの暗号資産は高値更新の場面がありつつも、全体としてはボラが大きい相場でした。2025年2月にはBybitで大量のハッキングが行われるなど、不安を与えるニュースが散見されました。一方で2025年7月には米国でステーブルコイン法案が可決されたことは暗号資産のトレードにはポジティブな話題でしたね。
暗号資産は株式指数と連動することがしばしばあります。2025年のように、リスクオン、利下げ期待、インフレなど、共通のマクロ要因が大きく働くような相場では、特に両者の相関的な値動きが見られますね。
株式よりさらに大きな値動きを示すのがBTCで、さらにそれを大きくしたものがETH、昨今はそのような相関です。
2025年の相場から得られた教訓と実践的示唆
2025年は、金融政策の転換+AIブームが株式を牽引しつつ、地政学・貿易リスクや規制の変化が金や暗号資産の需給に大きく影響した年でした。インフレに負けないよう、多くのリスク資産が買われた相場でしたね。
私は、長期的にはこの流れは変わらないと見ています。すなわち、所得で得た安全資産をせっせとリスク資産に置き換えていくのが吉ということです。
4月の下落相場は、特に投資未経験の方や投資を始めて間もない方には不安を覚えたことでしょう。このような相場でも、動揺することなく投資を続けられることが大事ですね。もし不安になってしまう場合には、リスク資産の理解を深めたり、長期的な目線を意識しなおすことです。
場合によっては、リスク資産の比率を調整しても良いかもしれません。また、くれぐれも投資は余裕資金で行うか、自分が持ちこたえらえる金額に絞るように心がけましょう。
ショック時の資金ポジションを確保しつつ、このような機会に一気にインするというやり方もありますね。私はリーマンショック以後は常に調整時には買い増しています。
いずれにせよ、自分なりに腹落ちする投資指針を確立し、生活防衛資金を確保しつつ、インフレに負けないようリスク資産を増やしていくというのが大事だということが示唆される1年でした。
2026年、皆さんも自分の投資ルールをしっかりと決めて、共に頑張りましょう。
※本記事は投資に関わる基礎知識を解説することを目的としており、投資を推奨するものではありません。
※本稿は著者の見解に基づくものであり、Wealth Roadの運営会社の見解を示すものではありません。

著者:たぱぞう(資産管理会社経営/投資顧問会社アドバイザー)
2000年より投資を始める。2010年以降、米国株投資を中心に行う。2016年自らの投資観をブログにて書き始める。投資に特化したブログとしては出色のPVを誇る。2017年から2025年春まで、某投資顧問業にてアドバイザーを務める。この間、日経マネー、日経ヴェリタス、ダイヤモンドZAI、ITmediaなどのメディアに複数回取り上げられる。「誰でもできる投資術」「誰でもわかる海外投資」をモットーに執筆中。「米国株を語る会」を開き、投資について語り合う場づくりをしている。