太陽光パネルの新たな材料として、近年ではペロブスカイトが注目されています。ペロブスカイト太陽電池は日本発の技術ですが、すでに欧米や中国なども研究開発を加速させています。どのような将来が予測されるのか、ペロブスカイト太陽電池の市場規模や成長率などを紹介します。
海外の調査会社「Astute Analytica」が2023年2月に公表したレポート(※)によると、世界のペロブスカイト太陽電池市場は、2023年から2031年にかけて年平均30.4%で成長する見込みです。2022年時点での市場規模は5億6,330万ドル(約839億円)ですが、2031年には60億ドル(約8,940億円)以上になることが予測されています。
(※)Astute Analytica「ペロブスカイト太陽電池市場 – 2031年までの産業ダイナミクス、市場規模、市場機会予測」
ペロブスカイトは、低コストかつ軽量な点が注目されている太陽電池の材料です。従来の材料と比べて用途の柔軟性があり、高いエネルギー変換効率も実現しやすいことから、現在では世界的に研究開発が進められています。
ペロブスカイト太陽電池の有力市場としては、米国やカナダを含む北米地域が挙げられます。北米地域は再生可能エネルギー分野への関心が高く、各国政府も積極的な支援策を行っているため、主要プレイヤーとなる企業が多く集まっています。また、同レポートによると、2022年時点で56%のシェアを占めているアジア太平洋地域も注目の市場です。
太陽光発電はさまざまな分野で活用されており、近年では自動車の屋根にも導入されているケースもあります。住居以外の用途も増えているため、ペロブスカイト太陽電池はますます注目されるかもしれません。
世界の環境意識が高まるにつれて、ペロブスカイト太陽電池の需要はさらに増える可能性があります。自動車分野をはじめ、住居以外の用途で導入するための研究開発も進んでいるため、予想を超えるペースで市場が成長するかもしれません。
※為替レート:1ドル=149円
※本記事はペロブスカイト太陽電池に関わる基礎知識を解説することを目的としており、ペロブスカイト太陽電池の関連銘柄への投資を推奨するものではありません。