「原子力電池」や「水素エンジン」、「ペロブスカイト太陽電池」、そして「環境に優しい電池」の最新動向に関する記事をご紹介します。これらの技術は、持続可能なエネルギー社会の実現に向けた重要なテクノロジーです。それぞれの技術が抱える課題と将来の展望について詳しく解説されている記事をピックアップしました。未来のエネルギー事情に関心がある方はぜひご一読ください。
目次
2024年5月4日 投資の未来
クリーンエネルギーの進歩に大きく貢献する技術として、原子力電池(Nuclear Battery)への関心が高まっています。最近は中国スタートアップが開発中の超小型原子力電池が実用化秒読みに入っており、「充電しなくても50年間継続してスマホを使用出来るようになる」などと期待されています。
核電池や放射性同位体熱発電機(Radioisotope Thermoelectric Generator :RTG)とも呼ばれる原子力電池は、放射線物質が自然崩壊した時に得られる熱などを電気エネルギーに変換する技術を活用した装置です。エネルギー密度が高くメンテナンス不要、天候や環境に左右されることなく長期間に渡り安定した電力を供給できるなど、様々なメリットがあります。
一方で、化石燃料を使用せず、発電時にCO2を排出しないため、環境負担が少ないエネルギー源として期待されています。原子力発電のように、原子炉を使用して高温高圧の蒸気でタービンを回転させる必要もありません。
2023年9月4日 投資の未来
世界がよりクリーンで持続可能なエネルギー源を模索する中、化石燃料の代替として水素が注目を浴びています。特に大量の温室効果ガスを排出する輸送分野においては、水素燃料電池に続き、水素エンジンの開発が加速しています。本記事では、最新の開発動向と課題、将来性について考察します。
現在市販化が進んでいる水素自動車は、水素燃料電池を搭載した電気自動車です。水素燃料電池は燃料電池内で水素と酸素を化学反応させて電気を生成し、その電気でモーターを稼働させる仕組みになっています。
それに対して水素エンジンは、軽油やガソリンの代わりに水素と酸素の燃焼反応を利用してエネルギーを生成して動力源とします。従来のエンジンの内燃機関を応用しているため、水素内燃エンジンとも呼ばれています。
両者に共通する特長は、「化石燃料と比べると走行中の環境負担が少ない」「エネルギー資源の枯渇の心配がない」という点です。水素エンジンには、短時間で供給できるという利点もあります。
また、エンジンに高負荷がかかっているときに効率が高くなる傾向があることから、重い物を多く積む大型トラック用としても水素エンジンの開発が進んでいます。高純度の水素を必要とする水素燃料電池車とは異なり、純度の低い水素も使用できるため、コスパが良いことも特長です。
2023年11月13日 お金の使い方
太陽光パネルの新たな材料として、近年ではペロブスカイトが注目されています。ペロブスカイト太陽電池は日本発の技術ですが、すでに欧米や中国なども研究開発を加速させています。どのような将来が予測されるのか、ペロブスカイト太陽電池の市場規模や成長率などを紹介します。
海外の調査会社「Astute Analytica」が2023年2月に公表したレポート(※)によると、世界のペロブスカイト太陽電池市場は、2023年から2031年にかけて年平均30.4%で成長する見込みです。2022年時点での市場規模は5億6,330万ドル(約839億円)ですが、2031年には60億ドル(約8,940億円)以上になることが予測されています。
(※)Astute Analytica「ペロブスカイト太陽電池市場 – 2031年までの産業ダイナミクス、市場規模、市場機会予測」
ペロブスカイトは、低コストかつ軽量な点が注目されている太陽電池の材料です。従来の材料と比べて用途の柔軟性があり、高いエネルギー変換効率も実現しやすいことから、現在では世界的に研究開発が進められています。
2021年2月10日 投資の未来
近年、リチウムイオン電池を始めとする「環境に優しい電池」の開発・採用が加速しています。しかし、電気自動車(EV)の普及に伴うリチウムイオン電池の需要拡大や、風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーの安定化など、持続可能なエネルギー社会の実現に向けて解決すべき課題がたくさんあります。
今回は、このような課題の解決に役立つと期待されている、低コストでより環境を配慮した製造・リサイクル法や、バニラを原料とする液体バッテリー、アントラキノン含有アルミニウムバッテリーなど、最新のエコフレンドリー・バッテリーの情報をご紹介します。
屋外や災害時などに欠かせない乾電池は、コバルトやニッケル、鉛などの有害物質を含んでいるため、原料の採掘から製造・処分のプロセスにおいて、環境や作業員が有害物質の影響を受けるリスクが伴います。また、製造やリサイクルの際の消費エネルギーが、環境に負荷をかける点も指摘されています。
このような背景があり、世界各国で「環境に優しい電池」の需要が高まっています。その代表格が携帯電話やノートパソコン、そして近年電気自動車(EV)にも採用されているリチウムイオン電池です。リチウムイオン電池には「繰り返し充電して使用できる」「エネルギー密度が高いため小型化・軽量化が可能」など、さまざまなメリットがあります。
一方で、電解液に有機溶媒を使用しているため高温で発火したり、過充電・過放電で発熱したりする危険があるほか、通常の乾電池同様、製造 やリサイクルの際の消費エネルギーが課題となっています。
これらの革新的なテクノロジーは、今後も発展していく可能性があります。いつどのようなテクノロジーが普及していくのか誰にも読めないので、定期的にウォッチしておくことで、時代の流れに乗り遅れないようにしておきましょう。
※本記事は投資に関わる基礎知識を解説することを目的としており、投資を推奨するものではありません。