仕事も年齢に合ったやり方に!コンパクトで快適になった暮らし

『60過ぎたらコンパクトに暮らす モノ・コトすべてを大より小に、重より軽に』より一部抜粋

(本記事は、藤野 嘉子氏の著書『60過ぎたらコンパクトに暮らす モノ・コトすべてを大より小に、重より軽に』=講談社、2020年8月28日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

『60過ぎたらコンパクトに暮らす モノ・コトすべてを大より小に、重より軽に』

  1. 仕事も年齢に合ったやり方に!コンパクトで快適になった暮らし
  2. 人生100年時代、「年齢に抗わないこと」が大事な理由
  3. 60歳からでも遅くないランニング 夫婦関係にも友人関係に
  4. もの選びの基準は「小さなもの」と「軽いもの」がオススメな理由
  5. 物欲から解放されるには「ゆっくり選ぶ」ことが重要

仕事も年齢に合ったやり方に

私の職業は、料理研究家です。夫の藤野賢治は料理人、娘の藤野貴子はパティシエで、私たち3人は、南青山のマンションの一室で「カストール&ラボラトリー」を運営しています。

家の引っ越しをする少し前、夫は30代から続けてきたフレンチレストラン「カストール」を閉めました。都内を移転しつつ最後は京橋という都心の一等地で、スタッフを雇い長く続けてきた思い入れのあるレストランでしたが、会社勤めならそろそろ定年を迎えるころに、商売をコンパクトにして家族で経営することを決めたのです。

現在の「カストール&ラボラトリー」でも月に何回かはレストランを営業し、私はそれを手伝ったり、料理教室の開催やテレビや雑誌の撮影、さらに物販用の商品を作ったりしています。

50代、60代という年齢は、多くの人は働き方が変わる節目となる年齢です。退職したり、役職から降りたりという変化を経験する人が多くいます。私たちは自営業ですから、自らが選択した形ですが、年齢に応じて、働き方を小さく、軽くしました。

これまではレストランの規模に応じて経費もたくさんかかっていましたから、ずいぶんと重いものを背負って仕事をしていましたが、「カストール&ラボラトリー」では、今の私たちの身の丈に合った仕事のやり方をしています。

ここ1年の間には、夫が膝を悪くして入院や手術をするなどのアクシデントもありましたが、規模を小さくしていたことで娘と私で乗り切ることができました。仕事のやり方や家族との関係は、今も絶えず変化しています。そしてこれからも変化し続けるでしょう。

だけど不安になる必要はありませんし、小さく、軽くなることを恐れる必要もありません。変化のなかで、私たちらしい仕事のやり方を続けていこうと思っています。

コンパクトで快適になった暮らし

30代のときから25年間住み続けた家は、150㎡ありました。そこから引っ越し、現在私たち3人が暮らしているのは、2LDK65㎡の賃貸マンション。コンパクトですが使い勝手のいい間取りで気に入っています。広さはこれまでの半分以下になり、家具や食器、衣類など身の回りのありとあらゆるものを半分以上処分しました。これを機に車も手放し、暮らしはずいぶん身軽になっています。

そうやって暮らしを思い切り小さくしたのが2017年のことです。

大きかったのは、心の変化です。家やものをたくさん手放しても、心ゆたかに暮らすことができました。これまで自分を縛ってきた「こうでなくては」という想いから解放され、とても軽やかになりました。

大切なのは、どう暮らすか。

そこから3年近く経ち、小さくした暮らしは、とても快適です。新たに買い足したものもあれば、引っ越しをする前から使い続けているものもあります。処分したことを後悔したものもありました。

引っ越しをした当初は、ものを買うことにはとても慎重になっていました。「買う」の向こうに「捨てる」があると知って、ものを買うことに対して臆病になったのです。

だけど、私が目指しているのは「心ゆたかに暮らすこと」であって、「ものを減らすこと」ではありません。買わないこと、ものを減らすことにだけ縛られてしまうと楽しくありませんでした。新しいものを手に入れることでのよろこびもあります。

そこで、これまでのように衝動的に何かを買い求めたりすることは慎みつつ、自分が必要だと思ったものは、じっくり考えて買い、買ったらとことん使い切ると決めています。そもそも、暮らしをコンパクトにしたらムダなものは買わなくなりました。

自分にとってちょうどいい空間と好きなものに囲まれて、気持ちよく過ごしています。

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藤野嘉子(ふじの・よしこ)
学習院女子高等科卒業後、料理家に師事。フリーとなり雑誌、テレビ(NHK「きょうの料理」)、講習会などで料理の指導をする。「誰でも簡単に、家庭で手軽に作れる料理」「自然体で心和む料理」を数多く紹介し、その温かな人柄にファンも多い。
著書に『女の子の好きなお弁当』(文化出版局)、『料理の基本 おいしい和食』(永岡書店)、『一汁一菜でいい!楽シニアごはん』『がんばらなくていい!楽シニアの作りおき』『生き方がラクになる60歳からは「小さくする」暮らし』(以上、講談社)など多数。
夫はフレンチレストラン「カストール&ラボラトリー」のシェフ、藤野賢治氏。

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