『いま、お金について知っておきたい6つの教え』より一部抜粋
(本記事は、本田 健氏の著書『いま、お金について知っておきたい6つの教え』=きずな出版、2023年10月31日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)
一つだけの収入で生活することのリスクは大きい
すでに経済的に自由を得ている人は、幸せで豊かな生活を楽しんでいます。そういう人は、資産もいっぱいあるので、収入源を一つ失っても、差し迫った危機を感じません。
ですが、普通の人は、いまの収入源を失うことを考えただけで、真っ青になるでしょう。たいていの人は、毎月たった一つの収入源に頼って生活しているからです。
もし、あなたが「収入源は一つしか持ってはいけないものだ」と思い込んでいるとしたら、現状を変えるための行動を起こすときです。
現代の給与体系は、人が普通に生活できるように、ちょうどいい金額になっています。だから、生活には困らなくても、給料だけで余裕が持てるわけではありません。
これは世界の歴史を通じてそうだったし、いまもそうです。
100年前に比べたら、いつも食卓に食べ物が並ぶことだけでも素晴らしい贅沢ですが、私たちが、それ以上望んでいるのは間違いありません。
まわりの人たちと同じように、少し贅沢したり、温泉や海外旅行なんかも楽しみたい。そして、「プチ贅沢は、基本的な人権だ」ぐらいに考えている節があります。
そのため、私たちの収入の金額は限られているにもかかわらず、買いたいもののリストは果てしなく長くなり、知らないあいだに、どんどん項目が増えていきます。
もし、ティーンエージャーの子どもが家にいたら大変です。小さい頃はよかったのに、10代になったら、欲しがるオモチャも、スマホも、桁違いに高くつくことになります。
収入は変わらないので、リストから何かを 削 らない限り、いつまでも貯金ができない状態が続きます。残念ながら、欲しいものをすべて買う余裕はないのです。
「新しい服や靴、バッグが欲しい」
「新しい携帯電話やパソコンが欲しい」
「新しい車が欲しい」
「素敵なレストランに行ってみたい」
「もっと広い家に住みたい」
そういう願望のほんのいくつかにお金を使うだけでも、気づかないうちに、相当の予算オーバーになってしまうでしょう。
また、最低限必要だと考える衣食住にも、お金をかけすぎてしまうこともあります。それは、自分の最低線が高すぎるためです。よくいわれる一般的な目安は、家賃や住宅ローンは「給料総額の3分の1程度」にすることです。
しかし、私たちはその予算を大幅に超過しても、あんまり気にすることなく、できるだけいいところに住みたいと考える傾向があります。
家賃や〝自分が考える生活必需品〞に、予算以上の出費をしている人はたくさんいます。家賃、外食、旅行に多くのお金を払っていると、どんなに働いても月末にはお金が残らないということになります。
では、どうするのか。できるだけお金がかからないように出費をおさえるか、もしくは、その出費をまかなえるだけの収入を稼ぐかしかありません。
いまのままで、収入を増やすのは難しいでしょう。
会社員であれば、昇給の時期は決まっているし、経済が右肩上がりの時代なら、それも期待できたかもしれませんが、下手をすれば、昇給どころが、年々、年収が下がっている、という人も少なくないでしょう。
それでも、会社があるうちはいいですが、ある日突然、倒産するということもないとは言えません。帝国データバンクの発表によれば、2022年度に日本国内で倒産した企業は6799件。まさに大失業時代は静かに迫ってきているといえます。
収入を、一つの会社、一つの仕事だけに頼っていると、それがダメになれば、プチ贅沢どころか、最低の生活さえできなくなります。
いまは副業を認めている企業も少なくありません。収入や資産を増やすことで、「一つだけの収入」のリスクに備えていくことも、お金との大切なつき合い方です。
<著者プロフィール>
本田 健
作家。神戸生まれ。
経営コンサルタント、投資家を経て、現在は「お金と幸せ」をテーマにした講演会やセミナーを全国で開催。インターネットラジオ「本田健の人生相談」は5000万ダウンロードを記録。
著書は
『20代にとって大切な17のこと』『30代にとって大切な17のこと』(きずな出版)
『ユダヤ人大富豪の教え』『20代にしておきたい17のこと』(大和書房)
『大富豪からの手紙』(ダイヤモンド社)、『きっと、よくなる! 』(サンマーク出版)
『大好きなことをやって生きよう! 』(フォレスト出版)
など200冊以上、累計発行部数は800万部を突破している。
2019年6月にはアメリカの出版社Simon & Schuster 社から、初の英語での書き下ろしの著作『happy money』をアメリカ・イギリス・オーストラリアで同時出版。
その他ヨーロッパ、アジア、中南米など、世界40カ国以上の国で発売されている。
本田健公式サイト
https://www.aiueoffice.com/