アフリカの中でも「ケニア」が熱い? 国内大手も進出するケニア最前線

国内大手企業が多数進出するケニア。なぜ今、世界中がケニアに熱視線を向けているのでしょうか?ラストフロンティアとも呼ばれるアフリカの中でも注目を集めるケニアについて、投資額やイノベーション指数をもとに解説していきます。

アフリカのスタートアップ企業に資金が集まる――アフリカの魅力を解説

カゴメやサンヨー食品、日本たばこ産業、LIXIL、富士フイルム、NEC、日立建機などアフリカに進出している日本の大企業は数多くあります。

今、アフリカはスタートアップ企業にとっても魅力的な地となりつつあります。ラストフロンティアとして注目されるアフリカの最新動向をお伝えします。

労働人口の増加が魅力の一つ

アフリカのスタートアップ企業がベンチャーキャピタルから調達した資金は、2017年が2億300万ドル(201件)、2018年が7億2,600万ドル(458件)で、2018年は前年比3.5倍を記録しました(ジェトロ「ビジネス短信」より)。

資金調達を実現した企業の分野を見ると、フィンテックやヘルスケア、教育テック、クリーンテック、ビジネスインテリジェンスなど最前線のサービスがズラリと並びます。

また、アメリカを拠点とし世界各地のスタートアップへ投資を行うPartech Venturesでも、アフリカのスタートアップへの投資額は年々増加傾向にあります。2017年は5億6,000万ドルが投資され、2015年、2016年と比較して投資額が拡大しています。

アフリカが世界に注目される理由の一つは人口が多いことです。特に若い世代が多いことから、労働人口が多く、企業にとって優良な環境が整っているのです。また、資源が豊富なこともアフリカの魅力の一つです。

アフリカのシリコンバレー、ケニアでイノベーションが盛んな理由

そんな中でも特に、アフリカのシリコンバレーとして注目され、「シリコン・サバンナ」と呼ばれているのがケニアです。

ケニアは南アフリカやエジプトなどアフリカ先進諸国の中でもインターネット普及率が高いことが特徴。また、携帯電話やモバイルマネーの普及率が高いことから、携帯電話を活用した簡易なビジネスが数多く生まれました。

携帯電話の普及によって柔軟な発想で新たなサービスを創り出す人々が増え、イノベーションが活発化したと予想されます。

スタートアップ企業を支援するケニアの画期的な取り組み

スタートアップ企業にとって欠かせないインキュベーション施設が数多くあるのもケニアの魅力です。インキュベーション施設とは、スタンディングデスク・共有デスク・個室デスクといったオフィススペースや、会議室・カフェを内包する起業家支援施設です。

人材採用サポートやソフトウェア開発のコンサルティングといったサービスを受けられるなど、インキュベーション施設にはあらゆるサポート体制が整えられています。ケニアでは「iHub」というインキュベーション施設が代表的です。

「iHub」にはGoogleやMicrosoft、Facebookなど名だたる企業がパートナーとして参画。イベントや講演で経営者が登壇することもあります。こうした刺激的な環境で起業できることがケニアの魅力となり、ケニアに進出して起業を志す人が急増する要因となっています。

アメリカのコーネル大学や世界知的所有権機関(WIPO)が発表した世界129カ国のイノベーション能力や成果のランキングである「世界イノベーション指数」は、東アフリカではケニアがトップを記録しました。

世界イノベーション指数は、人材や調査能力、インフラ、知識層の厚み、技術力など80の指標によってランク付けされます。ケニアはそれぞれで高い数値を記録していることから、スタートアップ企業にとってすばらしい環境が整っているといえるでしょう。

ケニア、日本両政府が市場活性化を支援

ケニア政府はイノベーションの創出、起業家育成に向けてサポートを惜しまない姿勢を大統領自らが示し、海外から投資を呼び込むスタンスです。

2019年に日本の特許庁は日・アフリカ特許庁政策対話を開催。日本政府も日本企業の進出先としてケニアを有望視していることがわかります。

今後も新たなサービスが生まれる地としてケニアには注目が集まるでしょう。

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