投資信託には指数に連動することを目的とするインデックス・ファンドのほかに、市場平均(インデックス)を上回るリターンを目指し運用されるアクティブ・ファンドがあります。商品毎に特徴・特性が異なるアクティブ・ファンドは大きなリターンが得られる可能性がある一方、リスクが大きくなることがあるため、商品選びでは投資家の目利き力が問われます。
本記事では、アクティブ・ファンドを選択する際に留意すべきポイントを説明します。
目次
ポイント1:成長性が高いテーマを扱うファンドを選ぶ
アクティブ・ファンドの醍醐味である市場平均を超えるリターンを目指すためには、成長が期待できるテーマを選ぶことが重要です。投資対象として興味関心があるテーマがあっても、私たち自身で将来性を正しく予測することは容易ではありません。
しかし、ファンド運用会社はアナリスト等の専門家を数多く抱えており、専門性ある知見に基づきファンドを設定しています。また、ファンドの構成銘柄についても、一般投資家に馴染みがない銘柄も含めて、専門家の視点で成長性やリスクが評価された銘柄となっています。成長性が高いテーマのアクティブ・ファンドを選ぶことで、効率良く投資することが可能となるでしょう。
ポイント2:成長性が高いアセットを対象としたファンドを選ぶ
アクティブ・ファンドが投資対象としているアセット(資産)は株式だけではありません。景気や金利など経済状況の将来の見通しによっては、株式ではなく債券や不動産を対象としたファンドや、複数のアセットを投資対象として組み合わせているファンドの方が、相対的に高いパフォーマンスが期待できることもあります。
今後価格が上昇すると予想されるアセットを対象としたアクティブ・ファンドを軸に投資することで、相対的な期待リターンが高まる可能性があるでしょう。また、投資対象を複数のアセットに分散することで、リスク低減効果が得られるかもしれません。
ポイント3:過去の運用実績に問題がないファンドを選ぶ
日々新しい投資商品が登場していますが、中でも斬新なテーマ設定をしているファンドや、金融機関が大々的に販売に力を入れているファンドは、高いパフォーマンスが期待できるかもしれないというイメージから、投資家の大きな注目を集めることがあります。
市場平均との連動を目指すインデックス・ファンドであれば、過去の実績がない新規設定ファンドも特段の問題はありません。しかし、過去の実績がないアクティブ・ファンドは、今後どのようなパフォーマンスになるかは未知数であり、よほどの確信がない限り投資する必要はないでしょう。
ポイント4:リターンとリスクのバランスが適切なファンドを選ぶ
アクティブ・ファンドに期待する運用パフォーマンスの程度は投資家それぞれで異なっています。しかし、アクティブ・ファンドは商品毎に構成銘柄が異なるため、商品の運用実績だけを見て運用の巧拙を評価することは簡単ではありません。そこで、アクティブ・ファンドを選ぶ際は、自分の投資目的やファンドの運用趣旨に合っている、適切なベンチマークが設定されているかどうかを確認することが重要となります。
大きなリターンが期待できるかということばかりに気をとられて、想定以上にリスクが大きいファンドを選んでしまうことは避けたいところです。自分の投資スタイルの範疇でリターンとリスクのバランスが良いファンドを選ぶことを意識すると良いでしょう。
ポイント5:分配金が支払われるファンドを選ぶ
アクティブ・ファンドの中には、分配金が支払われるものがあります。分配金の有無はファンドの本質的な評価を表すものではありませんが、分配金がある場合は現金で受け取り生活費に充てるだけではなく、同じファンドに再投資して複利効果を活かしたり、別のファンドに投資することでリスク分散したりすることが可能となり、投資の幅が広がりますので、自分の投資スタイルに応じて検討しても良いでしょう。
分配金はファンドの資産から支払われるため、分配金支払いに応じてファンドの基準価額は下落することになります。そのため、分配金があるファンドのパフォーマンスの実態は、分配金込みの基準価額の推移で確認することがポイントになります。一見すると過去の基準価額が下落を続けているケースもあります。しかし、その場合でも分配金込みの基準価額は上昇している可能性があるので、過去の運用パフォーマンスはトータルリターンで確認することが大切です。
まとめ
アクティブ・ファンドの最大のメリットは大きなリターンが期待できることですが、ファンド毎に特徴や内容が大きく異なっており、商品を選ぶのは容易ではありません。自分の投資スタイルを踏まえ、複数のポイントでアクティブ・ファンドを吟味し、リスクを相対的に低減することを目指してはいかがでしょうか。
※本記事はアクティブ・ファンドに関わる基礎知識を解説することを目的としており、アクティブ・ファンドへの投資を推奨するものではありません。