若年層を中心に食事のあり方が変化しつつあります。これまでのように食事を「楽しむ」というのではなく「できるかぎり短時間で済ますことにより効率的なライフスタイルを実現しよう」とする動きがあるのです。特に激務といわれるIT業界で働いている人にその傾向が強いようです。しかも彼らは、栄養バランスをないがしろにしているわけではありません。
むしろ適切な栄養を補給することを前提に効率を高める工夫をしています。そこで活用されているのが「完全栄養食」というものです。完全栄養食とは一体どのような食事なのでしょうか。
厚生労働省では、成人1人あたりの栄養バランスについて摂取するべき目安を提示しています。ただ忙しい現代人にとって、それらを普段の食生活で実現するのは難しいのが実情でしょう。そこで「完全栄養食」を活用する人が増えているのです。
そもそも完全栄養食とは、健康を維持するために必要なすべての栄養素を含むバランス栄養食のことです。もともとは菜食主義者やヴィーガン向けに開発された食品なのですが、忙しい現代人からも注目を集め海外だけでなく日本でも徐々に広がりはじめています。
海外で完全栄養食が普及した背景には、食に対する高い意識があります。宗教や信条などを背景にした食事制限だけでなく健康や栄養バランスへのこだわりが強いことからさまざまな視点で完全栄養食が開発されてきました。その中には、日本で購入できるものもあります。
2020年1月現在、購入できる完全食は、主に「ドリンクタイプ」「主食タイプ」「補助食品タイプ」の3つです。それぞれ「水や牛乳に溶かして飲むもの」「一般的な食品のように食べるもの」「通常の食事の補助として摂取するもの」があります。ライフスタイルとの兼ね合いが選ぶポイントになりそうです。
このように完全栄養食は単なるブームではなく一つのムーブメントになりつつあります。食事に対する意識が変わることで食事以外の活動により時間と労力を投資できるため、完全栄養食をはじめる人が増えているのです。私たちの食事は進化しています。今後のさらなる発展に期待しましょう。