生物資源から作られるバイオエネルギーは、再生可能なエネルギーとして注目されています。市場規模や成長率を考えると、魅力的な投資先になるかもしれません。本記事では海外のレポートを参考に、バイオエネルギー市場や将来性を解説します。
米国の調査会社REPORT OCEANのレポート(※)によると、2020年における世界のバイオエネルギー市場の規模は1,005億ドル(約14兆7,735億円)以上です。また、予測期間中(2021年から2027年)の年平均成長率は、6.5%以上になると予測されました。
主な成長要因としては、CO2排出量に関する各国の規制強化があります。2015年にSDGsが採択されてからは、多くの国がカーボンニュートラルの実現を目指しており、CO2を排出する従来の燃料を規制する動きが見られます。バイオエネルギーはその代替手段として注目されており、中でも液体バイオ燃料は輸送用途での需要が高まりました。
バイオエネルギー市場の成長が期待されている地域は欧州です。バイオエネルギー施設が多く建設されており、EU(欧州連合)も積極的に研究開発や投資をしているため、さらに市場を拡大する可能性があります。
実際にEUがどのような政策を進めているのか、以下で例を紹介しましょう。
<EUによるバイオエネルギー関連の施策>
・炭素除去を目的とした計画「Sustainable Carbon Cycles」を採択(2021年12月)
・化石燃料から脱却するための目標「REPowerEU」を発表(2022年5月)
・REPowerEUの再エネ目標などを引き上げ(2022年9月)
2023年に入ってからも、欧州では関連制度の施行や見直しが進められており、同年2月には気候対策の方針を示した「The Green Deal Industrial Plan」が発表されました。世界の中でも法律や制度の整備が進んでいるため、バイオエネルギー市場はEUを中心に成長する可能性があります。
近年では欧州をはじめ政府主導でバイオエネルギーの導入を進めている国が増えています。実際に液体バイオ燃料などの需要は高まっているため、バイオエネルギー市場はますます拡大する可能性があります。世界のトレンドを追いながら、バイオエネルギー市場にも注目してみましょう。
※為替レート:1ドル=147円
※本記事はバイオエネルギーに関わる基礎知識を解説することを目的としており、バイオエネルギー関連企業への投資を推奨するものではありません。