『いま、お金について知っておきたい6つの教え』より一部抜粋
(本記事は、本田 健氏の著書『いま、お金について知っておきたい6つの教え』=きずな出版、2023年10月31日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)
お金のストレスは、決してお金そのものではなく、お金にまつわる出来事に対する私たちの考えや感情から来ます。
ストレスの多くは、感情的なものから起きます。
ある状況を目にしたり、その状況に 陥 ったとき、私たちは、そのことに対して起きる感情のエネルギーの激しさに圧倒されるのです。
お金のストレスのせいで、圧倒的なパワーに支配されたり、自分の人生のコントロールを失ったように感じたりすることがあります。
お金に翻弄されていると、それを感じてしまうのです。
何か恐ろしいことが起きそうな感じがするけど、自分にはそれを止める力がないと感じてしまいます。そこには、無力感や絶望感が生まれます。
たとえば、毎月の生活費を稼ぐために働いている多くの人にとって、今の給料が減る、または支給が遅れたり、もらえなくなると考えただけで、大きなストレスになります。
私たちの頭の中では、事態が最悪のシナリオへと暴走していくのが見えるのです。その未来では、収入源を失い、家賃や住宅ローンを払えずに住む場所も失い、路頭に迷います。
食べ物を買うお金もなく、路上でホームレスになり、寒空の下でマッチ売りの少女のように死んでしまう自分がリアルに見えてしまいます。
私たちの頭の中にあるこのシナリオが、現実的かどうかは問題ではありません。
たった一度の給料の遅配や会社が 潰 れるかもしれないという 噂 を聞いただけで、私たちは一瞬で、そういう恐ろしい未来を連想してしまうのです。
それは、まだ実際には起こっていないのに、私たちはそれが避けられない運命であるかのように「予感」してしまいます。
そういった想像力の、ネガティブな方向への暴走が金銭的ストレスの原因です。
財布を失くしたり、ローンやカードの支払いが一回 滞 ったり、家賃が引き落としできなかったりしただけで、この世の終わりだと感じてしまいます。
それは、私たちの頭の中で、すでに悪夢のようなシナリオが展開され、もうそれは避けられないと錯覚するからです。
あなたが小さい頃、お金を無駄遣いしたとき、両親に叱られたことはありませんか?
あるいは、あなたが他より高い値段で何かを買ってしまったことをパートナーが知って、怒鳴りだしたりします。無駄遣いが犯罪のように扱われるのは、「お金を失うという、とんでもない失敗をしてしまった」という共通認識のせいです。
数十円や数百円を無駄にしたとして、そこまで怒るほどのことでしょうか?
数万円を失ったとしても、それは、人格を否定するほど責めるようなことでしょうか?
気をつけないと、お金のストレスは、あなたの大切な人間関係、友人関係をダメにしたり、あなたの心の平安を奪う可能性があります。
ストレスのもう一つの原因は、「お金と自分の生命エネルギーを等価交換で見てしまう」ことから来ます。
仕事で1時間に2000円稼いでいる人にとって、その金額を失うことは、人生の1時間を失ったことになります。1時間という時間を自分の生命と見てしまうからです。
だから、1万円を損したり、浪費すれば、5時間分の命を失うことになります。お金を失うことは、文字通り、身体の一部をむしり取られるような喪失感を覚えるのです。
もしあなたがすでに裕福で十分なお金を持っているなら、1万円を失っても、相対的に見ればそれほど痛くはないでしょう。
でも、生活費をやりくりし、10円でも節約したいときには、大きな痛手と感じます。
失われたお金をなんとなく労働時間で計算して、「自分の生命力のエネルギーが無駄に失われてしまった」ことに、動揺してしまうのです。それが、あたかも自分自身の貴重な一部を失うような痛みなので、オーバーに反応してしまうのでしょう。お金を損したとき、「痛いなぁ」と感じるのは、そういう理由です。
<著者プロフィール>
本田 健
作家。神戸生まれ。
経営コンサルタント、投資家を経て、現在は「お金と幸せ」をテーマにした講演会やセミナーを全国で開催。インターネットラジオ「本田健の人生相談」は5000万ダウンロードを記録。
著書は
『20代にとって大切な17のこと』『30代にとって大切な17のこと』(きずな出版)
『ユダヤ人大富豪の教え』『20代にしておきたい17のこと』(大和書房)
『大富豪からの手紙』(ダイヤモンド社)、『きっと、よくなる! 』(サンマーク出版)
『大好きなことをやって生きよう! 』(フォレスト出版)
など200冊以上、累計発行部数は800万部を突破している。
2019年6月にはアメリカの出版社Simon & Schuster 社から、初の英語での書き下ろしの著作『happy money』をアメリカ・イギリス・オーストラリアで同時出版。
その他ヨーロッパ、アジア、中南米など、世界40カ国以上の国で発売されている。
本田健公式サイト
https://www.aiueoffice.com/