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生涯で必要なお金はいくら?人生で得る収入の目安も解説

「人の一生にはいくらのお金が必要?」と聞かれて、即答できる人は少ないでしょう。しかし、理想のライフプランを立てるためには、生涯で必要になるお金を把握することが重要です。

今回は「生涯必要な金額を把握したい」という人に向けて、一生で必要なお金の目安や、特に大きな支出、生涯収入の金額などを紹介します。

生涯で必要なお金はいくらくらいか

生涯で必要なお金は、いくらくらいなのでしょうか。生活水準によって変わりますが、一般的には2億〜3億円といわれています。日々の生活費を除いて、特に大きな支出は以下の5つです。それぞれの目安を確認していきましょう。

結婚

リクルートマーケティングパートナーズが発表した「ゼクシィ結婚トレンド調査2020」によると、挙式と披露宴・ウエディングパーティーの総額は362.3万円で、カップルの自己負担額は154.6万円でした。

マイホーム

住宅金融支援機構が発表した「2019年度フラット35利用者調査」によると、住宅の平均購入価格はマンションが4,521万円、土地付注文住宅が4,257万円、建売住宅が3,494万円、注文住宅が3,454万円でした。

教育

文部科学省が発表した「子供の学習費調査(平成30年度)」によると、保護者が支出した子ども1名あたりの年間経費は、公立幼稚園が約22万円、私立幼稚園が約53万円、公立小学校が約32万円、私立小学校が約160万円、公立中学校が約49万円、私立中学校が141万円、公立高等学校(全日制)が約46万円、私立高等学校(全日制)が約97万円でした。すべて私立ですと約1,833万円、すべて公立でも約543万円かかる計算です。

また、同じく文部科学省が発表している「私立大学等の平成30年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」によると、私立大学に行かせた場合、初年度は入学料が約25万円、授業料が約90万円、施設設備費が約18万円かかります。

親の介護

生命保険文化センターが発表した「生命保険に関する全国実態調査(平成30年度)」によると、要介護状態となった場合、公的介護保険の範囲外の費用として必要と考える初期費用の平均は242万円でした。初期費用ですので、介護期間が伸びるほど負担は増えていきます。

老後

総務省が発表した「家計調査報告 家計収支編 2019年(令和元年) 平均結果の概要」によると、高齢夫婦(夫65歳以上・妻60歳以上の夫婦)無職世帯の家計収支は月3万3,269円の赤字です。老後期間が30年としても、3万3,269円×12ヵ月×30年=約1,200万円が必要になる計算です。なお、この金額には自分の介護費は入っていません。

生涯収入はいくらくらいか

生涯で必要なお金が2億〜3億円として、生涯で得る収入はいくらくらいなのでしょうか。人によって大きく変わることを前提に、各種統計資料をもとに主な収入源である給与収入、退職金、年金の3つを見ていきましょう。

給与収入

労働政策研究・研修機構が発表している「ユースフル労働統計2019-労働統計加工指標集-」によると、大学もしくは大学院を卒業した後すぐに就職して60歳までフルタイムの正社員を続けた場合、男性は2億6,920万円、女性は2億1,670万円の収入を得ます。これらは額面収入であり、これらに70〜80%をかけた金額がおおよその手取り収入になります。

退職金

厚生労働省が発表している「平成30年就労条件総合調査の概況」によると、勤続20年以上かつ45歳以上の大学・大学院卒の定年退職金は1,983万円でした。退職金は、長年の勤労に対する報償的給与として支払われるものであることなどから、税負担が軽くなるよう配慮されています。例えば、大学卒業から60歳まで38年間勤めた場合の退職所得控除は2,060万円で、この範囲内であれば税金はかかりません。

年金

総務省が発表した「家計調査報告 家計収支編 2019年(令和元年) 平均結果の概要」によると、高齢夫婦(夫65歳以上・妻60歳以上の夫婦)無職世帯の社会保障給付は月21万6,910円です。現在の現役世代の給付額はもっと少なくなる可能性がありますが、仮にこの金額を30年間もらい続けたとすると、21万6,910円×12ヵ月×30年=約7,809万円です。

公的年金は雑所得にあたるため、所得税の課税対象です。しかし、控除額があることに加えて、大きな収入にならないケースが多いため、累進課税である所得税の負担もあまり大きくならないのが一般的です。ここでは便宜的に、額面の90%が手取りになると考えます。

自分のライフプランに沿った支出を把握して資金計画を進める

ここまで、生涯で必要になるお金と生涯収入を見てきました。生涯収入を簡単に計算すると、以下のようになります。

給与収入の総手取り額:2億190万円(大卒男性の2億6,920万円の75%)
退職金の総手取り額:1,983万円(退職所得控除の範囲内で収まる想定)
年金の総手取り額:約7,028万円(約7,809万円の90%)

生涯の手取り収入の合計は、2億9,201万円となりました。今回は大卒男性という設定で計算しましたが、中卒や高卒の場合は生涯の給与収入額が5,000万円以上少なくなります。これらを踏まえると、生涯で必要な金額といわれている「2億〜3億円」は概ね正しいといえるでしょう。

なお、上記の収入には「資産運用で得る運用益」は入っていません。お金にも働いてもらって、給与収入、退職金、年金に加えて、運用益という4つ目の収入源を持つことも検討しましょう。

生涯で必要なお金は、人によって大きく変わります。今回の計算結果を参考にしつつ、自分のライフプランに沿った支出を把握し、資金計画を進めていきましょう。

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