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2024年のブロックチェーン市場はどうなる?4つの重要キーワードを紹介
(画像=metamorworks/stock.adobe.com)

2024年のブロックチェーン市場はどうなる?4つの重要キーワードを紹介

2023年はブロックチェーン技術が、広範囲な実用化に向けて大きく前進した一年となった一方で、2024年もさまざまな進化が期待されています。本記事では2024年のブロックチェーン市場を予想する上で重要な4つのキーワードとともに、今後の市場動向を考察します。

2023年の振り返り

2023年は一部の国の金融庁や国際金融機関が相次いで「資産のトークン化」の研究・開発を加速させる一方で、多数の国において、中央銀行が発行するデジタル通貨「CBDC(Central Bank Digital Currency)」の取り組みも本格化するなど、金融セクターにおけるブロックチェーン技術のポテンシャルを模索する動きが活発化しました。

イーサリアムの開発者が最新のアップグレード「Dencun」の詳細を発表したことも、話題となりました。これはデータストレージの強化や取引手数料の削減、ネットワークの安全性向上を目的とするもので、2024年第1四半期に実施予定です。

暗号資産市場においては、「テラ」の崩壊や大手暗号通貨取引所FTXの破たんなど、市場にネガティブな影響を与える出来事もあり、暗号資産セクターが直面している課題が改めて浮き彫りになりました。

2024年のブロックチェーン重要キーワード4選

ブロックチェーン技術への関心の高まりは、2024年も継続することが予想されます。以下、2024年の展開を予想する上で重要な4つのキーワードを見てみましょう。

キーワード1:インターオペラビリティの向上

2024年は、ブロックチェーン成長のカギの一つであるインターオペラビリティの向上への取り組みが、さらに加速すると期待されています。

インターオペラビリティは複数のブロックチェーンに相互運用性を持たせることにより、互換性やスケーラビリティ(拡張可能性)といった、ブロックチェーンが直面しているさまざまな課題の解決に貢献する可能性を秘めた技術です。

もともとブロックチェーンはそれぞれ異なるルール・仕様に基づいて構築されているため、ブロックチェーンAからブロックチェーンBへのデータ移動ができません。その障壁がインターオペラビリティによって解消されると、サービス等の幅が非常に広がります。

例えば、ブロックチェーンAの技術で作られた暗号資産Aは、同じブロックチェーンで構築されたウォレットにしか送金できません。インターオペラビリティが実現すると、暗号資産AをブロックチェーンBで作られたウォレットにも送金できるサービスも構築可能となります。

すでに、「コスモス」や「ポルカドット」など、インターオペラビリティの確立に向けて多数のプロジェクトが進められています。

キーワード2:現実資産のトークン化

ブロックチェーン技術を活用して、実物資産(※)の所有権をトークン化する「RWA(Real World Asset)のトークン化」も、大きな成長が期待されている領域です。2023年9月末の資産総額は25億ドル(約3,600億円)に達しています。今後、国際金融機関や投資企業の市場参入や技術進歩、インフラの発展、インターオペラビリティの向上が、さらなる追い風となるでしょう。

(※)現金・株式・証券・不動産・アート・貴金属・商品など、目に見える資産のこと。

キーワード3:AI技術、メタバース、Web3.0との融合

AI(人工知能)やメタバース、Web3.0とブロックチェーンの融合も、2024年に注目度が高まることが予想されます。さまざまな技術と融合させることにより、それぞれのポテンシャルを高めることができる点が、ブロックチェーン技術の魅力の一つです。

たとえば、AIはブロックチェーン上でのプロセスの合理化や自動化に役立つ一方で、ブロックチェーンはAIベースの商品・サービス、あるいはメタバース内での取引の透明性や安全性の確保に役立つと期待されています。

また、Web3.0が社会やビジネスの進化に大きく影響する可能性があることから、Web.3に関連するブロックチェーン技術の開発がさらに活発化する可能性があります。

キーワード4:BaaS(ブロックチェーン・アズ・ア・サービス)

BaaSはクラウドベースのプラットフォーム上で、必要に応じてブロックチェーンアプリやスマートコントラクト、決済システムなどを開発・運営できるサービスの総称です。利用者は複雑なITインフラの構築や管理、設備投資などを必要とせず、ブロックチェーンの利点を活用できます。

近年はアマゾンやマイクロソフト、IBM、オラクルといった大手IT企業がBaaSサービスを提供しており、ブロックチェーンを導入しやすい環境整備が急速に進んでいます。2024年はブロックチェーンの導入を検討する企業が増加し、新たなサービスやプロバイダーが市場に参入する可能性があります。

このような期待感から、世界のBaaS市場規模は2020~2027年の期間で年平均40%成長し、249億ドル(約3兆5,856億円)を超えるとフォーチュン・ビジネス・インサイツ(以下、FBI)は予想しています。

2030年までに2.5兆円市場に成長?

FBIによると、さまざまなポテンシャルを秘めたブロックチェーン市場規模は、2023年に前年比59%増の176億ドル(約2兆5,344億円)に達し、2030年までにおよそ4,695億ドル(約67兆6,080億円)に成長することが予想されます。2024年も引き続き、ブロックチェーンの課題を解決するための取り組みが加速する一方で、新たな技術やトレンドが生まれることが期待できるでしょう。

※為替レート:1ドル=144円
※本記事はブロックチェーン技術や暗号資産に関わる基礎知識を解説することを目的としており、ブロックチェーン関連資産等への投資を推奨するものではありません。

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