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コロナショックから回復した米国株式の今後と魅力

いまだ世界的に感染が拡大している新型コロナウイルス感染症。その影響で一時は大きく下落したのは米国株式市場ですが、その後回復を遂げています。

コロナショックからの立ち直りを図る投資家が成長を期待できる米国株に投資し、市場はさらに活況を呈しています。

今回は最近米国株に興味を持った人に向けて、その魅力と注目ポイントについて解説します。

米国株式市場の今後

新型コロナウイルス感染症は世界的なパンデミックを引き起こし、アメリカ経済にも大打撃を与えました。2020年3月には米連邦準備制度理事会(FRB)が緊急利下げを行い、「量的緩和」政策を開始しています。

量的緩和とは中央銀行が市場に大量に資金を投入することで、景気の刺激を目的とした金融政策です。そのおかげで株式市場にも多くの資金が流れ込み、株式相場はV字回復し、その後も上昇を続けました。

アメリカの主要な株式指数であるS&P500は、コロナショックで最も落ちこんでいた2020年3月23日から2021年7月2日までに95%も上昇しています。

金融緩和の縮小タイミングに注目

2021年7月8日、FRB議長は量的緩和の段階的縮小(テーパリング)の前倒しを示唆しました。

これによって、金融政策によってもたらされた金融相場から、企業の業績好調や利益成長に沿った「業績相場」へ移行していくことになると言われています。実際に施行されるのはいつになるのか、目が離せません。

米国株の魅力

ここからは、米国株が選ばれる理由とその魅力についてお伝えします。

高成長の実績がある

米国株式市場にはナスダック、S&P500、NYダウという株式指数があり、これらは期間によっても異なりますが、長期で見れば右肩上がりで上昇しています。もちろん、冒頭で紹介したコロナショックのように一時的に下がることはありますが、すぐに回復して上昇基調に戻ってきています。

これは、これは、あくまで過去の実績であり、将来必ずしも同じ運用成果を期待できるということではありませんが、この30年間でS&P500指数は約10倍、NYダウは約12倍になっこの30年間でS&P500指数は約10倍、NYダウは約12倍になっています。ナスダックに至っては約22倍で、史上最高値を更新しました。100万円だった資産が2,200万円になる計算です。

配当還元意識が高い

日本では株主優待が人気ですが、アメリカでは現金が重視されます。そのため、企業側はできるだけ配当金を増やして、株主に利益を還元しようとします。

また、配当金分配の回数が多いのも特徴です。日本企業の配当金分配は年に1~2回ですが、アメリカの企業はほとんどが四半期ごと、つまり年に4回も配当金を出しているのです。

インカムゲイン重視の投資家にとって、高配当や増配が多い米国株は相対的に魅力があると考えられます。

世界規模の有名企業に投資できる

世界規模でビジネス展開している有名企業に投資できることも、大きな魅力です。

アップルやアマゾン、ウォルトディズニー、コカ・コーラ、ナイキ、フェラーリ、スターバックスなど、自分の好きなブランドやメーカーの株主に名を連ねることができます。自分の投資が運営資金の一部になり、新しい商品やサービスが展開される喜びも味わえます。

少額でも投資できるから手が届く

日本企業の株式は、最低購入株数が100株とされているものがほとんどです。そのため、投資するためにはまとまった資金を必要とします。

一方、アメリカ株はほとんどが1株単位で購入できるため、少額から投資できます。先ほど挙げた有名企業の株も数万~十数万円で買えるものが多く、中には1万円以下で購入できるものもあります。

少額からスタートできるというだけで、ハードルが下がりますね。

日本にいながら、円でも取引ができる

「米国株はドルで取引されるから、よくわからない」と思う人もいるでしょう。しかし、日本の証券会社で開設した口座を通じて、円貨で取引することもできます。

外国株を扱っているネット証券では、取引画面も円に換算されて表示されるので、いちいち換算する必要はありません。

米国株取引の注意点

米国株に投資する際は、外国株取引ならではの注意点があります。必ずしもデメリットというわけではありませんが、国内取引に慣れている人ほど注意が必要です。

時差がある

アメリカの株式市場の取引時間は9時30分から16時で、米国東部時間に統一されています。日本のように昼休憩はなく、取引時間の前後に「時間外取引」が行われます。

<米国株取引時間>

現地時間 日本時間
プレ・マーケット 8時~9時30分 22時~23時30分
21時~22時30分(サマータイム)
取引時間 9時30分~16時 23時~翌朝6時
22時30分~翌朝5時(サマータイム)
アフター・マーケット 16時~20時 6時~10時
5時~9時(サマータイム)

※サマータイム:3月の第2日曜日から11月第1日曜日まで

日本株の取引時間は自分の仕事で忙しい投資家は、アメリカ市場のほうが投資しやすいかもしれません。しかし、夜通し張り付いているわけにはいかない人も多いでしょう。眠っている間に相場が大きく動き、翌朝チェックしたときに血の気がひくということもあります。

為替リスクがある

株式投資には、さまざまなリスクがあります。外国株式を取引する際は、それに為替リスクが加わるため、さらに注意しなければなりません。

株価の変動とは別に、為替レートも変動します。株価が上がって利益が出ても、為替レートによっては損失が出ることもあります。

一方で、株価が上がって為替が円安になれば、ダブルで利益を得られます。また、株価は下がったものの為替が円安に振れて、損失が軽減されるケースもあるでしょう。いずれにしても、株価と為替の両方をチェックしておくことが大切です。

二重課税

基本的に米国株の売買益はアメリカでは課税されず、日本で課税されます。しかし、配当金はアメリカでも日本でも課税されます。つまり、「二重課税」になるのです。

確定申告で「外国税額控除」を行うと、払い過ぎた税金は還付されます。

-NISAの活用がおすすめ

NISAは、一定の投資額の範囲で得た利益が非課税になる税制優遇制度です。NISA口座を利用した取引で得た利益には、日本でも税金がかかりません。つまり、米国株の売買益は日米ともに非課税になるのです。

ただし、この場合は二重課税ではなくなるため、アメリカで配当金にかかる税金の還付は受けられません。

手数料が多い

国内株取引で必要な手数料に加え、米国株取引ではアメリカの証券取引所手数料や外国為替手数料がかかります。

各種手数料の扱いや金額は、証券会社によって異なります。一般的にネット証券は手数料が格安ですが、国内株と外国株は別ページに記載されていることがあります。条件や金額をしっかり確認しておきましょう。

値幅制限がない

日本の株式市場には、「ストップ高」「ストップ安」という1日の値幅制限のルールがあります。

一方、米国株式市場には値幅制限がありません。そのため、大きく値上がりする可能性もありますが、大暴落の危険もあります。

証券会社によっては独自の値幅制限を設けているところもあるので、事前にチェックしておきましょう。

証券会社によって取扱銘柄数が異なる

日本株ならば、日本国内のどの証券会社でも取扱銘柄に大きな違いはありません。主要取引所に上場している銘柄は、ほとんどの証券会社で売買が可能です。

しかし、米国株は証券会社によって取扱数が異なり、数十銘柄のところもあれば数千銘柄のところもあります。そもそも、外国株は扱っていないという証券会社も少なくありません。

まったく情報がない銘柄もある

情報についても、同じことがいえます。日本株は会社四季報をはじめ、各証券会社の分析などさまざまな情報を入手できます。

しかし、米国株の情報量は証券会社によって大きく異なります。独自のシステムのよる情報提供に力を入れているところもあれば、わずか数行の紹介文しかないところもあります。

米国株に「強い」証券会社を見極めるために、十分に比較検討することが大切です。

代表的な米国株

最後に、米国株になじみのない方に向けて、一例として、代表的な銘柄検討して損はない注目株をご紹介します。尚、下記はあくまでも代表的な米国企業の紹介であり、個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。

GAFAM

「GAFAM(ガーファム)」は、世界のIT市場を牽引するグーグル(Google)、アップル(Apple)、フェイスブック(Facebook)、アマゾン(Amazon)、マイクロソフト(Microsoft)の頭文字です。

コロナ禍によって企業や学校、日常生活でのオンライン化が世界で急速に進んだことが追い風となり、GAFAMは大きな利益を上げています。もともと人気がある銘柄ですが、強さを再認識させられました。

今後パンデミックが終息して消費が回復すれば、企業の広告活動もコロナ以前の状態に戻ると言われており、売上の8割が広告収入であるグーグルは、コロナ禍の後も業績向上への期待が高まっています。

リスク分散にもつながる海外投資

日本株以外は手を出したことがない人や株式投資の経験がない人は、「米国株取引はハードルが高い」と思うかもしれません。

しかし、成長を続ける米国株は長期運用に適しているとも考えられ、聞いたこともがある銘柄も多く、投資初心者にとっても良い教材といえるでしょう。また、投資対象を国外に広げることで、リスク分散を図ることも期待できます。

少額でも投資できるというメリットを活かして、まずは気になる米国企業の株を探してみてはいかがでしょうか。

※本記事は投資に関わる基礎知識を解説することを目的としており、投資を推奨するものではありません。

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