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投資でポートフォリオを組む意味は?資産配分事例も紹介

投資の世界では「投資で重要なことはポートフォリオをしっかり組むことだ」といわれていますが、その理由は何でしょうか。

今回は、投資においてポートフォリオを組むことが重要な理由や、投資のポートフォリオの例について解説します。

投資においてポートフォリオを組むことが重要な理由

投資においてポートフォリオを組むことが、なぜ重要なのでしょうか。なお、「ポートフォリオ」の本来の意味は「具体的な商品の詳細な組み合わせ」ですが、本稿では「大まかな資産配分」を指すものとして説明していきます。

資産配分は「運用成績の90%を左右する」ともいわれています。それが事実だとすれば、どのようなポートフォリオを組んでいるかによって、リターンの大部分が決まってしまいます。「どの資産(銘柄)が有望か」「いつ売買すればよいのか」を研究することも大切ですが、それ以上に「どのような資産配分にするか」を考えることがより重要ということです。

多くの資産に分散したポートフォリオを組めば、リスクを低減できます。分散投資には以下のような種類があり、ポートフォリオを組むときは「資産の分散」や「地域の分散」を意識することが重要です。

資産の分散:特性の異なる複数の資産を組み合わせる
地域の分散:複数の地域や通貨を組み合わせる
時間の分散:投資する時期をずらす

ポートフォリオを組んだらリバランスを忘れずに

ポートフォリオを組んだら、リバランスを忘れないようにしましょう。「リバランス」とは、購入した資産の価格が変動することによって、当初の割合が変わったポートフォリオを元の状態に戻すことです。

リバランスは「毎年1回ずつ行う」など一定期間ごとに行うパターンと、「最初の状態から1割以上ずれたら行う」など変化に応じて行うパターンがあります。後者はマーケットやポートフォリオを確認し続ける必要がありますので、投資初心者や忙しい人は前者が向いているでしょう。

「一定期間ごとに行うパターン」における適正な頻度は、それぞれの資産規模や資産内容、金融知識などによって異なりますが、少なくとも1年に1回はリバランスを行ったほうがよいでしょう。

なぜポートフォリオを組んだら、定期的にリバランスを行うことが重要なのでしょうか。資産運用を進めていくと、各資産の価格が変動することによって、当初のポートフォリオの資産配分が崩れてしまいます。

それによって、当初のポートフォリオに比べて「リスクを取りすぎている」もしくは「リスクを取らなすぎている」ということが起こりえます。定期的にリバランスを行うことによって、できる限り当初のポートフォリオを保って、資産運用を進めることができるのです。

投資のポートフォリオの例

ここからは、ポートフォリオの例を紹介します。

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資産四分法

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、日本国民の年金を運用する組織です。正確には、厚生労働大臣から寄託された年金積立金の管理及び運用を行うとともに、その収益を年金特別会計に納付することにより、厚生年金保険事業及び国民年金事業の運営の安定に資することを目的としている組織です。

運用総額は177兆7,030億円(2020年度第3四半期末現在)で、「世界最大級の機関投資家」と呼ばれています。2001年度以降の累計収益額は85.3兆円(収益率は3.37%)と桁違いの収益を上げており、国民年金事業の安定に貢献しています。GPIFの基本ポートフォリオは、以下のとおりです。

国内債券25%(±7%)
外国債券25%(±6%)
国内株式25%(±8%)
外国株式25%(±7%)

国内債券、外国債券、国内株式、外国株式を1/4ずつ配分しており、債券と株式の比率は半分ずつです(上記はあくまで「基本」ポートフォリオであり、必ずしもこの割合で配分しているわけではありません)。

なお、GPIFは定期的に基本ポートフォリオを見直しています。したがって未来永劫、上記の配分で運用を進めるわけではありません。2015~2019年度の5年間の基本ポートフォリオは以下の通りです。現在の基本ポートフォリオと若干異なることが分かります。

国内債券35%(±10%)
外国債券15%(±4%)
国内株式25%(±9%)
外国株式25%(±8%)

国内債券、外国債券、国内株式、外国株式という分類はかなり大まかであり、具体的にどのような資産を配分するかという問題は残りますが、資産配分の例としては参考になるでしょう。

「100-年齢」をリスク資産の割合とする

この他に、「100-今の自分の年齢=リスク資産割合」をポートフォリオの目安にする方法もあります。資産には、大きく分けて株式に近い性質を持つ「リスク資産」と、債券のような「安全資産」(リスクがゼロという意味ではありません)があります。

年齢が若いほうが失敗を取り戻す時間が多く残されているため、より大きなリスクを取ることができるという考え方から、「100-今の自分の年齢=リスク資産割合」としています。例えば、30歳の人は「リスク資産割合70%、安全資産割合30%」となります。

こちらもリスク資産と安全資産という分類は非常にざっくりとしており、具体的にどのような資産を保有するかという問題は残りますが、資産配分の例としては参考になるでしょう。

ポートフォリオの配分自体も定期的に見直そう

ここまで、投資においてポートフォリオを組むことが重要な理由や、投資のポートフォリオの例について解説しました。

年齢や収入が変わると、適切なポートフォリオ(資産配分)も変化します。定期的なリバランスも重要ですが、ポートフォリオの配分自体も定期的に見直すようにしましょう。

※本記事は投資に関わる基礎知識を解説することを目的としており、投資を推奨するものではありません。

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