『マンガと図解でよくわかる つみたてNISA&iDeCo&ふるさと納税 ゼロからはじめる投資と節税入門』より一部抜粋
(本記事は、酒井 富士子氏の著書『マンガと図解でよくわかる つみたてNISA&iDeCo&ふるさと納税 ゼロからはじめる投資と節税入門』=インプレス 、2021年10月20日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)
目次
寄付したお金ってどうやって戻る?いつの間にか住民税が軽減される?
所得税は還付、住民税は6月から軽減
ふるさと納税の最大のメリットは、税金控除です。つまり、寄付金額に応じて税金が戻ってくるということ。上限はありますが、寄付した額から2000円を超える部分について、所得税と住民税の控除が受けられます。
具体的な例を挙げて説明しましょう。年収700万円のAさん(妻は専業主婦)が10万円の寄付をした場合です(円グラフ参照)。Aさんの所得税率は10%なので、まず9800円が所得税から還付されます。
次に住民税に関しては、「基本分」と「特例分」の2本立てが控除されます。基本分は、寄付金から2000円を差し引いた額に本人の住民税率(10%)を掛けた金額9800円です。さらに特例分として、10万円から自己負担額2000円、所得税分9800円と住民税基本分9800円を差し引いた残額7万8400円が戻ってきます。つまりふるさと納税をすると所得税の軽減、住民税の基本分と特例分の軽減の3種類の控除が受けられるので、10万円寄付した場合は、9800円+9800円+7万8400円=合計9万8000円が戻ります。
所得税の還付金は確定申告することで早くて4月頃に所定の銀行口座に入金され、住民税は6月天引き分からふるさと納税分が12カ月に分割されて軽減されます。例年より住民税が少なくなったと節税を実感できるのは6月以降です。
税金の軽減方法は確定申告とワンストップ特例の2種類から選ぶ
寄付先の数によって手続き方法が変わる
ふるさと納税をするだけでは、税金は戻ってきません。税金の控除を受けるには、原則、確定申告をする必要があります。
自治体へ寄付の申し込みが完了すると、寄付先の自治体から返礼品とは別に、寄付をしたことを証明する「寄付金受領証明書」が郵送で届きます。
送付時期は自治体により異なりますが、多くの場合申し込み完了日から2カ月程度で送られてきます。複数の自治体にした場合はすべてとっておいて、翌年3月15日までに、住民税の所轄の税務署に確定申告をします。
具体的な確定申告の方法については、154ページで紹介しますが、確定申告の際にはこの寄付金受領書と、年末〜1月に会社から受け取る源泉徴収票を基に確定申告書を記入して提出します。
またもう1つの手続き方法として、寄付先が5カ所以内であれば、確定申告をしなくても税金が戻る「ワンストップ特例」という制度を利用できます。
用語解説 |
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源泉徴収票▼ その年に会社から支払われた給与、賞与などの合計と、そこから差し引かれた所得税の金額が記載されたもの。勤め先から年末〜1月に配布される。 |
<著者プロフィール>
酒井 富士子
経済ジャーナリスト、金融メディア専門の編集プロダクション・株式会社回遊舎 代表取締役。日経ホーム出版社(現日経BP社)にて「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長を歴任。リクルートの「赤すぐ」副編集長を経て、2003年から現職。「お金のことを誰よりもわかりやすく発信」をモットーに、暮らしに役立つ最新情報を解説する。
『マンガと図解でよくわかる つみたてNISA&iDeCo&ふるさと納税 ゼロからはじめる投資と節税入門』