新しい生活が始まる新年度から、投資にチャレンジしてみようと考えている人も多いでしょう。しかし、特に初心者が投資を始める際は注意が必要です。
資産運用の主な失敗例を知ることで、リスクに備えながら投資を始められます。資産運用に成功するためには、よくある失敗例を理解し、押さえるべき点を知っておくことが大事です。
目次
資産運用の主な失敗例
運用目的や目標金額が曖昧
資産運用に失敗する人の多くは、運用目的や目標金額が曖昧です。投資について「将来に向けて徐々にお金が増えていくだろう」と期待するだけでは、利益を得られる確率は低くなってしまうでしょう。
初心者の大半は、金融商品を購入した時点で、既に満足してしまう傾向があります。途中で関心がなくなって、そのまま放置するような状態になれば、商品価値が大きく下がった時にも気付きにくくなります。
資産運用で失敗しないためには、運用目的や目標金額をきちんと設定することが大切です。「5年後に住宅ローンの頭金を作る」「30年後の老後資金を増やしておく」などの目的を設定し、それぞれに目標金額を定めれば、失敗しにくい運用を進められます。
分散投資を意識していない
資産運用では、リスクを回避するための分散投資を意識することも大切です。分散投資とは、一点集中した投資における破産を防ぐための手法だといえます。
例えば、投資可能な自己資金の全てを気に入った金融商品1つにつぎ込んでしまうと、その商品の価値が下がった場合、大きな損失を被ることにもなりかねません。他で挽回しようにも、資金が底をついてしまう状況にも陥りかねません。
株式、投資信託、債券などそれぞれにメリットもデメリットもあります。性質の異なる金融商品をうまく組み合わせ、投資タイミングをずらすことで、大幅な資産の損失を防ぎ、比較的安定した運用を目指すことができます。
金融商品を適切に選んでいない
資産運用を検討し始める時期は、世の中のさまざまな金融商品に目が行きがちです。銀行や証券会社からおすすめ商品を紹介されたり、ネット上に踊る謳い文句に心を惹かれたりすることもあるでしょう。
しかし、商品の中身をよく確認しないまま、単に人気だし良さそうだという理由だけで投資対象を選ぶのは避けるべきです。特に、金融機関が勧めてくる商品は、販売手数料や運用中のコストが高い自社商品のことが多い傾向があります。
メリットばかりが目立つ商品や、各種ランキング上位の商品は、必ずしも自分に適したものとは限りません。リスクをチェックし、ライフプランを考慮しながら、自分の投資スタイルにあった商品を選ぶことが大切です。
仮想通貨やFXに手を出してしまう
仮想通貨やFXといったハイリスクな特性を持つ金融商品を選ぶと、大きな損失額を出してしまいかねません。よく挙げられる失敗例です。
仮想通貨やFXは、株式取引より手数料が安いことが多く、24時間売買できることにも魅力を感じるでしょう。FXに関しては、少ない手元資金で実際にはその何倍もの金額の投資ができるなど、レバレッジをかけての運用もできます。
このように、手軽に始められそうな要素がある上、大きな収益を期待できる側面もあります。しかし、失敗した際には損失額を補うための資金が足りなくなることも多く、借金せざるをえなくなるリスクもはらんでいます。
資産運用で失敗しないためのポイント
長期・定額積立・分散を意識する
投資の世界には、長期・積立・分散の3原則があります。いずれも、投資を始める上では重要な要素です。
長期的な運用を意識すれば、途中で大きな相場の下落が起きても、回復を待てます。毎月一定の積立を心掛ければ、価格変動リスクの影響も受けにくくなります。分散投資の重要性は前述したとおりです。
ハイリターンは得にくくなりますが、手堅い運用を進めやすくなります。失敗を防ぐには、長期・定額積立・分散を意識しましょう。
商品ごとのコストも考慮する
どの金融商品にも、必ずコストが発生します。どのような費用を負担するかについては、しっかりとご確認ください。投資取引する上で、いくらコストが発生するのかを知ることは、とても重要なことです。
売買時のみ発生するものから継続的に発生するものまで、コストの種類もさまざまです。できるだけ低コストの商品を選ぶようにしましょう。
NISAやiDeCoを検討する
一般投資家の資産運用をサポートする目的で、NISAやiDeCoといった税制優遇制度が用意されています。少額から投資を始められて、厳選された商品を選べるなど、節税以外にもメリットがある制度です。
NISAやiDeCoのメリットを意識しながら運用すれば、結果的に長期の積立も実現しやすくなります。特に初心者におすすめできる制度です。
自分でもしっかりと勉強する
プロに任せっきりでは、投資の本質を知ることは困難です。単にお金を増やしたいという考えだけでなく、投資や金融についてしっかりと勉強することで、資産運用を成功に近づけやすくなります。
自分で勉強を始めれば興味がわき、より楽しく資産運用を進められることもメリットです。たとえプロに任せたとしても、日々の勉強は怠らないようにしましょう。
成功のポイントは失敗例から学べる
運用目的や目標金額が曖昧だったり、勧められるがままに商品を選んだりすると、投資は失敗しやすくなります。よくある失敗例から成功のポイントを知り、注意点を意識しながら資産運用を始めてみましょう。
※本記事は投資に関わる基礎知識を解説することを目的としており、投資を推奨するものではありません。