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株価が10倍“テンバガー”を狙える、3つの銘柄タイプ

『マンガでわかるピーター・リンチの投資術』より一部抜粋

(本記事は、栫井駿介氏の著書『マンガでわかるピーター・リンチの投資術』=ループスプロダクション、2021年11月27日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

銘柄のタイプを見分けテンバガーを狙う

株は6つに分類できる

株価は、市場全体の流れ、景気の変動によって大幅に上昇することがあるが、どんな企業がどういった値動きをするのかは、ある程度分類できる

たとえば、大企業は会社が成熟し、会社の規模が大きいため株価の値上がりは期待しづらい。

日本の企業を例に説明すると、「ホンダ」として親しまれる本田技研工業(7267)は、2020年度の売上高が約15兆円にのぼる大企業であり、新車の販売も順調にヒットしている。しかし、ここ10年間の株価を見てみると、上下の動きはあるものの突出した動きは見られない。

一方で、日本新薬(4516)は10年前まで売上高が約670億円、株価は1000円前後であり、上場企業のなかでは規模の小さい「小型株」であった。しかし、2021年度3月期には売上高が約1210億になり、同年度のピーク時には株価が1万円台にまで上昇した。小規模な企業であれば、そののびしろに期待できるのだ

こうした傾向を細かく分類すると、株は「低成長株」「優良株」「資産株」「急成長株」「市況関連株」「業績回復株」の6種類に分類される。

マンガでわかるピーター・リンチの投資術

各分類の特徴

前述の本田技研工業のように、すでに成熟し、成長率が小さくなっている銘柄を「低成長株」という。

成長率とは、毎年の利益がどれだけ増加しているかを表す数字のこと(利益成長率とする)。たとえば、前期(前年)の利益が10億円、今期の利益が10・2億円だとすると、利益成長率は2%となる。

低成長株の利益成長率は2~3%ほどに留まる。配当や株主優待目当てであれば向いているが、テンバガーを狙うのには向いていない。日本株でいうと、トヨタ自動車(7203)やKDDI(9433)といった大企業もこの特徴に該当する

大企業のなかでも、低成長株を上回る成長を示すのが「優良株」だ。大企業ながら市場拡大や増収増益の余地があるため、2~4倍の値上がりに期待できる。また、企業規模が大きいため不況時に強いという利点がある

しかし、まとまった利益を得るには10~20年ほどの長い年月がかかるため、同じ時間をかけるなら後述の急成長株を買って10倍になるのを狙ったほうが、より多くの利益を生み出せる。

洗剤やボディケア用品などの日用品を製造する花王(4452)は、年ごとの利益成長率に多少の波があるものの、5年、10年といった長期スパンで成長しており、優良株の特徴に該当する。

3つ目は「資産株」。アナリストやプロの投資家がまだ見つけていない、何らかの資産を持っている銘柄のことである。

資産とは、現金だけでなく、不動産、土地、金属、石油、新聞などが当てはまる。全国に店舗を構えるチェーン店であれば、その店舗も資産と考えることができる。そうした資産が現在の株価に反映されているかが重要である。もしも、莫大な資産のある企業にもかかわらず株価が低ければ、その銘柄はお買い得ということだからだ。

先述の資産のうち、もっとも価値を把握しやすいのは不動産である。企業によっては、自社の土地の時価総額を有価証券報告書内で公表していることがあるため、不動産価格に詳しくなくても簡単に調べられる。企業が保有する不動産価格がわかれば発行済株式数で割り、1株あたりの不動産価格を算出して、1株あたりの株価と比較しよう。

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テンバガーになりやすい株

残る3種類は、リンチが「テンバガーを狙いやすい」と考える株である。

「急成長株」は、年20~25%の速度で成長し、10倍のみならず100倍、200倍を目指すことのできる株だ。

日本での急成長株として、ディップ(2379)が挙げられる。2007年から2013年まで株価が100円を切る状態が続き、一時期は35円まで値がついたが、2014年から株価が急上昇。2021年11月現在では4200円台にまで上昇した。

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ただし、このタイプの株は途中で資金繰りが厳しくなり、息切れてしまう(倒産、あるいは事業を縮小してしまう)ケースもある。生活必需品など常に需要がある産業であれば息切れは起きづらいが、そうでない場合、常に利益を出すのが難しいのに事業拡大の規模を急ぐと息切れしやすくなる。

息切れの例として考えられるのが、外食チェーンを展開するペッパーフードサービス(3053)だ。2011年は株価が60円台だったが、ステーキ専門店「いきなりステーキ」が人気を博したことから急激に店舗を増大。株価も、ピーク時には8230円(2017年)まで上昇した。

しかし、店舗を増やし過ぎたあまり同じチェーン店同士で客を取りあう状態になり、業績が伸び悩んでしまう。また、2016年は借金が約14億円だったが、2018年には約52億円に激増していた。その結果「息切れ」を起こし、2021年11月現在、株価は300円台後半にまで下がった。

4つ目は「市況関連株」。世の中の動向(景気や政策など)によって売上が上下を繰り返すという特徴がある。自動車、タイヤ、航空、鉄鋼、化学といった産業がこれにあてはまる。

タイミングよく売買できれば(つまり、安いときに買って高いときに売ることができれば)利益は期待できるが、その際は景気や株価の動向を適宜チェックするのが必須となる。

市況関連株は規模が大きくて有名な企業が多いため、よく優良株と混同されがちである。左ページの図に丸紅(8002)の過去10年間のチャートを示した。丸紅も有名企業だが、チャートの動きを見てもわかるとおり、株価が定期的に上下を繰り返しているかで違いが見えてくる。

最後は「業績回復株」。業績不振に陥っている銘柄である。市況関連株における株価下落の時期とは違い、「潜在的に倒産する恐れのある」企業を指す。そのまま倒産するのか、持ちこたえて業績を回復させるのか、どちらに転ぶのかを見分けなければならず、難易度の高い銘柄といえる。

回復の可能性があるかを見分けるには、資産と負債はいくらあるか、経費削減を行っているか、不採算部門を整理しているかを確認する方法がある。業績不振であっても、現金や有価証券といった資産を多く持ち、負債がない場合は持ちこたえやすい傾向がある。

リンチは、業績回復株に投資をして、大きな実績を残している(136ページ参照)。実際に業績が回復すれば得られる利益は大きいが、倒産してしまうと株の価値はゼロになってしまうため、リスクを背負うことになる。

※上記は、本書からの抜粋であり、過去の実績ないし著者が作成したもので、今後の投資成果を保証するものではなく例示を目的としたものになります。また、個別株式の売買や投資を推奨するものではありません。

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<著者プロフィール>

栫井 駿介
1986年鹿児島生まれ。つばめ投資顧問合同会社代表、株式投資アドバイザー、証券アナリスト。
東京大学経済学部卒業。2009年より大手証券会社にて投資銀行業務に従事。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。2016年にバリュー株投資の実践を目的としたつばめ投資顧問を設立。ビジネス・ブレークスルーにて、「株式・資産形成実践講座」の講師を務める。
著書に『株式vs. 不動産 投資するならどっち?』(筑摩書房)、『年率10% を達成する! プロの「株」勉強法』(クロスメディア・パブリッシング)。

『マンガでわかるピーター・リンチの投資術』

  1. 数量化したがる人に株は不向き!?株投資に向いている人の特徴
  2. 株価が10倍“テンバガー”を狙える、3つの銘柄タイプ
  3. ピーター・リンチの経験から学ぶ 失敗しないための株の売買タイミング
  4. 有望な銘柄を見つける決算情報の読み方
  5. ピーター・リンチが5銘柄以内への分散投資をすすめるワケ

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