コロナショック明けに備えたい 賢い旅行のミニ経済学

世界中でコロナウイルスの影響による自粛モードが続いていますが、「コロナショック明けには楽しい旅行をしたい!」と考えている人も多いでしょう。不要不急の外出を控え、いまは自宅にいることが多いと思いますが、この機会にまだ行ったことのない旅行先をいろいろ調べ、想像をめぐらせながら過ごしてみるのはどうでしょう。そうすることで、自宅にこもる生活を楽しいものにできるかもしれません。

しかしここで気になるのが、やはり旅行の価格ではないでしょうか。今回は、旅行価格の決まり方や、賢く旅行に行くためのコツを考えてみましょう。

需要の大きさ=価格の高さ

日本においてGWや夏休み、年末年始などの連休期間は、通常、旅行業界にとってはハイシーズンとなります。パッケージングされたツアーはもちろん、自分で航空券や乗車券、ホテルを手配する場合においても旅行代金は割高になるのが一般的です。同じ区間の列車に乗ったり同じホテルに泊まったりしても、ハイシーズンとオフシーズンでは価格が大きく異なることは感覚的に理解している人も多いでしょう。

ハイシーズンには、通常価格に季節的な要因のプレミアム価格が上乗せされているため、価格がオフシーズンよりも割高になります。プレミアム価格として上乗せされる理由は、ズバリ需要が大きいからです。座席や部屋数には限りがあり、需要が供給を上回ると需要=供給のバランスが崩れて価格がつり上がってしまうのです。

外出自粛期間明けの価格はどうなる?

いつ新型コロナウイルス感染の問題が収束し、外出自粛が解禁されるかは、政府や医療専門家でも予測できないことかもしれません。それでも予測できるのは、外出自粛の制限が解かれ、新型コロナウイルスに効く薬が出てきた時に、再び私たちがさまざまな観光地域に旅行するようになるのではないかということです。

その時に季節的なハイシーズンに重なるかどうかはわかりませんが、外出自粛が解禁されたタイミングで一度に多くの人が旅行に出かけはじめることも考えられます。需要と供給の関係でいえば、人気の旅行先などは需要過多となり、プレミアム価格が上乗せされ割高設定となる可能性があるかもしれません。

賢く旅行に行くために、しておきたい3つのこと

プレミアム価格を避け、賢く旅行に行けるよう、自粛期間中に次の3つのことをしておきましょう。

1.できるだけ多くの行き先候補を探す

憧れの世界遺産など、旅行者が殺到しそうなところは需要と供給の関係でプレミアム価格が付く可能性もあります。人があまり集まらない場所、つまり需要は大きくないけれども魅力的な旅先も探しておくとよいでしょう。

2.観光業界の動向や情報をこまめにチェックする

数ヵ月間に及ぶ自粛で観光業界は大きなダメージを受けています。人々が旅行できるようになった際には需要呼び起こしのためのキャンペーンや割引クーポンを提供する会社もあるかもしれません。情報をこまめにチェックしておきましょう。

3.旅費を蓄えておく

外出自粛で、通常に比べ支出減となっている人も多いことでしょう。その分を次の旅行のために蓄えておきましょう。我慢してきたことへのご褒美に、旅先での食事や買い物で高価なものを選びたくなるかもしれません。プレミアム価格を避けるだけでなく、支出が膨らむことへの対策もしておきましょう。

旅行価格について「市場価格が割高か割安か」を判断するには、需要と供給のバランスや社会の状況を見極めることも大切です。かつてのように旅行ができる日が戻ってくるのを祈りつつ、じっくりと、その地に降り立った情景をイメージしながら旅行計画をたてておくのも、外出自粛のストレス解消になるのではないでしょうか。

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