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株の相続が発生したらどうすればよい?評価方法も解説

ご家族の誰かが株を持っているという人は多いでしょう。では、万が一の際に、株式の相続をどのように行えば良いのか理解している方は果たしてどのくらいいらっしゃるでしょうか。株式を相続する場合の流れを事前に知っておくことで、いざという時でも冷静に対応できるはずです。

そこで今回は、株式の相続が発生したらどうすればよいのか、どのような評価方法があるのか、遺産分割はどうすればよいのか、などについて解説します。なお本稿では、「株(株式)」は上場株式を指します。

株の相続が発生したらどうすればよい?

株式の相続が発生した場合、相続人は自身の証券口座でその株式を相続する(受け取る)ことになります。そのため、証券口座を持っていない人は、どこかの証券会社に口座を開設する必要があります。

なお、被相続人と同じ証券会社の口座でなければならないわけではありません。それを踏まえて、以下の2つのケースを見ていきましょう。

「被相続人が株式を預けていた証券会社」がわかっている場合

この場合はその証券会社に連絡して、必要書類を揃えた上で株式を振り替えてもらいます。必要書類は証券会社によって異なりますが、被相続人の死亡が確認できる書類、相続人との関係が確認できる書類、本人確認書類などが必要になるでしょう。遺言書や遺産分割協議書がある場合は、それらも提出することになります。

「被相続人が株式を預けていた証券会社」がわかっていない場合

この場合は、被相続人が株式を預けていた証券会社を確認する必要があります。具体的には、証券保管振替機構に連絡し、必要書類を揃えた上で、被相続人の取引情報(株式を預けていた証券会社の口座情報)を教えてもらいます。必要書類は手続者の属性によって異なりますが、法定相続人の場合は開示請求書、本人確認書類、相続人と被相続人の関係を示す戸籍、被相続人の住所の確認書類などが必要です。

株の相続における評価方法は?

それでは、相続における株式の評価金額はどのように求めればよいのでしょうか。以下の4つのうち「最も低い金額」を相続税評価額として採用することができます。

1.相続があった日の終値
2.相続があった月の終値の平均額
3.相続があった月の前月の終値の平均額
4.相続があった月の前々月の終値の平均額

具体例で考えてみましょう。被相続人はA社株式を1万株保有しており、相続があった日を10月1日とします。A社株式はちょうど急激な上昇トレンドに入っており、以下のような値動きだったとします。

1.相続があった日(10月1日)の終値・・・8,000円
2.相続があった月(10月)の終値の平均額・・・10,000円
3.相続があった月の前月(9月)の終値の平均額・・・7,000円
4.相続があった月の前々月(8月)の終値の平均額・・・5,000円

株価が最も低いのは、4.の5,000円です。相続があった日(10月1日)の終値は8,000円ですが、この4つの中で最も低い金額を相続税評価額として採用できるので、5,000円を相続税評価額とすることができます。ここまで差が生まれるケースは稀かもしれませんが、4つの株価を取得して、しっかり比べてください。

株の相続における遺産分割はどうすれば良よい?

それでは、株式の相続における遺産分割はどうすればよいのでしょうか。大きく分けて、以下の3パターンがあります。

1.相続人が株式のまま相続する

例えば、上記の「1万株のA社株式を相続する」場合、相続人が1人であればその人が1万株を株式のまま相続します。相続人が2人であれば、1人5,000株ずつ相続するケースが考えられます(必ずしも半分に分けなければならないわけではありません)。

2.株式を売却して、その売却代金を相続人で分配する

株式を売却するパターンの場合、分配割合は法定相続分にしたがって決めるケースが多いのですが、相続人の話し合いによって分配しても構いません。このパターンは、すべての相続人が株式の所有や投資に関心がない場合におすすめです。

3.特定の相続人が株式のまま相続して、代償金を支払う

特定の相続人が株式のまま相続して、他の相続人には代償金を支払うパターンもあります。例えば2人兄弟の場合、兄が株式のまま全株を相続して、兄から弟に一定の代償金(法定相続分に応じた金額など)を支払うといったケースが考えられます。「兄は株式のまま相続したいが、弟は現金で欲しい(株式は欲しくない)」といった場合に有効です。

日頃からコミュニケーションを取っておこう

ここまで、株式の相続が発生したらどうすればよいのか、どのような評価方法があるのか、遺産分割はどうすればよいのか、などについて解説してきました。一般的に、株式の相続には時間と労力がかかります。

相続はなかなか切り出しにくい話題かもしれませんが、残された家族に大きな負担をかけることは、被相続人も望まないでしょう。日頃から家族とコミュニケーションを取って、「どのような株式をどれくらい持っているのか」「どの証券会社に口座を開設しているのか」などを話しておくことをおすすめします。

※本記事は投資に関わる基礎知識を解説することを目的としており、投資を推奨するものではありません。

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