リスクを抑えて米国株に投資する方法のひとつに、米国の株価指数に連動する投資信託を購入する方法があります。米国の株価指数の中でも特に注目されているナスダック100(NASDAQ100)について解説し、ナスダック100に連動する投資信託の銘柄を紹介します。
目次
ナスダック100とは
ナスダック100は、米国の株価指数のひとつです。
株価指数とは複数の銘柄の株価を指数化した指標のことで、日本では日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などがよく知られています。構成銘柄の多くが値上がりすれば株価指数も上昇するため、株価指数は市場全体の動きを把握する際に役立ちます。
米国の株価指数にはナスダック100の他に、NYダウやS&P500などがあります。ナスダック100は、2020年から2021年にかけてS&P500を上回る好成績を残し、注目を浴びました。
ナスダック100(NASDAQ100)の構成銘柄
ナスダック100はその名の通り、ナスダック市場に上場する100銘柄で構成されています。2021年12月末時点の、ナスダック100の構成銘柄の一部を紹介します。
アップル | コンピュータ機器 |
マイクロソフト | ソフトウェア |
アマゾン | インターネット通信販売 |
メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック) | ソーシャルメディア |
テスラ | 電気自動車 |
エヌビディア | 半導体 |
アルファベット(グーグル) | 検索エンジン |
ブロードコム | 半導体 |
アドビ | ソフトウェア |
ネットフリックス | 動画配信 |
コストコホールセール | 小売・卸売 |
ペプシコ | 食品・飲料 |
ペイパル・ホールディングス | 電子決済 |
インテル | 半導体 |
スターバックス | コーヒーショップ |
日本でも有名な企業が多いことがわかるでしょう。
ナスダック100に連動する投資信託
投資信託は、投資家から集めた資金を専門家が複数の投資先に投資して運用する金融商品です。ナスダック100との連動を目指す投資信託を購入すれば、間接的にアップルやマイクロソフトなどに投資できます。
ナスダック100をベンチマークとする投資信託の一例として以下のようなものがあります。
eMAXIS NASDAQ100インデックス
運用方針 | インデックス型 |
運用会社 | 運用会社三菱UFJ国際投信 |
純資産総額 | 368.14億円(2022年3月15日時点) |
騰落率 過去1年間 過去3年間 |
2022年2月月次レポート 20.3% - |
iFree NEXT NASDAQ100インデックス
運用方針 | インデックス型 |
運用会社 | 大和アセットマネジメント株式会社 |
純資産総額 | 428.84億円(2022年3月15日時点) |
騰落率 過去1年間 過去3年間 |
2022年2月月次レポート 20.4% 108.1% |
このように同じ株価指数であっても諸条件が異なるため、騰落率に違いが生じます。
レバレッジ型のナスダック100に連動する投資信託
投資信託の中には、日々の基準価額の値動きが株価指標などの数倍を目指すレベバレッジ型があります。ナスダック100に連動するレバレッジ型の投資信託には、一例として以下のようなものがあります。
iFreeレバレッジNASDAQ100
運用方針 | アクティブ型 (ナスダック100の2倍程度の成果を目指して運用) |
運用会社 | 大和アセットマネジメント株式会社 |
純資産総額 | 1,400.50億円(2022年3月15日時点) |
騰落率 過去1年間 過去3年間 |
2022年2月月次レポート 15.8% 216.1% |
このようなレベバレッジ型の投資信託は、基準価額が日々の変動率に連動するため、ベンチマークとする株価指数の倍率にならない可能性があります。
例えば、ナスダック100が1ヵ月で10%上昇した場合、2倍の値動きを目指す同指標のレベバレッジ型の投資信託が20%上昇するとは限りません。日々の価格変動によっては、リターンが指数を下回る恐れがあります。このように同じ株価指数であっても諸条件が異なるため、騰落率に違いが生じます。
ナスダック100とS&P500の違い
ナスダック100とS&P500は、米国の株価指数の中でも有名で人気があるので、どちらをベンチマークとする投資信託を選べばよいか悩む方もいるでしょう。そこでS&P500と比較しつつ、ナスダック100の特徴を解説します。
米国の代表的な取引所に、ニューヨーク市場とナスダック市場があります。ニューヨーク市場は世界1位の規模を誇り、上場には厳しい基準が設けられています。一方でナスダック市場は、ニューヨーク市場ほど上場基準が厳しくありません。そのため、新興企業が多く上場しているという特徴があります。
S&P500は、ニューヨーク市場・ナスダック市場に上場する米国企業500銘柄で構成されます。四半期連続黒字や時価総額82億ドル以上など、厳しい基準を満たす銘柄が採用されます。
ナスダック100はナスダック市場に上場する銘柄のうち、時価総額上位100銘柄(米国企業以外も含む)で構成されます。業種で見ると、S&P500と比べて情報技術系の銘柄の比率が高いのが特徴です。
ナスダック100は2008年のリーマンショックで大きく下落しましたが、2010年頃からはS&P500よりも良い成績を残しています。また、過去30年間の上昇率でもS&P500を大きく上回ります。
ナスダック100の急成長には、GAFAM(ガーファム)と呼ばれる米国の巨大IT企業が影響しています。GAFAMはアルファベット(グーグル)、アップル、メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)、アマゾン、マイクロソフトの総称です。
アップルの株価は、約30年で335倍に成長しました。 このような巨大IT企業の成長が、情報技術系の銘柄の比率が高いナスダック100の成長を支えてきたのです。
世界情勢にも注目しながら投資先を決めよう
投資信託を通じて米国市場に投資したいと考えているなら、目覚ましい成長を遂げるナスダック100をベンチマークとする投資信託は、有力候補となるでしょう。
ただし、これまでナスダック100が好成績を残してきたからといって、今後も成長が保証されているわけではありません。投資である以上、下落することも想定しておく必要があります。
米国市場の動きをウォッチするとともに、巨大IT企業のニュースにもアンテナを張り、情報収集に努めましょう。自分なりに仮説を立て、長期的な予測を立てながら、投資先や投資のタイミングを決めることが大切です。
※上記は参考情報であり、特定企業の株式の売買及び投資を推奨するものではありません。