新型コロナウィルスの影響で2020年2月下旬ごろから世界的に株式相場が乱れています。投資判断に迷ったり株式投資におじけづいたりした人もいるのではないでしょうか。そこで参考にしたいのが投資の神様、バフェット氏の投資思考です。今回のコロナショックでは同氏は購入して間もない航空株を売却、大損失を出したと話題になっていますが、実は示唆に富んだこの事例から学べることがあります。
新型コロナウィルスの感染拡大が始まり、株価が急落した時期に航空株を大量に購入したウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイ。長期保有を信条としている同氏としては珍しく約1ヵ月で投資判断を変え売却しました。売却時の価格は1ヵ月前の買値を5割近く下回っていたそうです。一見すると投資の失敗談と取られそうな行動ですが見習うべきポイントが2点挙げられます。
逆張りとは「相場の下落局面で買い、上昇局面で売る」という相場の大きな流れに逆らうような投資手法です。しかし、多くの投資家にとって相場が低迷しているときにはなかなか買いを入れにくいもの。上昇局面にあるからこそ買いたいと思うものでしょう。逆張りは「株価が回復する」という自身の判断力や分析力を信じ、流れが反転するのを待ち続けなければなりません。
「長期保有を基本とするバフェット氏だからできるのでは?」と感じる人もいるかもしれませんが、「自分の判断力を信じる」という逆張り視点は投資家なら誰もが持っておくべきでしょう。
とはいえ情勢の変化によっては投資判断を切り替えたほうがいいケースはあります。今回の航空株に関しては、同氏は投資判断を転換し素早く見切りをつけて損切りしました。「株は買うときよりも売るときが難しい」とよくいわれます。その後の回復が見込めず、さらに株価が下落し損失額が膨らむ可能性があるのであれば素早く見切りをつけることも大切なことです。
失敗したときに素早く対応できるのは、はじめから自分の投資シナリオを描いているからでしょう。以下のような購入理由(シナリオ)をしっかり持っていると「相場が崩れたときすぐに切るべきかどうか」について判断がしやすくなります。
・なぜその銘柄を選ぶのか
・その銘柄はどういう事情で上がる(下がる)のか
・その業界は今後どういう方向に動きそうか
バフェット氏の投資思考を研究し、まずは自分なりの投資シナリオを描いてみるのもよいかもしれません。