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金融庁も資産形成の重要性を強調!具体的な方法には何がある?

「人生100年時代」という言葉が、すっかり一般的になりました。医療技術が発展し平均寿命が伸びているのは素晴らしいことですが、生きるためにはお金が必要なので、今後はますます資産形成が重要になっていくでしょう。

金融庁も資産形成の重要性を説いています。今回は金融庁から発信されている情報を交えて、資産形成の方法について解説します。

金融庁も警鐘を鳴らす資産形成の重要性

多くの人にとって、人生100年時代における資産形成には課題があるようです。平成31年4月12日に金融庁が発表した「人生100年時代における資産形成」をもとに、資産形成における課題を見ていきましょう。

課題1:長寿化

上記資料によると、2015年時点の推計で、60歳の人が90歳まで生存する確率は46.4%、95歳まで生存する確率は25.3%、100歳まで生存する確率は8.8%です。今後も医療技術が発展していくことを考えると、この数字は上昇していく可能性が高いでしょう。

課題2:現役世代の収入・貯蓄の減少

上記資料では、現役世代の収入・貯蓄の減少が指摘されています。特に、働き盛りである30代や40代の減少が目立ちます。収入や貯蓄が減少しているということは、十分な資産形成ができていないということです。

課題3:金融資産額が少ない高齢者世帯の割合が上昇

「若年層はお金がなく、金融資産は高齢者に集中している」と言われています。上記資料によると、高齢者夫婦(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦)の世帯の金融資産額を世帯数分布で表すと、金融資産額3,000万円以上の世帯の割合が25%強と最も高いため、その認識は正しいと言えます。

しかし、次に多いのは15~20%を占めている金融資産額450万円未満の世帯です(世帯分布は金融資産額が450万円未満、〜900万円未満、〜1,200万円未満、〜1,500万円未満、〜2,000万円未満、〜3,000万円未満、3,000万円以上の7つ)。

450万円未満の割合と3,000万円以上の割合は1994年から上昇しており、富める高齢者世帯とそうでない高齢者世帯の二極化が進んでいることがわかります。

資産形成の具体的な手段

上記資料では、日本では効果的な資産形成が行われていないことが指摘されています。確かに、高齢者夫婦世帯の20%弱が金融資産額450万円未満という結果は、かなりショッキングです。収入額にもよりますが、年金収入のみだとすると、ゆとりある老後生活を送るのは難しいでしょう。

私たちは、どのように資産形成をするべきなのでしょうか。上記資料で資産形成の方法として議論されているのが、「iDeCo」と「つみたてNISA」です。それぞれについて見ていきましょう。

iDeCo

iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)は、確定拠出年金法に基づいて設けられた私的年金制度です。60歳になるまで掛金を拠出し、自分で運用方法を選んで掛金を運用します。60歳以降、掛金と運用益の合計額を受け取ることができます。

iDeCoでは、「掛金」「運用益」「給付時」において税制上の優遇措置があります。原則として60歳になるまで資産を引き出すことはできませんが、無駄遣いすることがないため老後資金の準備に適しています。

つみたてNISA

つみたてNISAは少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度で、2018年1月にスタートしました。新規投資額は毎年40万円が上限で、非課税投資期間は20年間(最大800万円)です。

つみたてNISAで購入できるのは、金融庁が長期・積立・分散投資に適していると認めた投資信託のみで、保有している間に得た分配金と、値上がりした後に売却して得た利益(譲渡益)が非課税対象となります。

資産形成で知っておきたいポイント

効果的な資産形成を行うには、資産運用のポイントを理解しておくことが重要です。ここでは「複利効果」と「分散投資」について解説します。

複利効果

複利効果(複利運用)とは、投資元本を運用して得られた利益を再投資し、投資元本を増やして運用することです。利益を再投資せず、当初の投資元本から利益を受け取り続ける運用を「単利」と呼びます。複利運用は、単利運用よりも資産を早く大きく増やすことが可能です。

例えば100万円を年10%の利回りで10年間運用した場合、税金や手数料などを考慮しないと単利運用では200万円になります(投資元本100万円+投資収益100万円)が、複利運用では259万円に増えます。運用期間が伸びると、この差はさらに広がります。

10%の利回りで運用を続けるのは難しいかもしれませんが、重要なのは運用益を趣味や娯楽に使ってしまうのではなく、再投資に回すことです。そうすることで、効果的に資産を形成できます。iDeCoもつみたてNISAも譲渡益に税金がかからないので、複利効果を最大限に活用できる制度と言えます。

分散投資

資産運用のリスクを減らし、好リターンを目指せる手法の一つが分散投資です。分散投資には、「時間の分散」「資産の分散」「地域の分散」「通貨の分散」などがあります。

iDeCoもつみたてNISAも、毎月一定額を積み立てる購入方法であれば、それだけで「時間の分散」を実現できます。購入商品の資産(アセットクラス)や地域、通貨も分散すれば、より分散効果を高められるでしょう。

iDeCoやつみたてNISAを活用する

金融庁から発信されている情報を交えて、資産形成の方法について解説しました。

金融庁の資料からもわかるとおり、iDeCoやつみたてNISAには税制優遇があり、資産形成に適している制度と言えます。これらの制度をうまく活用して、資産形成を進めていきましょう。

※本記事は投資に関わる基礎知識を解説することを目的としており、投資を推奨するものではありません。

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